映画『シン・ゴジラ』観たよ感想書くよネタバレとかないよ安心(素人)

《推定睡眠時間:10分》

なんとなく怪獣ものに縁がなかったのですがこないだ『大怪獣モノ』(2016)を観たらですね怪獣かわいい着ぐるみ怪獣すごくかわいい。そうか怪獣というのはカッコいいものだと思っていたが怪獣ファンはそこに可愛さも見てるんだなだからフィギュアとか集めたくなっちゃうんだなとか分かった気になりつつの『シン・ゴジラ』でしたがこのゴジラはカッコよくなかったし可愛くもなくてむしろ超キモかったので俺はやっぱり怪獣がわかってない。

ほんとキモかったですよゴジラ。こんなの襲ってきたら泣くよね絶対。しかも怖い出し方するんですよねほらなんですか昔「笑っていいとも」で放送事故があったじゃないですかCM明けてテレフォンショッキングが始まったと思ったら全然知らない一般人がブツブツ言いながらタモリの隣に座ってたみたいなやつね。あぁいう感じの無造作感不意打ち感。絶対に目を合わせたらいけないタイプの危ない人がいきなり映画に入ってくるから超ビビるんですよ人っていうかゴジラが!

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っていう感じでゴジラきもいこわい超ヤバイな最初の20分ぐらいだったのですがどうやって怪獣やっつけようみたいなところあんま興味ないので俺の中ではこのあたりがピークになってしまった。
あんまゴジラ出てこない。どうやってやっつけよう談義ばかりしてる。それはそれでマニアのオフ会を覗いてるみたいで面白いんですけどマニア的に対話とか議論というものがあまり成立しない誰もが自分の思ってることだけを言い合う感あるので、そうか! うん! だな! とかなんかそういう相槌打ちながら見る感じになる。

…「マニア」の語を批判的に用いることがどれだけ危険かは承知しておりますがつい出てきてしまった。でも「俺はマニアだ!」みたいなところがつまりおもしろさであり凄みであり美学でありとかなんかそんな感じな『シン・ゴジラ』のはずなのでマニアでいいじゃないですか俺はそういうところがつまらなく感じたんですけどこれは要するにセンスが鈍いからでありましてねなどといちいち説明と言い訳が必要なネット時代大変。

いや、そうそう、だからマニア感ありますのはテロップ全部出すとかそういうすごくどうでもいいようなことに拘るところですよね。カット変わるたびに地名から人物名から役職からテロップ出まくり。よく知らないんですけどなんかの映画の引用なわけじゃないですかたぶん。それで、ほら大抵こういうのって引用元の方は別にその手法に思い入れとかなかったりして、でも引用する方はすごく大事に扱うとかそういうのあるじゃないすか。エンニオ・モリコーネのファンがマカロニのサントラレコード持ってってこの曲すげー好きなんですサインしてくださいって言ったら「あれ俺そんなの作曲したっけ」みたいに返されたとかそんな感じの。

そういう感じが俺は苦手で…もう最後の方はテロップ出さなくていいじゃん雰囲気壊れるじゃんとか思ったりするんですけど、でもなにがなんでもテロップ出すぞっていう。このスタイルでやりたいんだよこういう風に撮らなきゃいけないんだよっていう生真面目さっつーか凝り固まって柔軟性に欠くようなところが結構ある気がして、つまり率直に言えばとてもマニアックな自主映画っぽい。

ゴジラの看板とカバンでマニアが自主映画を撮るというのは相当なことに違いないのでハマる人は超ハマると思うんですけれどもノれない人はわりとノれないんじゃないかという気がしたのでした。

自主映画的に大作を撮るマニアということで脳裏に押井守が召喚されてしまったのですが押井の実写映画『トーキング・ヘッド』(1992)にですね千葉繁がレッドカーペットを一歩また一歩とすり足っぽくゆっくり歩くとかそんな感じのシーンがありこう書いても伝わりにくいと思うのですがつまりアニメ表現を実写でやってんですなこれ。
そういう半リアル半アニメな感覚って『シン・ゴジラ』もすげーあったなという気がしておりまして石原さとみが、そのあの石原さとみが日本語で話してる途中にアレな発音の英ワードをぶっこんでくる帰国子女っていう殴っても周りの人が見て見ぬふりしそうなキャラクターなんですけどアニメキャラなんだからこれでいいんだよむしろこのウソ発音とこの誇張がアニメ的でいいんだよっていうそういうことなんじゃないか説浮上。

