映画『ホース・マネー』と『ダーク・プレイス』で爆睡感想二本立て(ネタバレないんじゃないすか)

《推定睡眠時間:60分+60分》

なんかどっちもサスペンスらしいのですがほとんど寝てましたからよくわからなかったです。
よくわからないからつまらないということはないと思うのですがよくわからなくてそしてあまりおもしろくなかったです。
せっかく見たので感想書きますけど感想なのかなこれは。

『ホース・マネー』

一人の老人が暗闇へ続く朽ちた階段を下りていきます。そうだなイメージ的にはラブクラフトとかロバート・E・ハワードとかの小説に出てくる魑魅魍魎蠢く地底暗黒遺跡への入り口みたいな感じ。下りた先には地下道がありました。老人は先へ先へと進んでいきます。枷でも付けられたかのよに重い足取り。その先にはなにやら牢獄じみたものがあり、銃を持った軍人が立ってます。なんでしょう。それから寝た。

どんなお話しだったのかなと思って公式サイトのストーリーの項を見てみたのですがあまり説明になってないので困った。そしてドキュメンタリーの映画祭で賞もらってるからこれは半ドキュメンタリー的な映像ポエムらしいと発覚。ふむ。
ペドロ・コスタの映画。推薦コメントに蓮實重彦とマノエル・ド・オリヴィエラ。なにか、普通人が足を踏み入れてはいけない地底暗黒遺跡にこちらも足を踏み込んでしまったようである(きっとその先には人智を超えためくるめく神秘と狂気が広がっているに違いないのだが)

断片的な記憶によれば歌が心に響く映画であった。あとくたびれた人々が廃墟みたいなとこにやたら立ってる。影絵とかストリート写真みたいでカッコイイ。
最後、最初の老人と同一人物かどうかすら不明だったが歌うたいの人がエレベーターの中で兵士と長々会話。なにを話したか覚えてないがそもそも観てる間も何を話していたか分かっていなかったので記憶の劣化ではない。なんか知らんがまぁ大変だったんだろう色々。
会話終わって歌うたい外に出る。やたら壮麗な建物だったがあれなんだったんだろう。外の景色は暗雲立ち込め黙示録のようだったので出たところであまり平和な生活はなさそう。オチまで書いたが、そこに至るまでの内容の記述が欠落しているのでネタバレにならないというアクロバット。
こんな映画をわざわざ好き好んで観るよな人はネタバレとか気にしないと思いますけどね。

※どうもトラウマ的受難記憶に苛まれつつ人生の終わりを迎えようとしてる人のお話らしい。

『ダーク・プレイス』

こちらもこちらで暗黒に突入してしまう人の話だったが爆睡とはいえド直球ミステリーだったので『ホース・マネー』よりはお話が理解できた。理解できたところで別におもしろくなるわけでもなかった。

主人公のシャーリーズ・セロンはアラサーのニート。幼い頃に一家惨殺、犯人とされ投獄された兄の他に唯一生き残った人物だったので事件が報道されるや全米のお茶の間の涙を誘って各種寄付金支援金などなどで生活してきたが、もう何十年も昔の事件なので世間の関心は薄れ寄付もなくなり講演依頼も来なくなり食いっぱくれてしまった。「早く仕事探せって言っただろ! もう200ドルぐらいしか預金ないぞ!」セロン、後見人的な人に怒られる。こういうシーンを見るとなんでもっと早くから本気で社会復帰させようとしなかったんだよお前といつも思う。残り200ドルで無職って死ぬじゃんか。

しかし人生意外となんとかなるものなのでニート・セロンにもちゃんと救いの手が。その男、変態事件大好きクラブの若手ニコラス・ホルト。セロンちゃんに事件のこと聞きたいなぁお金払いますからと怪しいメールを送ってきて、じゃあ会おう私も金ないしとチーム・マッドマックスFRはコインランドリーで再会。待ってる間にニコラス・ホルトは「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」の一作目やってました。アメリカ片田舎のコインランドリーでは現役稼働中らしい。

さてまぁそこから謎解きが始まり、セロンのトラウマ一家惨殺事件というのは物証がなくセロンの証言が決め手となって兄が逮捕されたのだったが、どうも違うんじゃないか真犯人は別にいるんじゃないかとなってくる。
黒魔術? 殺し屋? 家庭内不和? 徐々に明らかになってくる過去の真実。そして浮上する謎の女性クロエ・グレース・モレッツ。クロエ・グレース・モレッツ。二回言ったのはクロエ・グレース・モレッツを強調しておきたかったから。知名度と打率の乖離著しいクロエ・グレース・モレッツ。たぶん言われたらなんでも出演してあげるイイ人です。

殺人倶楽部とか黒魔術とかメンヘラとかニートとかアレ要素いっぱいなのですがアレな感じが全然ないのでアレこれはアレみたいになったりした。乱歩から見世物感覚を全部取っ払ってただ明智推理だけを残してしまったと言えば感じ伝わるでしょうか。クロエ・グレース・モレッツ映画観るといつもそう思う。
王道といえば王道なのかもしれないが…でももっとダークにプレイスしてついでにウェイブなキックアスでもマッドマックス良かったのでは。俺ってなんにも言ってねー(スチャダラパーの人の声で)

(文・さわだきんたま)

【ママー!これ買ってー!】


ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))

考古学ロマン『無名都市』入ってます。地底暗黒遺跡行きたいです。『アウトサイダー』入ってます。ぼっちポエムふわふわです。あと『ダゴン』とか『闇をさまようもの』とか。これぞダーク・プレイス。

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