映画『ハリウッドをひれ伏した銀行マン』&『AMY エイミー』でショービズ大変すね感想

かたや音楽かたや映画。芸術の創造に心血を注ぐ人とそういう人にお金を注ぐ人というわけでジャンルは違えどショービズの世界に生きる人ってすごいなぁ系ドキュメンタリー映画二本の感想です。
雑に観られるからドキュメンタリー好きなのでいつに増して雑してます。

『ハリウッドをひれ伏した銀行マン』

《推定睡眠時間:20分》

『キングコング』(1976)、『ランボー 怒りの脱出』(1985)、『氷の微笑』(1992)など数々の名作(?)に融資してあげたオランダ人銀行屋さんフランズ・アフマンのドキュメンタリーということでこの人はプリセールスなる資金調達法を映画界にもたらしたので偉いという話だったのですが、このプリセールスわりとサラっとしか触れられないかあるいは俺が寝てましたので詳しくわからず。
さっそく検索してみたところ川上昌直さんという方の書いたこんな論文にハリウッド映画製作にあたってのお金の動きがまとめられており大変参考になりました。ありがとうございます川上さんありがとうございますインターネッツ。

ほんであのこれ監督さんがアフマンさんの実の娘ということで父の功績を映画にしたいと。だからアフマンさんすごいぞの嵐でアフマンさんがディノ・デ・ラウレンティスとかミッキー・ロークとかポール・ヴァーホーヴェンとかあれなんか並べたら悲哀が漂ってきた気がしますがとにかくそういう大物と一緒に写ったフィルムフッテージがたくさん出てくる。
わかったわかりましたアフマンさんはすごく偉くて主にインディペンデントの色んな才能にチャンスを与えてきたことも確固たる信念をもって仕事をしていたこともまたその人柄も温厚かつ包容力に溢れと素晴らしい人であることもわかったのですがなんかなんか社長の自伝を読んでるみたいであまりおもしろくないような。

難しいよねこういうの家族入ってきちゃうと難しいすよ。ほらほらよくあるでしょう大作家の死後にその権利と功績を守るために家族が頑張って逆に読者からも業界からも煙たがられてしまうとかそういうの。誰とは言いませんが。
この映画もですねアフマンさんとアフマンさんが駆け抜けた時代を第三者が追ってくだけならそんな煙ゴホゴホしないのですがなまじ距離が近いためにアフマンさんの妻とかバシバシ出くるのでちょっとマスク欲しくなる。

「夫が『パイレーツ』(1986)に関わってたときの話だけどね、監督のポランスキーったらまぁた未成年をベッドに連れ込んでたのよ。困ったものね」

うるせぇテメェにポランスキーのなにが分かるんだよこのクソババァと一瞬思ってしまったがそのあとはポランスキーと家族ぐるみの付き合いになったとか言ってたし悪意とか無いと思うのでクソババァ取り消しますごめんなさいあとポランスキーにやさしくしてくれてありがとうございます俺べつにポランスキーに思い入れとかありませんが。
…でもでもでもぉ! ほらぁだってさぁその関係対等じゃないものぉ! 絶対ポランスキーの方が立場弱いものぉ! あとポランスキーの性癖は別に直接ビジネス関係にないアフマンさんの妻とは関係ないじゃないすかぁ! っていう感じで煙感知器が作動します。ゴホゴホ!

アフマンさん本人はともかくプリセールスの功罪とかメリットデメリットとかそういうのはビジネス系ドキュメンタリーなんだから見たかったよなとか思うのですが結局アフマンさん家族のファミリーポートレートというあたりに落ち着きそれはそれでちょっとだけ感動してしまうのでこれはこれとして。
父の死を思い出してヴァーホーヴェンのインタビュー中に落涙の娘アフマンにヴァーホーヴェンもらい泣き。鬼畜の目にも涙! あとメナハム・ゴーランの脂も見れますのでヴァーホーヴェンの涙とゴーランの脂が見どころってなんか汚ねぇ映画だなおい!(※きたなくないです)

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『AMY エイミー』

《推定睡眠時間:0分》

一番アフマンさんの恩恵に浴した人というのはつまりエイミー・ワインハウスみたいなジャンルの人なんだろうなぁというところなんですが不思議なものでエイミー・ワインハウス、全然聴いたことがなくこのいかにもなメンヘラ蓮っ葉シンガーソングライターの動く姿を見てうわ苦手なタイプの人だ俺シドならヴィシャスよりバレット派だしビョークとかCOCCOとか苦手だしと最初は思っていたのですが映画が進むにつれて悲劇の色彩が濃くなってくると逆にドッシリ落ち着いて崇高さを帯びてくる(ように見える)。死に魅入られた姿がうつくしいの悪趣味を自覚しつつもできるだけ近づきたくないと思っていたエイミー・ワインハウスが好きなってきてしまうのでした。俺みたいな無責任クズがエイミー殺したんですよって映画ですけどね。

これはしかしお話というのは伝記読めばいいじゃんそっちのが詳しいしみたいな感じではある気がしたのでたぶん映画として良いなというのは歌いまくるエイミーの画にちゃんと歌詞のっけてエイミーの魅力は歌はもちろんですがなにより苦しみながら書いた詞だったんですよとエイミー童貞に直に教えてくれるところ。字幕監修にピーター・バラカン付けてるぐらいなので配給のひとも本気。アーティストのドキュメンタリーでこんだけ詞の日本語字幕でんの珍しいんじゃないすか。

あれな、才能は爆発してるが世間をよく知らん若い人にハイエナたかるの図でなかなかつらいかなしいなのですがみんなそれぞれ事情あるだろ言い分あるだろというわけでよく知らない人は黙って晩年のエイミーのボディガードだった貫禄黒人の人の話を聞く。
事務調で晩年のエイミーはこんなだったを語るだけでなにかお客さんが期待するよな大したことは言ってくれないのですが、虚飾ゴテゴテのショービズ業界に観てるこちらも疲弊し誰の言葉も保身と偽善に思えてきてしまう中でボディガードの人の第三者報告はカッコよくも清涼剤的に響いて救われるのでした(どんな人か知りませんが)

【ママー!これ買ってー!】


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英語圏ショービズ業界ではドラッグと唐突な地獄堕ちが有名税的に付随することがよくわかる70年代アメリカの大映画プロデューサーのドキュメンタリーというわけでこの人は『チャイナタウン』(1974)作りましたからまたしてもポランスキーなのですが内容領域もさることながら構成もロバート・エヴァンスさん偉いかっこいいセレブたちの人気者とそんな感じなので『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』と接続完了。
いやこれもですよこれもエヴァンスさん偉い人だと思うのですがなんか腹立ってきたぞ『AMY エイミー』のこと考えたら余計に! 完全にとばっちり。

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