映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の感想を垂れるの巻

なんかな、アレだな、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』んときにさ、もう観る前から評論家やら試写会組が大絶賛しまくってて、『マッドマックス』シリーズ大好きだけれども観たいぞメーターがとても下がってしまった。
だいたい映画に限らずだが、人から超面白いよマジやべーよと勧められたモノほど実際に作品に触れてみるとそんなオモロない。いや『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はすげー面白かったんだけれども、期待した程ではなかったワケですよ。

で、これまた観る前から絶賛評をさんざ聞いてた『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』もまぁ例によってとゆーか、オモロいはオモロいけど別にギャーギャー騒ぐような映画じゃねぇだろ(見方は人それぞれでしょうが)的な感があり、なんとゆーか、やっぱ人にノせられて過剰な期待しない方がいいなと思った次第。
なんつーかね、映画の感想として「映画史上の傑作!」みたいな大げさなコトのたまうってさ、百害あって一理ないね。だいたい、品が無いっつの。

マァそれはそれとして『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』観てきたんで感想書く。
あー言っとくけど原作読んでないんで、そのつもりで。
以下あらすじ。

なんや知らんが人食いの巨人ちゅーのが現れちゃった世界の日本。
人々は巨人から身を守るために三重の巨大防護壁を築き、そん中に引きこもって暮らすコトにした。
で、それから数十年だか数百年。
もうずっと巨人なんて現れてないんで、人々は巨人なんざ所詮おとぎ話よとスッカリ平和ボケ。中には「こんなヨォ、貧乏くせぇ壁の中でなんか暮らしてられっかヨォ、俺は外に出てぇんだヨォ」とか言い出す若者まで出てくる始末なんであった。
だがそんな折、超大型巨人が突如として襲来。壁とともに平和な日常は崩れ去るのだった…。

http://www.itsartmag.com
http://www.itsartmag.com 汁男優がいっぱい。良い画像見つかんなかったんですが、巨人の撮影風景はまさにAVでした。

いやもうみんな分かってると思うんですが、コレ巨人が面白い映画だったなぁ。
なんかね、やれ特撮映画や怪獣映画や言われてますが、巨人が人なんですよ、人。それもキモ系の汁男優みたいな。
いやまったくどいつもこいつも卑劣極まりないゲス顔しててさ、しかも性器無いとはいえ全裸。
そいつらが「うひ、うひ、うひひー!」とか言いながら女子供を食ってくワケで、感覚的には完全に特殊なレイプものAVになってんのだ。

ほんで、その巨汁男優さんたち、ものすごい食いっぷりがイイ。
いや食いっぷりがイイって大食いって意味じゃなくて(たぶん、劇中でちゃんと食べられたのたった10人くらい)、こう、人間掴むじゃないすか。んで、一口で食えばいいのにワザワザ大げさに噛み千切って食うんです。それで血がブシャーって吹き出て血の雨が降るの、足元の人間どもに。イイ食いっぷりでしょ?

このあたり実に爽やかで、でもってホントに美味そうに食うからコッチも腹減ってくる。なんというか、CMにしたらいいんじゃないか、いやむしろ宅配ピザとかフライドチキンとのタイアップ狙ってないかと思うくらいの充実した食べ撮り。
っていうか俺、こういう映像フライドチキンのCMで見たコトあるよ。

なんか殺伐としたハナシのワリには呑気な感想垂れてる気がするが、別に皮肉ってるワケでもなんでもなく、実際そういう感じだったりする。
かような巨人が美味そうに人間食ってるサマはコワイっつーかモンティ・パイソン風のブラックユーモアに思えたし、巨人に追われた人々が教会だかに立て篭もる(当然食われる)怪獣映画とかの定番っぽいシーンなんかパロディに見えてきた。
人々が巨人を見上げるような仰角のアングルっつーのがあんま無く、コトにお食事カットは巨人の目線から撮ってたりするんで、そのあたりもあんまコワさを感じない要因の一つかもしんない。

そんなワケで、なんやコワイコワイ言う前評判に反して結構愉快な映画で、すっかり巨人に感情移入してそのお食事を応援したくなる映画がコレなのだった。
怪獣映画好んで見る人はだいたい「もっと壊せ! もっと壊せ!」って思ってると思うんで、その意味じゃ正しいアプローチなんじゃねーかな。

http://asianwiki.com
http://asianwiki.com ピエール瀧が兵隊役で出てくるが、いやアンタむしろ巨人だろ! どうせなら卓球と一緒に人間バクバク食べて欲しかったが、それなんか電気グルーヴのPVでありそうだな…。

ところで映画は後半、最初に現れた巨人の親玉(コイツは威圧感あって怖かったな)に破壊された防護壁を塞ごうって展開になってく。
三重の壁の中はそれぞれ三つのエリアに分かれてて、そんで一番外のエリアは巨人に制圧されちゃったんだけど、残る二つ(一つだっけ?)のエリアの壁は健在なんで人が住める。で、人々はそっから外側エリア奪取の機会を狙ってたワケです。

