映画『予告犯』観てムカついたんで、ネタバレ上等ですげー悪口書く!

なんだこの映画は!あまりにつまんなすぎるだろ!いや単につまんないならまだしも、こんなのが全国のスクリーン占拠してんのかよ!
一方で才能と魂のある映画作家の低予算の、でもホントに面白い映画がごく限られた映画館でしかかからないのに!
なんなんだよこの映画!なんなんだよ日本映画界!
くっそぉぉぉぉ!

…と、観終わった直後はムカムカ、というか脳が映画を処理しきれず大混乱に陥ってたが、冷静に考えりゃ比較対象が分からないからどうとも言えない。
最近の漫画原作邦画って観てないし、そもそも邦画大作(コレ大作って言えるのか?)なんぞ十年くらい観てない。
なのでこの映画が同種の他の邦画と比べてどうかは知らんが、しかし言う。
やっぱ、つまんねぇよ!ってか子供騙しにもなってねぇよ!ヒド過ぎるよッ!

ってなワケでやっぱり冷静になれなかったんで、原作と比べながら(あんま覚えてないが)悪口書きます。
(あらすじと原作の感想→『予告犯』原作読んだんで、感想撒き散らす!(※ネタバレとか無い)

(※二年ぐらい前に書いた感想ですがこの頃無職だったためとばっちり的に怒りが爆発しており酷い有様です。ご了承)
(※※壮絶な中村義洋監督叩きが繰り広げられており自分で読み返して戦慄しますが中村監督の『残穢』というホラー映画を見たらとても怖かったのできっといい監督だと思います)
(※※※…本当は記事ごと削除したいが戒めのため残しておくのでそのへん察してください。無職はこわいです!)

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えーと、まずコレ、ハナシは原作に忠実。っていうか構成から構図からほぼ同じで、セリフなんて半分くらいそのまま引っ張ってきてたりする。よく原作もの映画で「原作と違う!」とか怒る人いるが、もうホントにそのままなんで、その意味で怒る人はたぶんいない。
俺はそのまんま映画化するコトの意味が全く分からない(だって、そのままがいいなら原作読めばいいじゃん)んで、その時点で出鼻を挫かれたけど。

とはいえ原作と違う部分もあって、いくつかのシーンは削られた。主だったトコっつーと、アレだな、犯人グループがシー・シェパードに攻撃を仕掛けるエピソード、コレは丸々カット。
主犯格で主人公の男がSEXを覗き見するシーン、職務質問されて困惑する通行人に主人公が反抗を促すシーンなんかもカットされた。
要するにだね、コレ微量でも毒になりそうな部分は全部切ってある。どなたさまでも不快感なくご覧いただけるように細心の注意が払われてる。でも原作は風刺漫画でもあるワケで、そこ取っちゃったらたとえハナシは同じでも全く意味が違っちゃわないか? ハナシが物凄く軽くならないか?

いや意味とか重さとか一旦置いとくとしてもさ、原作だとネットで炎上した超小悪人を懲らしめるトコから始まって、徐々に犯行がエスカレートしてく。んで、警察側が不可能とタカをくくってたシー・シェパードに対する攻撃を経て、代議士の殺害予告と相成る。
映画だと超小悪人とっちめて、すぐさま殺害予告に行くワケですが、間にシー・シェパードあるのと無いのとで受ける印象は全然違う。早い話、犯人グループの本気が全く伝わってこないんで、従ってサスペンスもクソもありゃしねぇんである。

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代わりに付け足されたシーンもあり、コチラは要するに、毒のないシーン。犯人グループの過去とか人物描写をちょっとだけ肉付けしたりして、お客さんの同情を誘う(そうとしか考えられない)
一番大きいのはラストシーンだな。原作だと懲役食らった犯人グループのその後と主人公を追ってた女刑事のモノローグで終わるが、映画は犯人グループが浜辺でお誕生日会してるシーンで終わる。
まるで、美しい青春の一ページが如き終わり方。なるほど、切ない。なるほど、感動的(と、いうコトにしといてやる)

…いや、おかしいだろ! シー・シェパードにサイバー攻撃仕掛けて代議士先生の殺害予告すんだから、こいつら立派なテロリストだよ! 犯人たちがちゃんと懲役食らったシーンが省かれたコトも含めて、これじゃあテロを賛美してるみたいじゃねぇか! カットされたシーンよりそっちのが道義的に問題あるっての!
と、思ったが、シー・シェパードはカットされたし、原作だと主人公一味に殺される(か、病院送り)代議士先生は単に辞職に追い込まれるだけなのだった。だったらいいか…ってそういう問題じゃねっつの!