別に石原さとみだけじゃなくて最初はすごいリアルだなと思ってたんですけど段々とアニメに寄ってくるんすよねこれは全体的に。だから物語の中では状況が悪化の一途を辿ってあぁ絶望日本オワタっていう感じなんですけど怖さとか緊張感とかは反比例的に減ってってちょっとコミカルわくわくになってく逆に。
なんかそういうことなんじゃないすか。ほら厳しい現実を特撮的アニメ的想像力で乗り越えてやるんだよとかそういう作り手の意思表明なんじゃないすかこういう作劇って。現実対虚構と書いてニッポン対ゴジラと読む的な惹句でしたし。

で、そうだとすれば『シザーハンズ』(1990)の最後で雪が降るのと『シン・ゴジラ』で電車が突っ込むことには大した違いが無い(ふふふ)と思われるのでこれはオタク的超感動作だったんだなぁと涙腺に感じつつ、あるいは冒頭に置かれた書き割りじみた無人クルーザーの映像(オマージュ?)が既に虚構の勝利を宣言してるようでもあり作り手の本気を感じるところであるのですけれども、むむむしかししかし…意外なくらい軽い感じがあったので政治ドラマなら政治ドラマとしてもっと役者さんの芝居が主体の重厚感と胃痛感あるやつが見たかったという気持ちもあり俺はとにかく冒頭20分いや30分ぐらいかな? が凄まじく大傑作っていうそういう素人感想なのでした。

あと市川実日子が超よい超オタク的ヒロインでよい抜けるいや泣ける。庵野よ…。

(文・さわだきんたま)

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いやつまり会議ばかりと前評判にあったのでこういう感じかと勝手に想像していてゴジラ映画でこういう作りとか超緊張感あっておもしろいじゃんと思ってたんですけど見たら違ったので誰が悪いかと言えば先走った俺が悪い。先走っても良いことはないっていうこの映画の教訓を何一つ学べてなかった俺が悪い。
『シン・ゴジラ』とは全然関係ないですけどシドニー・ルメット爆発のおもしろいやつなのでみんな観てねそしてラストで死ね。

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映画わにか

つまりテレビドラマのような役者エゴの臭い演技や胃の痛くなる展開が欲しかった、と
むしろそれが無いからこそ絶賛されているというのに

暇ビト

「ゴジラの看板とカバンでマニアが自主映画を撮るというのは相当なことに違いないのでハマる人は超ハマると思うんですけれどもノれない人はわりとノれないんじゃないか」
そこはそうですね。ゴジラ好きのリピーターを狙ってましたね。
万人受けを狙いすぎるよりかは、良い方向かと思いました。
「政治ドラマなら政治ドラマとしてもっと役者さんの芝居が主体の重厚感と胃痛感あるやつ」
私の場合、最初からゴジラ映画に政治ドラマはまったく期待していなかったので、
政治ドラマ的部分はお腹いっぱいというか、せっかく邦画ゴジラとしては良いCGだから、
戦闘シーンもよかったから、もうちょいゴジラ動かしてくれ、、、と。
でもまあ、全体的にはゴジラ映画としては間違いなく良作だなと思いました。
ラスト、抹殺でもなく、いつものように消えていくでもなく、凍結ってのも新しくて良かった。
もちろん不満もあり。例えば、リアルにこういうことあったら、もっと早く自衛隊出てきてるかなって。
立派に冒頭から国民の生命及び財産を脅かしてたし、法案作って通すなんてまず無理だから、
不明国からの生物兵器可能性大とか何でも理由つくって即行出撃してると思いました。
あと、某国の巨大戦車が急に来てバンバン撃ちまくってるような状態なのに、
避難できてないから撃てませんなんてこと無いとも思いました。
まあ、国民を守るための自衛隊だよ!っていう演出なんでしょうね。
あと、ガス欠の間でもきっちりミサイル防衛できるのに、凍結液は起きるまで飲み続けるのは
何故??って思いました。
それに、最後、凍結させて終わるくらい、凍結って大事なことなのに、
凍ったゴジラは溶けるのか溶けないのか、溶けるならいつぐらい?
そもそも何で凍ったの?そのメカニズムは??っていうのが、早口の説明で聞き取れないので、
わからないまま最後の凍ったゴジラ見て悩んでました。
DVD出たら日本語字幕見て謎がとけたらいいな。。。ま、あんまり期待できないけど

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