セリフの上じゃそういうコトになってんですが、このあたり見せ方がアレで居住区の位置関係とか広さとかがよー分からんかった。
予算の制約とか技術面の問題とか色々あんでしょうけど、そのせいか妙にスケールの小さいコジンマリした映画に見え、んでまた巨人襲来後の街の描写とかドラマが明らかに薄っぺらいコトもあってか、なんかエリア奪取作戦にハラハラ感もワクワク感も無かった気がしたなぁ

ほんで思ったのがさ、こういう展開『ゾンビ』(1978)でやってましたけど、アレすげー見せ方上手かったですよ。
『ゾンビ』はホラ、ゾンビに溢れたショッピングモールが舞台で、主人公一行はモールの入口塞いで中に残ったゾンビを殲滅、モールを制圧しようとすんだけど、この映画モール内をゾンビがダラダラ歩き回ってるだけのカットとかやたら積み重ねてく。

で、そういう積み重ねあっからモールがどういう構造になってっかとか、主人公一行がどんな状況に置かれてっかとかいつのまにか頭に入ってたりして、主人公一行のモール制圧作戦にグっとノレる感じあるんすよ。
(このあたり『メタルギアソリッド』の小島監督なんかも3Dアクション空間を構築するにあたって参考にしたとか言ってたな)

急に『ゾンビ』とか持ち出したが、怪獣映画特撮映画の文脈でばっか語られるこの映画、むしろゾンビ映画の流れに位置するんじゃないかと俺は思ったりもした。
日本のゾンビ映画っちゅーと殊更サブカル色やらパロディ色が強いらしく、正統派のゾンビ映画なんつったらたぶん『JUNK 死霊狩り』(1999)ぐらいしかない。
つかそれにしたって最後ゾンビが怪力雪女に変身したりするが、ゾンビ極道が出てきたりUFOゾンビが出てきたりギターウルフとか鳥居みゆきが出てきたりしてポップと笑いに走るのが和製ゾンビ映画なんで、汁男優ゾンビが巨大化したところでなんら不思議はない。

特殊造形プロデューサーとして和製ゾンビ映画もいっぱいやってるジャンル映画の巨人(とあえて書く)西村喜廣がクレジットされてることも鑑み、『進撃の巨人』とゆー映画を和製ゾンビ映画の系譜から見るコトはごく自然に思えるのだ。

なにやら毀誉褒貶の激しいこの映画ですが、ホラ、その手のバカ和製ゾンビ映画だと考えりゃみんな穏やかな気持ちになりませんか?
…逆に火に油注いでる気もするけど。

https://www.flickr.com
https://www.flickr.com 井口昇が、食べる! …寿司を!(画像は井口監督の寿司ゾンビ映画『デッド寿司』のプロモです)

だいぶ話が逸れたが、つまり結局よーするに、そういう映画だと思うのだ。
別にケッ作だなんだ言うような映画じゃなくて、こんなもんケシカランとプンプンする類の映画でもなくて、こりゃ巨人じゃなくて狂人だな、汁男優だな、いやむしろゾンビだなワハハと笑って済ますような軽い楽しい映画だと思うのだ。

大真面目に語るようなハナシなんてないし、目を瞠るような演技とか別にないし、やれ巨人の云々ちゅーたところでそこまで迫力ある感じじゃないし。
でも展開スピーディで色んな巨人出てきてお食事シーンいっぱいあって適度なアクションあって、98分でさっさと終わる面白いB級ゾンビ映画だと思うのだ。

なんかマァ、そんな感じだったなぁ。
あぁあと、巨人の一人が井口昇監督だった。
タイヘン味のあるご尊顔と体型が素晴しかったです。嬉しそうに食べてたなぁ。
(それにしても、終盤のアレは原作読んでない俺にはだいぶ超展開だったが、読んでる人は分かるんかな)

【ママー!これ買ってー!】


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『ゾンビ』がどうだ言ってるが、『進撃の巨人』の設定はむしろシリーズ作の『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005)っぽい気がするぞ。
『進撃の巨人』はついつい巨人に感情移入な映画だったが、コッチはコッチで思わずゾンビに感情移入の映画なのだ。
さんざ人間に虐げられた末、ついに反旗を翻すゾンビの親玉・ビッグダディの男気にちょっと泣ける映画なのだ。

そういえば『ブレインデッド』(1992)には巨人ゾンビが出てきたな。
そしてランベルト・バーヴァの『ボーンヤード』(1989)には巨プードル・ゾンビが出てきたのだった。
巨大ゾンビ映画、探せばもっとあるかなぁ?

↓その他のヤツを適当に
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(※↑は井口昇が監督、特殊造形監修が西村喜廣、主演が『進撃の巨人』にも出てた武田梨奈なんで、姉妹編ならぬ従兄弟編みたいなゾンビ映画)

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