阿部寛雪山挑戦シリーズ第二弾『疾風ロンド』のネタバレ適当にある感想

《推定睡眠時間:20分》

これは来たな。今年一番の映画ミステリー来たな。ミステリー映画ではなく映画ミステリーが。
『疾風ロンド』、東野圭吾原作・阿部寛主演の雪山ユーモアミステリー。元同僚の隠したスーパー炭疽菌を探しに医科学研究所の研究員・阿部寛が雪山を訪れたところなんかてんやわんやになる。

阿部寛と雪山の組み合わせは『エヴェレスト 神々の山嶺』に続いて今年二度目か。他に出演したのは『海よりもまだ深く』と『恋妻家宮本』なので家から出ないか雪山登るかの極端な阿部寛2016。
よく、東南アジアでロケをすると道徳観念が壊れるのジンクスが映画業界にはあるとかないとか言いますが。『エヴェレスト』がなんというかアレな感じで『疾風ロンド』も正直アレな感じだったのでつまり阿部寛を雪山に登らせると映画が壊れるんじゃないすかね。

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でも阿部寛を派遣すると惨事になるというのは雪山に限ったことではなく孤島に行かせても『サイレン』(2006)とかになるんだから基本的にはあんま家から出してはいけない人なんじゃないか阿部寛。
遠方ロケにおけるこの人の飛び道具的ハイテンション滑り芸はたまに見ると面白くて死んでしまうがじゃあ村上ショージを毎日見たいかとかそういう話なので、あんなに面白かったはずの『血を吸う宇宙』(2001)も何度も見てると友達のいないオタクが修学旅行先で舞い上がっているようなイタさを感じて少しも笑えないばかりか辛くて居たたまれなくなったりとかするわけですが…。

それで『疾風ロンド』にはGoProだか使った劇中劇の雪原チェイスyoutube動画があってあぁこれはプロモでリアルyoutubeに流すパターンだ、と思って検索したらアップされてない。
俺が言いたいことの8割ぐらいはこの動画を見てもらえば伝わる気がしたので残念なんですがちなみにこの動画のタイトルは「雪上のスターウォーズ」という。『疾風ロンド』、監督の吉田照幸さんは『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』(2011)の人らしいのですがこうやってタイトルを並べるよキツイななんか。
たぶんこの映画のセンスに一番近いのはドヤ顔で一昔前のギャグを放ってくる実家の母親じゃないですかね。

よくわからないのは、わざわざオチを教えた後に白々しくオチを持ってくるような筋運び。もうネタバレとか普通にしてしまいますが、たとえばですね阿部研究員がやっとこさ手に入れたスーパー炭疽菌が地元の中学生にすり替えられるシーンがあるわけです。それでこれはなんとか奪い返すのですが、直後また別の人間に奪われてしまい今度こそ炭疽菌パンデミックか! のサスペンスに。で、そこに炭疽菌探しに同行した阿部研究員の息子が現れて言う。「炭疽菌ならここにあるよ、実は俺がすり替えておいたんだ」

そのまんま過ぎて逆に予想外なんじゃないかという気もするノーサプライズっぷりなんですが、っていうか書いてて思いましたがこれ筋運びがとかオチがとかそういう問題じゃなくてそれ以前に設定に無理ありすぎないかね。
雪山にビン詰めスーパー炭疽菌を埋めて目印として近くの木にクマのぬいぐるみを括りつける犯人とかどうなのかね。家族でスキー旅行中の幼女が偶然そのぬいぐるみ手に入れちゃって高速バスで帰っちゃってみたいな展開があるが家族旅行で高速バスとか、あるのかね!

もしかしたら原作は新本格ミステリーのパロディみたいな感じなのかもしれませんが、未読。まぁパロディとしてならわかる。「かまいたちの夜」でいうところのピンクのしおり。安孫子武丸のバカミスには阿部寛のハイテンション滑り芸が合う。東野圭吾だけど。
いやそれはわかるがそういう意図もあるのかもしれませんが! だったら親子の絆がどうとかそんな真面目にやろうとしないでも…真面目に人間ドラマをやられてしまうと荒唐無稽をパロディとして笑えなくなってしまうじゃないか…なんか単なるダメな映画に見えるんじゃないか…!

最後、阿部寛に雪山行きを命じた医科学研究所の所長・柄本明が叫んでおわる。「どういうことなんだぁぁぁ!」
それ俺もおもった。

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出落ち感が半端ないんですがいいんじゃないでしょうか面白いよねこういうの。っていうか『疾風ロンド』も阿部寛はおもしろいからな。

↓その他のヤツ

疾風ロンド (実業之日本社文庫)

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