シー・シェパード攻撃っつー序盤の見せ場が無くなってマズイと感じたのか、犯人グループが代議士先生に仕掛けるイタズラはスケールアップしてた。炭酸飲料に小細工して、フタを開けると炭酸シュゴォォォ!ってなイタズラで、代議士先生の参加した炭酸飲料のイベントのシーンに出てくる。
コレ原作だとなんのコトないシーンだが、映画だと会場の人々が一斉にフタを開けて大騒ぎになる。炭酸シュワシュワが見せ場なの? バカなの? ガキでも喜ばねーよ、そんなの。

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そんなワケで、既に脚本からして多大な問題を抱えてると思うが、コレ書いたの林民夫って脚本家である。
この人、最近じゃ『夫婦フーフー日記』(2014)、『白ゆき姫殺人事件』(2014)、『永遠の0』(2013)、『藁の楯』(2013)みたいなヒット作をたくさん手掛けてる売れっ子で、脚本家として20年のキャリアがある。
なんとなく衝撃だが、俺は↑の映画ほとんど観てないから悪口書くのはよそう。
ただ言っとく。『藁の楯』観たけど、あれホントにヒデェ、小学生が書いたみたいな脚本だったからな!

マァしかし、映画の内容に関しての責任者はやっぱ監督だろうよ。
林民夫も何度がタッグを組んでる監督の中村義洋、この映画がマジでダメなつまんねぇ映画だとすりゃあこの人が悪い(いかようにも言い逃れられるだろうが)
俺はこの人の映画観たコトないから果たして他の映画でも同様のダメ監督っぷりを発揮してやがるのかどうかは知らんが、こと『予告犯』に関しちゃ現場で寝てたとしか思えない仕事っぷりだろう。
いやずっと起きてて、かつ常に精力的に動いてたかもしんないが、だとしたら余計タチ悪いわ!

要するに脚本の問題ってぇのはテロと社会批判を含むハナシ(マァ薄っぺらいが)を毒のない美談に変えちゃったトコにあるが、演出もそーゆー感じなのだった。
サスペンスがねぇとかなんとか書いたが、おそらく中村義洋はハナっからこの映画をサスペンスにする気はなかったんである。
実際、主人公たちが引き起こす事件の数々はアップテンポでポンポンと進んじゃうが、原作だけ見れば分量的にさして多くないハズの主人公の回想であるとか、その感情の機微に関しちゃとてもジックリと描く。
それが全く伝わって来ないのは俳優さんが悪いのか演出が悪いのか微妙なトコだが(どっちもか?)、とにかく後半一時間はお涙頂戴の人間ドラマになる。

アレだな、その点最悪なのは、犯人グループが殺人を犯すシーンだろうよ。
なんやキレイな音楽流れる中、主人公ら犯人グループは友情を確かめ合うようにして、自分たちを虐げてきた日雇い労働の現場監督を殺害する。
この人たちは色々な理由があって社会に溶け込めず、日雇い労働に辿り着いた。
お互い傷を持つ者同士やがて仲良くなるが、その一人の死が引き金になって、衝動的に現場監督を殺しちゃうのだった。

コレやってるコトは原作も同じだが、ソッチは鬱屈した感情の発露としての殺人ってな具合に描かれ、もっとドライで暗いんである。
人殺すんだからそれで当たり前だと思うが、映画は「ボクたち、仲間なんだ!お互いに助け合おう!」と言わんばかり。
そしてそれを正当化するために、原作だと単なる冷たいヤツだった現場監督は、原作漫画より漫画じみた悪人として描かれるコトになったんである。
わざわざそのためのシーンすら追加して。

