ギョギョギョ映画『ファインディング・ドリー』観た泣いた笑ったな感想(ネタバレなし)

《推定睡眠時間:0分》

うぅ…ドリーよ…この人はいやこの魚は五秒ぐらい経つと言われたことを忘れてしまう鳥頭いや魚頭なのですがそういうわけであまりマトモなコミュニケーションも取れず生活に著しい困難を抱えとても大変。吹き替え版の魚監修がサカナクンなので間違いないが魚の世界には貨幣と労働の概念がないらしいのでそれでもまぁいいやとのんびり生きていけてたドリーだったが、魚学校の生徒たちにどうやったら子供ができるのか頼まれてもいないのに生々しく教えようとしたところ急に思い出してしまう。そうだ何年もの間ずっと何か探してる気がするなぁと思ったら子供の頃にはぐれたママとパパを探してたんだった! 冷蔵庫にヨーグルト取りに立ち上がった瞬間にド忘れしてしまうとかそんなレベルではない。

かくしてニモ親子を巻き込みドリーの色んなアニマルフレンドを乗り換えつつのスーパードンキーコング的親探し大冒険が始まるのですが、冒頭の先端技術デモンストレーションな他愛ないが凄まじい雛鳥短編アニメの時点で既に涙が止まらないので本編に入ってからもあらゆる局面で滲んでしまいすごく疲れましたの感想。

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とりあえず泣くのはこれ最近の映画に珍しく事あるごとにドリーの細切れ回想が入ってきたのですがそこでの海藻キッズドリーの可愛すぎ、泣く。吹き替え版で言えばその後成長して室井滋になりますが室井滋も子供の頃はこんなに可愛かったです。
かぁいいかぁいいキッズドリー、でもあまりに忘れるのでこれじゃ一人で生きていけんぞとパパママ心配して必死の教育。激流乗ったら危ないよの歌とか作ったら忘れん坊ドリーも楽しみながらやったらいけないこと覚えてくれるだろ。家までの道筋に貝殻撒いて貝殻探しゲームにしたら忘れん坊ドリーも迷子にならないだろ。やさしい泣く殺すぞ(錯乱)

『ズートピア』は人種とステレオタイプに関する寓話だったがこちらは障碍と病気に関するお話だったので弱視ギャルなジンベエザメとか村のアホ的なアザラシとか心理的不能(?)のシロイルカとかマイノリティなストレンジ水棲動物ばかり出てくる。
パパママを求めてドリーが辿り着いた海洋生物研究所は病める現代魚大集合の総合病院なのでしたというわけでタコ。タコです。ストレスフルな海での生活に疲れ果て孤独の中に心の平穏を求める足一本欠損の患者鬱タコやべぇ。
このタコもうすぐ退院の予定だったが海に戻りたくないのでプロ級のステルステクニックを駆使して隙あらば水槽を脱走。誰もが独居水槽に閉じ込められ死ぬまで一人で暮らすことになると魚介業界で恐れられるクリーブランド水族館移送にむしろ対魚関係の恐れから執着するタコの悲しげ狂気濃い。
アメリカの精神科病院ドラマ絶対こういうヤツ出てくるよな。あまり過去を語ろうとしないので何があったか知らないが、ドリーとの会話でなんか色々大変だったんだろうになりその病みと闇にやはりの泣き。

こいつハンクというらしいがたぶん次は『ファインディング・ハンク』といってこの人が重責に耐え兼ね逃げ出した昔の職場とか捨ててきた家族を訪れてみる疲れたオッサン爆涙の傷心ロードムービーになると思いますタコ。

基本スラップスティックコメディなので広い海にいるうちはまだ穏やかだったが研究所に入ってからは飛んだり飛ばされたり流したり流されたりと各種収容動物と一般展示棟を訪れていたお子様たちなど巻き込んでの大騒動っぷり。
最後に待っていた陸上での一大アクションにはいやそれはさすがに魚介類の限界を突破してるだろお前らと思わずにはいられないが、アザラシとカクレクマノミは話せるのに鳥は言葉を話せない(この世界では鳥は魚より下等動物扱いになっている)、魚のくせに字を読めしかも人(魚)によって理解度に差があるので集団的に学習してるとしか思えないがそんな様子はない、どうやって伝わっているのか分からないがかなり離れた水槽にいる魚が普通に会話する、などなど極めてアバウトなご都合主義的ルールで動く魚社会なのでわりと何が起こっても驚かない。
無茶なドタバタにお子様大喜び。俺も大喜び。シロイルカとかデアデビルみたいでカッコ良かったです。あと一般展示棟の「ふれあいコーナー」が『プライベート・ライアン』(1998)もしくは『インディージョーンズ 魔宮の伝説』(1984)みたいになっててな! 笑う笑う。

つまり、まぁみんな欠点があるけど相互扶助の精神でもってそれなりに仲良く一緒に暮らそうよ的ななんかそういうやつ。これは、実は、こういう教育的メッセージは『ズートピア』(2016)とか『インサイド・ヘッド』(2015)みたいなあまりに出来過ぎたこども映画の中で発せられると俺はなんか恐ろしく感じてしまうのですが、そのあたりピクサー第一世代のアンドリュー・スタントンはそんなに上手くないというかちょっと今風じゃないゴツゴツした作りを好むらしいのでストレートに染みる。
ぼんやりドリーが最後の方で急に饒舌演説をかますとか、こども映画のくせにやたらガキを攻撃するとかそういう歪みに逆に物語の本気が宿るような。欠陥動物のお話なんだから作りも欠陥あったほうがよいのですたぶん。オリジナル版ではシガニー・ウィーバー、吹き替え版では八代亜紀だった海洋生物研究所の館内アナウンスが何故か片言気味というのもむしろ味ですよね(?)

あぁ疲れた。笑った泣いた超よかった海のいきものかわいいし。いつまでも人間嫌いで大人げないぼっちアンドリュー・スタントンのアウトサイダー目線最高ですやさしいです。前作を観ていないためコイツ誰だよの連続も、それさえドリー的健忘体験として働きよけいに涙腺を刺激したのでこういうの強いと思います。ギョギョギョッ!

(文・さわだきんたま)

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たった一人地球に取り残され唯一のお友達はゴキブリというポンコツお掃除ロボットのウォーリーくんがオタクグッズに溢れた汚部屋で一人PONの図があまりに強烈すぎかつセルフ既視感バリバリなので貴様泣かし殺す気かアンドリュー・スタントンと思うがこれお前の実体験入ってるだろ絶対!
これがぼっちオタクの本気か。すばらしいすばらしいやるなアンドリュー・スタントンありがとう。

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