変な人に絡まれて大変映画『インフェルノ』『ミュージアム』で二本立て感想(ネタバレなし)

『インフェルノ』の舞台がミュージアムで『ミュージアム』の展開がインフェルノなのでタイトルを交換した方がいい映画シリーズ二本立て。どっちも犯人が変にアート方面にかぶれてしまってとても迷惑映画シリーズ二本立て。
おもしろいはおもしろいけどこれでいいのか映画シリーズ二本立て。もうちょっとだけでいいからシナリオ頑張れなかったのかよ映画シリーズ二本立て。でも絵的にはすごいプロ仕事なので映画シリーズ二本立て。音楽もハンス・ジマーと岩代太郎だからなんとなく雰囲気で観ちゃう二本立て。

その感想。ネタバレはないと思います。たぶん。

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『インフェルノ』

《推定睡眠時間:40分》

もうちょっと寝てるかもしれない。トム・ハンクスが警察と謎の組織に追われてフィレンツェの街を駆けずり回っているところに最近の映画らしくドローンが出動して全然役に立たないところで目が覚めたんですがもしこれ開始一時間以上経ったあとのシーンとかだったらすいません。

それでそっからの感想なんですがトム・ハンクスお前なんてことしてくれるんだ。知らないが偉い美術の先生(※宗教象徴学だそうです)なのに素手で貴重な美術品触ったり盗んだり歴史ある美術館壊したりしちゃダメだよ!
まぁセックスしながらダンテを諳んじる変態インテリの敵役のが悪いけどな。こいつスーパー何も考えてないからな。人類を救いたければ謎を解いて人類滅亡待ったなしウィルスを探し出すのだとか言い残して勝手に死んでいくがそのウィルス、ポリ袋に入れて人目につくところに置いてあるからな。なんかの拍子に破れたらどうすんだよお前が始めたゲームなんだからそういうのちゃんとしろよ!

という、ポテトチップスを食べたその手で人のスーファミのコントローラーを握るクラスメートみたいな映画。そのくせやたら深刻な表情でゲームをしていてよく見るとどうやら服を洗っていないようで何気なく家のことを聞くと覚えてないと話す訳あり感なのでそろそろ帰れと言い出せない、みたいな映画。
今はもう大人ですからぼくもそういうのある程度は許せるようになりましたが小学生の頃はメチャクチャ怒ってましたね。しかもそれでシムシティ始めちゃったりしてね! せめてみんなで遊べるゲームをやれよボンバーマンとか!

ちなみに前作前々作とかは観てないですすいません。あと観光名所いっぱい見れて良かったです。

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『ミュージアム』

《推定睡眠時間:15分》

この話ダメだろ! って思うんですが作り手の苦労と熱意が如実に伝わってくるそれっぽい絵の連続に涙が出そうになるのでそういうことは簡単に言えない。今年度最優秀それっぽい。冒頭、それっぽいヘビースモーカーの疲れた刑事・小栗旬がそれっぽい雨の中の猟奇殺人現場(たぶん新しい『デスノート』と同じロケ地)に行くとそれっぽい後輩刑事がそれっぽくゲロを吐いている。中には両手をワイヤーで縛られてそれっぽく磔のようにされたうえでそれっぽい犬に食い殺されたそれっぽい死体があり非常にそれっぽい。

いや俺は別に皮肉を言ってるわけじゃなくてこのそれっぽさが本気だということを言いたいわけで、なんせですよこのそれっぽい猟奇殺人死体には最近のメジャー映画では洋邦問わず久しく目にしなかった気がする蛆がちゃんとそれっぽく群がっているのです!
すごいだろう! すごいよね? いやすごいと思うなこういうことを丁寧にやる映画というのは! 公道の撮影許可下りないなら工事フェンスで囲った中でカーチェイスやるんだよ! スピード出せないならダンボールとか鉄パイプとかバンバンぶつけて少しでも派手に見せるんだよ!
雨上がりの路上にそれっぽいスモーク、炊くんだよ! (それがリアル日本の光景ではないとしてもだ!)

さすがに車のルームミラーにぶら下がる琥珀は『ボーン・コレクター』(1999)すぎるので笑ってしまったが、とにかく『羊たちの沈黙』(1990)『セブン』(1995)から先のシリアルキラーもの、それはもう『殺人の追憶』(2003)とか『チェイサー』(2008)等々コリアン・ハードコア含めてのシリアルキラーものの王道として演出から風景から展開から演技から超それっぽいのでそれっぽくエグくそれっぽく怖かったり面白かったりする。
コアはもちろん『セブン』なわけで、『セブン』以外に何も想像させない予告編には正直腹が立ったが実際『セブン』以外のものは何一つなかったと言えるのでこれは俺が悪いとおもった。ベタはベタとして楽しむべきで、オフビートが見たければオフビートを見ればいいだけの話だ。黒沢清とか。

っていうかお前らちゃんと捜査しろよなんだよその杜撰公務員! とか言って無意味とご都合主義まみれの超絶シナリオにケチを付けようとも思ったりしたがでもよく考えてみたら『セブン』の刑事コンビなんて小栗刑事より仕事してなかった。
今じゃ通用しないなあんな大味なシナリオのサスペンス。生首が! って言われてもだから何って感じだよねもはや…ちなみにそれも律儀にコピーする『ミュージアム』なのでその姿勢は『コピーキャット』(1995)!
元ネタをさがすのが楽しいかもしれない。

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つまりダンテ男もカエル男もリーランド・オーサーに感謝しましょうという話です。リーランド・オーサーと聞いてどれだけの人がピンとくるか分からないのですがよく90年代のアメリカ映画で震えながら泣いていて画面の奥の方でいつの間にか死んでいた人です。
『セブン』ではたまたま風俗に行ったらシリアルキラーに捕まってブルブル震えながら泣き叫んでいた、『レザレクション』(1999)ではシリアルキラーに足を撃たれて泣いていた、『ボーン・コレクター』では涙を堪えて頑張ったが最後は泣きながら殺されたというわけでシリアルキラー映画勃興の影にリーランド・オーサーあり。
思えばトム・ハンクスのしかめ面路線を決定づけたのもオーサーと共演した『プライベート・ライアン』なんですからトム・ハンクスも感謝すべき。

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