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たぶん林民夫と中村義洋が原作から全く読み取れてない(か、あるいは無視した)のは、主人公たち犯人グループのドロドロした感情なんである。
現場監督の殺害にせよテロ行為にせよだが、理不尽な社会に対すると同時に、無力な自分に対する激しい怒りと絶望が動機としてある。現場監督を殺したのは彼が憎かったからじゃない。社会の負け犬たるこの人たちは、なによりそんな自分が憎かったのだ。
だからラストは犯人グループの集団自殺になるし、主人公の計らいで死の運命から生還した犯人たちは刑に服しながらも明日に踏み出すコトが出来たのだった。

このあたり原作でも最後の方でぼかしちゃうワケだが(自己犠牲とか出して)、しかしそうは言っても綺麗事にならないトコがあった。全体として軽いユーモアを散りばめつつもドライなタッチで描かれてるが、だからこそ単なる社会批判にも美談にもならないで、自分で自分を呪うしかない負け犬たちの悲壮感が浮き彫りになってたんである。

俺はそれが『予告犯』っつー漫画を時事ネタとルサンチマンで固めただけの安い社会派気取り漫画からも、これまた安いセンチメンタリズムでハナシを誤魔化そうとするバカ漫画からも区別するトコだと思ってたが、映画の方はというと、そのどちらもありゃしない。
暗いパッションを秘めた知能犯だった主人公は弱々しいだけのバカになり、カメラは寄り添うように撮るんでとてもウェット。しかし一方でこの人が犯人グループと楽しそうにしてるシーンの比重が大きくなったんで、悲壮感とか全くない。みんなキレイな顔して笑ってる。
役者さんの問題もあると思うが(荒川良々と濱田岳がテロリストってどうよ?)、大部分演出の問題だろうと思われる。

ちなみに主人公を追うクールな女刑事は、映画だと全く存在感がない。後半ともなると画面から完全に消える。そしてたまに現れたかと思えば思考を全部声に出し(最近の邦画でよくあるやつ)、ヒステリックに感情をぶちまける。
主人公と女刑事の頭脳戦なんて望めるワケもなく、毒が抜かれてサスペンスも無くなったんで、もはや盛り上がるトコとか一つもない。

あるいは漫画にあった細かい描写、とくにインターネット・セキュリティ周りの描写なんかがバッサリ切られたせいもあるだろか? 基本漫画と同じコトやってるが、そのせいでリアリティが無いならまだしも、漫画の方がリアルに見えるっつー逆転現象さえ起こってる。
なにもリアルなら良いってもんじゃないが、実写が漫画にリアリティで負けるって…もう褒めるトコ無いっつの!

原作とほとんど同じなのに全く違う。ある意味『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)みたいなもんであり、コレはコレで凄いんじゃなかろか?
問題は、その違いが一片たりとも面白さに繋がって無いってコトですがネ。

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マァそんなワケでですね、コレはホントに、ヒドイとしか言えない。つか言っちゃえばさぁ、俺原作だってそんな好きなハナシじゃないし、優等生的でつまんねぇなとさえ思うトコ多々ありましたよ。
でもねぇ…アレだな、コレ観た後じゃ大ケッ作にすら思えますよ、マジ。うん、面白い漫画でしたわ。

ウルトラ無理やり映画の美点を挙げるなら、泣きのシーンと優しいシーンが原作よりたくさんあるってトコかなぁ。テロのハナシにそれを求める人がどれだけいるか分かりませんが、マァ、なんか泣けて優しい青春映画みたいに観れんじゃないすか。そうだとしても面白くないし、そうだとすれば恐るべき不道徳映画だと思うけどね。
その意味で、カルト映画好きは観る価値あるか? いや、無いだろ…。

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匿名さん

うーん
監督志望で嫉妬で叩いてるって感じがする。他にも優秀な作品があるとか言うくだりはとくに。
俺は面白いと思ったし感動もした。

匿名さん

この人つまらんなぁ、典型的な原作厨って感じで映画を映画として見られてない

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