映画感想:『PとJK』『タレンタイム 優しい歌』(ネタバレなし)

青春いろいろ。人生いろいろ。まぁ世の中いろんな人がいますよねとしみじみの『PとJK』『タレンタイム 優しい歌』感想文。

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『PとJK』

《推定睡眠時間:0分》

函館。路面電車に乗る仲良しふたり。土屋太鳳と玉城ティナ。車内でイチャつく男女を見てキャッキャとはしゃぐ。「見て! キスした! キスした!」。夕方。カフェレストランの前。「私たち22歳大学生って設定だから」と玉城ティナ。「言わなかったけど、合コンなの」。えぇぇぇの土屋太鳳。
まぁ見てる俺としてはタイトルからそれとなく知ってはいたものの土屋太鳳の女子高生設定の方にえぇぇぇなのですが。なにせやっぱり芸能界臭が強すぎる土屋太鳳だから…どう上手く演じても女子高生じゃなくて上手く女子高生を演じる女優の人の役に見えるじゃん!
土屋太鳳の女子高生役を見すぎて感覚が壊れてきているのだろうか。何回目なのだ。土屋太鳳が地方の高校で胸痛状況に追い込まれるのは…。

合コンで土屋太鳳が出会ったのは愛想は悪いが男気溢れる亀梨和也。亀梨和也。エンドロールを見るまで佐藤健だと思ってた。
合コン終わってふたり同伴帰宅。深夜の函館の、街灯のオレンジに照らされながらポツポツ歩くふたりをロングテイクのドリーショットでじーっと追う。これがよくよく染みるところでなにかふたりの恋の悲劇的な結末を暗示しているようだ。
ここまでの流れ。完璧じゃないすかとおもた。なにひとつ無駄なし。ふたり出会って恋に落ちる。セリフすらほとんどなし。映画の図太い骨一本。メロドラマのストロングスタイル宣言。漫画原作ですが、これは文芸映画と言うべき。

古典の風格に上質な映画酔いを感じたがしかし。「結婚しよう」。それで一気に酔い醒めたねこんな不意打ちの結婚しよう初めてだったよね。もうすごいよ土屋太鳳も動転してスパイダーウォークしそうになるぐらいだから。
別にどんでん返し云々とかそういうわけではないのですが以降ネタバレ厳禁映画と感じたので感想を自主規制するが男気ストロングスタイルと少女漫画的ケレンが双方一切遠慮することなく正面からぶつかり合った結果、なにかが爆誕してしまったな。土屋太鳳映画史上に残るなにかが。

亀梨和也が超男前。(相手にしてもらえないので)こっそり制服を抱いて恍惚の土屋太鳳に気づいて亀梨くん、「中身のねぇもん抱いてもしょうがねぇだろ」と抱き寄せる。土屋太鳳のウキウキ若奥様っぷりに悶絶がもんどりうつがまぁ亀梨くん相手なら仕方がないよね。
とくに移動ショットがすばらしい撮影のたおやかな映画だったのですが、カメラマン鍋島淳裕という人。そうか『orange オレンジ』もこの人だったんだな。あれも映像が綺麗だったなぁ。もちろん土屋太鳳が高校で胸痛される映画だった。

あとこれはネタバレなんですけどいわゆる胸キュン映画ですが最終的には『ロッキー2』です。

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『タレンタイム 優しい歌』

《推定睡眠時間:20分》

全然知らないマレーシア。冒頭にマレーシアは多民族国家で云々と日本独自の説明テロップが入ってへぇ。こういうちょっとした配慮はとてもありがたいなぁ。
タレンタイム。というのは高校の音楽祭のようなものだそうで、そういえば『PとJK』も(ていうか胸キュン映画なんて全部そうですが)学園祭のシーンがハイライトだったのですがそれで思ったのはこれ知らない国の映画な気がしない。
こういうささやかで透明な青春群像劇…地方もの青春邦画を見ているみたいだし土屋太鳳主演作で言えば『青空エール』だよなこれはいや別に土屋太鳳を引き合いに出す必要はないが。
フォーマットの普遍性というのもあるとしてもそのへん興味深かったなぁ。

日本の地方もの青春/胸キュン映画と大きく異なるのは多民族多宗教の共存のテーマが前面に出てくるところ。登場人物の編成というのが実に多彩であれこれの属性入り混じったサラダボウルなのですがマレーシアの実情を知らないのでぶっちゃけ理解が難しかった部分多々。
まぁタレンタイムは音楽コンテストの要素があるつーてもレクリエーション的な意味合いが強いようだったので、こっちも別に細かいこと気にしない。なんか色んな人種とか色んな信仰とか色んな悩みとか色んな病気とかあってみんな大変だよね、大変だけど楽しいこともそれなりにあるよね、みんな少しだけ変な人、人生こんなものだね、そのぐらいの緩い理解水準で見ていたら心地よくなってきて眠ってしまった。
いい睡眠だったのでいい映画ということだろう。

うたはどれもまったく素晴らしかったのですがとくにハートにアタックされたのは聴覚障害を持つ男の子と付き合うことになった女の子が歌うときに、その聞こえない彼が物陰から彼女の歌う姿を眺めてるわけですが、そこで英語歌詞のテロップが出てですね。
いや、どのうたにも歌詞が出ていたような気もするので特に演出的なものではないと思うのですが、こういうところに感じる優しさ。人と人の繋がりの緩やかさに感じる優しさ。比較的恰幅のいい人が多いところも優しさ。

ほんでそういうのずっと続くわけじゃないからねっつって儚く終わるところに却って人生の束の間の煌めきを見る『タレンタイム』なのだった。

【ママー!これ買ってー!】


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まぁなにも関係ないけどインスピレーションだよな。

↓その他のヤツ
PとJK(1) (別冊フレンドコミックス)
ロッキー2 [Blu-ray]

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