『Lembur』の予告編でインドネシアのブラック企業を探検する!

テクノロジーの発達により誰もが手軽に映画を撮り、そして誰もが手軽に消費することが可能となった現代…すでに飽和状態にありながらも映画界は膨張を続け、今や人跡未踏のジャングルと化しつつある。
だが! 秘境にこそ夢がある! ロマンがある! 自分だけのお宝がきっとある!
そう! 我ら謎予告編探検隊!

別に謎でもなんでもないが面白そうだったインドネシアのホラー映画の予告編。
もうオバケ出まくり。オフィスには赤い服の女、エレベーターには白塗りの子供、トイレに入れば便器から手。Lemburはインドネシア語で残業の意とGoogle翻訳さんが言ってたから会社のお話らしいが、オバケパワーでPCの電源が落ちたり書類が風に舞ったりすんので仕事にならない。なにそのブラック企業。
インドネシアの労働法には割増賃金の規定がないらしいのでこんな不合理な、いやむしろ不条理なオーバーワークでも時間外手当が付かないかもしれない。なにがホラーってそれが一番のホラー。

しかしインドネシア映画の動向がどうこうゆーのは全く知らずせいぜい観たことがあるといっても『ザ・レイド』(2011)ぐらいでしかないが、この予告見るとあれみたいなグローバルな作劇と思わせつつオバケ描写が今や懐かしいレベルで典型的Jホラーの文法に則ってる感じなんでちょっと驚いた。
アレか、赤い服の女オバケが主人公の背後にボーっと立ってるのピント合わせないで撮るとか、ちゃんと読んだことないから知らんが小中理論が云々とかそーゆーのだろたぶん。浮いてるオバケの足だけ切り取ったショット(怖い!)があったが、これなんかクロキヨの『降霊』(2000)で見たことあるな。それにだいたいあの白塗りの子供オバケって俊…なんでもない!
ちょっと見てみたら『ザ・レイド』のギャレス・エヴァンスは『サムライ物語』なる短編を学生の頃に撮ってデビューした人とあった。この人はイギリス人ですが、なんだろな、インドネシアと日本って結構近いんすかね映像文化的には。ほらデヴィ夫人とかいるし…それは関係ないか。

ホラーコメディとどこかに書いてありオネェっぽい人が出てくるあたりそんな気もするが、見た感じ本気で怖いのでオネェをもってしても中和しきれない。
オバケのエンカウント率とオッサンの絶叫頻度の高さを考えればサム・ライミ的な過剰すぎて笑っちゃう映画なのかも。『死霊のはらわた』(1981)だってあれホラーコメディかと思って観たらすごく騙されたしな。

これ、イケるんじゃないすか。日本でもやんないかな、『残穢』に対抗して『残業』の邦題で。

(文・さわだきんたま)

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