マジメなドキュメンタリー映画『わたしはマララ』の感想を垂れる

至ってマジメなマララさんのドキュメンタリー。
監督は『不都合な真実』(2006)のデイヴィス・グッゲンハイムとのこと。マジメ。
まぁオレは寝ましたが、イイ啓蒙ドキュメンタリーなんじゃないすかねとは思う。
真面目な映画で寝ても誰にも怒られないコトに感謝したい。不真面目を許容する、これこそ自由の国の証だね。

つーコトで『わたしはマララ』観たんで感想書く。

http://www.popsugar.com
http://www.popsugar.com マララさんのプライベートがいっぱい。

映画はアニメから始まる。マララさんの名前の由来となったマイワンドのマラライなる英雄のアニメ。
このマラライゆーのは第二次アフガン戦争の際に劣勢に立たされたアフガン兵をアジりまくって鼓舞した羊飼いの娘で、結果イギリス軍に殺られてもーたが、見事アフガン兵は奮起してイギリス軍を退けるコトができたんだという。
名は体を表す。なるほどマララさんにピッタンコなお名前であった。

マララさんは例の事件後、イギリスに逃れる。ってコトでイギリスで暮らしながら世界各地を飛び回って教育の必要性を訴えてるマララさんを追ったのがこの映画。
マララさん本人や家族へのインタビュー、マララさんの多彩な活動っぷり、マララさんがパキスタン・タリバン運動(TTP)に銃撃された経緯を記録フィルム見せ、ってな具合に構成され、コレ一本観りゃウルトラ世界的ベストセラー『私はマララ』はたぶん読まなくてイイ。
2時間でマララさんのだいたいが分かるとゆー、お得な図解マララさん超入門なんであった。

まぁそうだろなと多少思ってはいたが、しかしよーするにそーゆー映画であり、いやまぁ勉強にはなるけど、いやまぁ勉強にはなるけど…って感じ。
よくまとまったテレビプログラムみたいなもんで、ドキュメンタリー映画の面白味っていうか、どーなるどーなるっていう娯楽性とか基本ない。
テレビとかであんまスポットの当たるコトのないマララさんの家族にも大いに取材してたり、タブレットでミニオンズかなんか観て笑いマララさんのお宝プライベート映像なんて貴重感あるが、オレ別にマララさんファンとかじゃないし…。

マララさんの魅力全開なんでファンには嬉しいかもしんないが、なんつーか、題材が題材だけに映画として突っ込んだコト描けなかったと思うが、もうちょい映画でしか出来ないよーなコトやってくれたら面白かったのになぁ。
頑張ってTTPにもインタビューしてみるとか…って無理か。

http://movieweb.com
http://movieweb.com この小憎らしい面構えがサイコーなマララさん家の末っ子。

しかしアレだよな、たかだか16歳で世界的な影響力を持つ活動家になるってなぁタイヘンだよなと思うよな、こーゆーの見ると。
マララさんはお勉強家なんで英語ペラペラ、別にコミュニケーションは問題なさそうに見えるが、そういえば友達のインタビューとか出てこない。
今はイギリスのハイスクール通ってんだから友達の一人や二人いるだろうと思うが、まぁしかし周りの生徒たちも絡みにくいだろうな、こんだけ大物になると。
なんせエリザベス女王に握手を求められ、オバマ大統領に意見し、遠いアフリカの地で子供たちに教育を施すマララさん。
「おいマララ! クレープ食いにいこーぜ!」とか絶対言えないじゃん、こんなの。

若干の孤独感はマララさんも感じてるらしいとゆーのがインタビューから覗える。
「周りの女の子たちはみんな彼氏がいるんだけどね…ハハハ」とかなんとか遠まわしにテメェら勉強もしねぇで遊びまくってイイご身分だな、とか言ってるように聞こえなくもないが、直接は言わない。オトナである。
オトナすぎて、ぶっちゃけ同級生とかみんなバカに見えるだろ、たぶん。映画はそのあたり突っ込んで描いたりしないが、命を賭してまで教育の権利を主張し、教育のために世界中を駆け回るマララさんから見りゃ、教育の権利を保障されながらも勉強メンドクセな先進国のガキどもちゅーのがどう見えてるか、気になるトコではある。

そういえばマララさんの屈折を感じるトコちゅーと母親への態度で、これも必死に抑えてる感あるが、この人は教育を受けなかった母親をちょっと見下すとゆーか、いや見下すとゆーと言葉が悪いが、教育と自由の素晴しさを知らない保守的で可哀想な人として見てるフシがある。
母親ゆーのはもちろん英語もできないし教養も無い。彼女にとっちゃイギリス暮らしは楽じゃないだろな。マララさんの活動にも思うトコ色々あんだろうよ。
マララさんを称揚する映画であるからして、教育熱心な父親はともかくこの母親が画面に出てくるトコはあんま無い。そのあたりも、もうちょっと突っ込んで観てみたかったが…なんか趣味悪いな、オレ。

こう書いてると不満ばっかな気もするが、でも面白かったのはさ、マララさん一家の末っ子が完全にイギリス暮らしに馴染んでるトコ。
こう言ってよろしいかどうか分かんないがコイツ先進国的クソガキ感かもし出しており(良いキャラしてます)、兄や姉と違ってとても勉強に興味なさそうであった。
英語の出来ないイスラム保守の母親、教育熱心な父親、知的エリートのマララさんたちと、ほんで何の気負いもなく自然にイギリス社会に馴染んでまう末っ子ってなワケで、移民の世代による違いが面白いのだ。

あと、アレだな。TTPがアッラーの教えに背くゆーてVHSテープを焼き払うシーン(記録フィルム)があんですが、なんぼなんでも焼かんでいーだろ、その貴重なVHSテープ、オレに連絡くれたら全部無料で引き取ったのに! 勿体無い!
なんて、どーでもイイ不真面目な感想も漏れてくる、なんかそんな映画なんでしたとさ(なにそれ?)

(文・さわだきんたま)

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マララさんはパキスタンの人ですが、コチラはイランの女の人の映画。イスラム革命勃発でフランスに逃れた女子高生だかが後にイランに帰還したところ、「欧米か!」と苛烈なツッコミを受けまくったとゆー半自伝映画です。ポップな映像感覚とシニカルなユーモアが面白い。

しかしアレだな、マララさんも『ペルセポリス』(2007)の人も裕福な家庭の人なんだよね。そらもちろんマララさん側も利用してやろうと考えてんだろうから利害一致してると思うけどさ、なんすか、西洋メディアとかセレブとか知識人がマララさんすげーって言って注目する時にさ、なんかイヤなもん感じるぞオレは。
なんつーかな、なんかさ、西洋的な価値観に親和性の高い、ってコトは情報がそれなりに手に入って生活にも困ってない富裕層の人ばっか西洋社会が立派立派ゆーてるってゆーのがさ…それなんか、セコくね? みたいな。
マララさんの理念に賛同すればこそ、一部のエライ人だけじゃなくて真っ当な教育の受けられない庶民も見てくれよ、とオレは思うのだ…。

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