映画『サイの季節』の感想を書いていく

黒い。黒が黒い。主人公のオッサンなんかいつも黒いコートとか着てるが、なんだか頭だけボーっと浮かんでるように見えてしまう。そんぐらい黒が黒い。

『サイの季節』はイランの亡命映画監督の作だそうである。
例によってイラン情勢とかまったく知らんが、なんか政権批判的な映画撮って軟禁された映画監督の映画とかあったし、色々表現上のタブー多いんでしょな。イスラムの国は厳しくてタイヘンだ。
そんなタイヘンな映画だが、ついいつものクセで寝てしまった。よってストーリーすらよくワカランからマトモなあらすじすら書けん。
恥じるべきである。いや、俺じゃなくてこんなクソ感想読んでるアナタがね!

https://torrentbutler.eu
https://torrentbutler.eu オッサンが黒い。

おぼつかない記憶を頼りに書くと、映画はイラン革命後長い間投獄されてたらしいオッサンが解放されるとこから始まる。
で、オッサンはイランを出てイスタンブールに飛ぶ。そこにはかつてのカミさん、モニカベルッチがおって、会おうかなぁ、いややっぱやめようかなぁと悩む。

…とゆーよーなハナシだったと思うが、その時点ですでに半睡眠に入ってるんで定かではない。その後オッサンは安いギャル二人組と出会ってたような気もするが、それがオッサンだったのかどうかすら定かでない。
別のオッサンだったかもしれん。ただでさえヒゲモジャのイラン人なんぞ見分けがつきにくい上、断続的な睡眠まで入ってんのでとにかく人物があやふやである。
映画は段々と過去と現在が入り混じるようになり、ほんで更に心象風景がバシバシ入ってくんので、いやもうなにがなんだかだ。

果たしてこんな真面目な映画をこんな適当に観ていいものかと自分でも思わなくはないが、しかしそもそも、実話を基にしてるとはいえかなりの部分亡命監督の心情を反映したパーソナルな映画である(と思われる)
平和凡庸バカ日本人の俺にその心情が理解できるワケもないので、ヘタに分かった気になるよりは素直に分かんねぇと言った方が害がなかろう。

マァ、別に寝なくてもよく分かんねぇ映画である。説得力皆無だが。

https://chrisfilm.wordpress.com
https://chrisfilm.wordpress.com モニカ・ベルッチも黒い。

そんなワケでハナシはワカランが、しかしつまんないかと言えばそうでなく、とても印象的な画がいっぱいあってそこそこ面白かったのだ。
なんだろな、ちょっとバンドデシネっぽいっつーか、元イスラエル兵の人の映画が前あったが、アレを実写にして乾燥させたような質感の画。
黒は黒いが、彩度は低い。ボンヤリした背景に黒だけが浮かび上がって、さながら影絵。樹木の立ち並ぶ浜辺にオッサンが立つカットなんか、木々の黒とオッサンの黒で実に強烈に美しいのだ。

サイの季節って言われてもよく意味ワカランが、とりあえずサイは出てくる。荒野を爆走する主人公の、その車にサイがドーンとね、なるワケだ。隣に座ってたオッサンは驚いてビクゥってなっておった。
出るのはサイだけじゃないぞ。動物がいっぱい出てきて、お空から亀が降ってきたり、ヒル療法のヒルがヌーッとアップになって眼前に迫ったりする。お馬さんはサイドウィンドウからこんにちはだ。
意味とかそんなん知らんが、なんかマジカルで楽しいじゃないか。緩慢な動作で血を吸い続けるヒルの、その黒光りボディなんか艶めかしかったりしてさ。

艶めかしいといえば、コレは意外とエロい映画である。
ヒルの黒もエロいが、馬の目の濡れた黒もとてもエロい。サイのアタックだって荒れ狂う性衝動に見えてくる。亀の頭とゆーのもまた…。
いやそもそも、主人公のカミさんがモニカ・ベルッチって時点でエロいんである。
全身性器の如しベルッチだが、しかし映画では白髪に染めて老いた姿を晒す。
俺の記憶が正しければベルッチを諦めた主人公は安いギャル二人組とヤってたと思うが、やっぱ老いたベルッチより若いギャルとヤリたいんである。
っていうか、長い間投獄されてりゃヤリたくもなるんである。
(絶対にそんなハナシじゃないと思うが)

ベルッチだか誰だかが主人公に刺青を入れるシーンがある。
心象風景だかなんだか知んないが、これまた実にエロいシーンである。
薄暗がりの中で厳かに墨を入れてくベルッチか…フェチだな…。

http://www.flickeringmyth.com
http://www.flickeringmyth.com とにかく黒い。そして淡い。なんだかカッチョよい。

まったくもってクズみたいな感想である。
こういう映画を観てエロだエロだ騒ぐなんて人としてどうかと思うが、でもアレだな、コレは相当狙ったエロだと思うんだよ。
いや大体、エロなんぞとゆーのいつの時代でもラディカルな体制批判じゃないか。
黒とゆーとヒジャブとかチャドルなんぞ想像するが、他の存在を許さないその黒の、法の黒の中からエロを取り出すとゆーのは亡命作家の抵抗じゃなかろか。
詩なんじゃなかろか。

例のエロいヒル療法を受けながら主人公は言う。
「投獄の過去を吸ってもらうんだ」
しかしいくら吸ってもらっても過去は消えやせんで、欲望は空転するばかり。
そうして狂える詩人となって、主人公は黒で画面を犯してくのだ。
空に青が見えるまで…。

…と分かったようなコトを書けば、極めて不真面目な鑑賞をしてしまった俺の罪悪感も少しは晴れよう。
(それ、最初の方で自分で否定してたのに!)

追記:日本の公式サイト見たら崔洋一がコメント寄せてた。「崔の季節」?

【ママー!これ買ってー!】


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例によって関係ないが、ソクーロフのコレもなんかこう、画の感じ似てたなぁと。
内容はあんま覚えてませんが、なんかずっとムシャムシャご飯食べてました。
ソクーロフにしてはハートフルっぽい映画だったような。

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