映画『テラフォーマーズ』で大人の階段を上る感想(ネタバレなし)

《推定睡眠時間:20分》

小池栄子がエロい。小池栄子が、あの似合わないダサ宇宙服を無理やり着させられて大真面目にお芝居する。これは堪えられない。
小池栄子だけじゃなくて菊池凛子とか福島リラとか太田莉菜とかキツめの女優さんがみんな恥ずかしいコスチュームで出てくる。
ギミックである。これは女優さんが熱を入れて演じれば演じるだけ羞恥度が増すとゆー下卑たオッサンを喜ばせるための原作設定にかこつけた卑劣極まるギミックである。けしからん。
だが小池栄子のあられもない姿が見られただけでも映画化の価値はあった。確実にあった。なんか、イメクラみたいな映画ですね!

そんなわけで三池崇史の『テラフォーマーズ』観てきたんで感想書く。

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しかし人気漫画の映画化といってガキを騙しつつ写真週刊誌感覚でオッサンにも媚びるを売る映画なので冒頭とか絶対原作と違うと思うが『ブレードランナー』(1982)なのだった。どんくらいブレランかとゆーとスピナー(ホバーカー)を吊るワイヤーがちゃんと見えるくらいブレラン。それは別に再現しなくていいだろ!
冒頭にして既に原作ファンと真面目に映画を見るつもりの人間を突き放しにかかってるんで後はもうなんでいいというか、マッチョゴキブリと『仮面ライダー』の怪人みたいな昆虫人間の戦いに「説明しよう! 彼の正体はゴミムシなのだ!」みたいなナレーションがかかったりすんのでムキになったら負けである。
なにか、見てる側のリテラシーが問われている。ウソはウソであると見抜ける人でないと(三池の映画を見るのは)難しい。

それにしてもあのモブゴキブリが画面の奥の方で体を上下に揺すりながら待機してるときの感じ、『ストⅡ』の背景で声援を送ってる通行人とまでは言わないがPSぐらいの3Dアクションゲームでプレイヤーがやってくるまではその場で同じ動作を繰り返してる雑魚キャラみたいではあった。
ゴキブリ集団の襲撃シーンでは何匹も同じ動きしてた気がするがそれで思い出すのはゲーム版『パラサイトイヴ』の群集が逃げ惑う場面のムービーで、技術的な制約から同じキャラクターをコピーして使い回してたことだったりする。
2016年最新の邦画大作にしてこの懐かしさは何事か。こんなのずっと見てたらなんか面白くなってきちゃうじゃないか。延々と無表情にボヤきながらダジャレるだけの昔々亭桃太郎の落語が次第におかしくて仕方がなくなってくるのと同じようなもんだろう…。

マッチョゴキブリが出る漫画とゆー以外に原作を知らないんで果たして原作と映画でどのよーなお話の相違があるか知らんが、映画の方は延々ゴキブリと昆虫人間が戦ってるだけだった。
加藤雅也とか伊藤英明とかケイン・コスギとかが昆虫人間に変身してはバタバタ殺されてく。あぁ無常。ほんとにすぐ死ぬからもう全然キャラクター設定とか意味無いぞ!
ゴキブリの漫画が原作なんだからゴキブリ戦わしときゃいいんだろ的な身も蓋もないお仕事っぷりだが、そのくせ伊藤英明がゴキブリと初遭遇する場面の暴力的な編集なんかちょっとゾクっとしてしまったので、その手際の良さに素直に感心しつつ半ば呆れる。

小栗旬が何故かジョニー・デップのパロディみたいな芝居をしてるが、タイトル通りのヤクザオカルトホラー『極道大恐怖劇場 牛頭』(2003)において米屋の妻がアメリカ人(米国…米穀…)、そのアメリカ人妻が片言でなにかセリフを言ってるがカメラが視線の先に向くとそこに長いカンペが貼ってある、みたいなどんな表情を浮かべたらいいか分からないギャグを平然とブチ込んでくるのが三池なので意味とか求めてはいけない。

つかアレだな、『テラフォーマーズ』の導入部ってこれ『DEAD OR ALIVE FINAL』(2001)と同じじゃねぇか。原作に準拠してるんだろが近未来設定でアクションに加速装置が使われるのも同じなので確実にネタを使い回している。そういえば異なる言語で普通に会話がなされるのも同じだった。あれに『ゼブラーマン』(2003)とか混ぜたら『テラフォーマーズ』になんだろう。
『DEAD OR ALIVE』シリーズには哀川翔と竹内力がいたが『テラフォーマーズ』は伊藤英明と山下智久(または山田孝之)なのでダシを取ってない味噌汁みたいになってるが、なんかもう白々しいラストも込みで伊藤英明の薄っぺらいアツさに半笑いになれるのでこれでいいです。

いや、もうね、こんぐらいでちょうどいいよ。面白すぎる映画もつまんなすぎる映画も疲れんのでそんな面白くもつまんなくもないこんぐらいがちょうどよい。
ゴキブリと昆虫人間戦います。小池栄子エロイです。もういいっしょそんだけあれば、バトルと特撮とお色気、もういいっしょ。
ほらもう原作ファンも酒飲みながら寝ながら適当に観たらええんじゃないですか。こんなん気張って観てもしょうがないよ。
大人の映画なんですよ、これが。そんな面白くもないしつまんなくもないし適当にソツなくお仕事こなしてると…それが大人ですよ! 大人になるってことですよ!
隙を見ては回顧とつまらないギャグをブッ込んでくるあたりも含めて大人の映画なんだよ! オヤジの映画なんだよ! つかVシネだよ!

果たして『テラフォーマーズ』の映画にオヤジ性を求める層がいるのかどうかは分からないが…!

(文・さわだきんたま)

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