『ワイルド・スピード ICE BREAK』大BREAK感想文

《推定睡眠時間:30分》

このシリーズは『MAX』と『MEGA MAX』だけ見たことがあると思うのですが既にその時点で俺の想像していたワイスピ(改造車で路上レースしたりホッピングしたりする)を遥かに凌駕しておりアリゾナの荒野を爆走する族車の群れにこれはまるで『マッドマックス2』、なるほど確かにMAXあるいはMEGA MAX! カルチャーショックも甚だしい。
まぁ今回もカルチャーショックだったよなもう慣れたと思ったけどな心のアリゾナに築いた精神防護壁、完全に粉砕されたよ今は更地です『ICE BREAK』。かんそう。

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そういえば『MAX』と『MEGA MAX』は新橋文化か浅草中映で見たので客層からその点まったく汲み取ることができなかったけど超大人気シリーズだったんだな『ワイスピ』、ていうの近くのシネコンで見たら実感しましたね。
平日なのに満席だったし。みんなファミリーで来てるし。そんでライブ並にレスポンスいいし。ザ・ロックのお約束シーンで歓声が上がってましたしあの男が実は生きていた時にはウソッッッ! の声ちらほらですよこれ隠す意味あるかなネタバレもなにもないだろうこんなもの。
みんな大好きワイスピ。知らないところでワイスピ文化圏が形成されていた…。

映画はキューバから始まってまずは米キュー雪解けムード演出。詳しい事情は知らないがヴィン・ディーゼルのいとこ(?)がボロ車を地元ギャングに奪われそうになっていて「やめてくれ! こいつは俺の命なんだ!」。何年かぶりに見たら兄貴というより親父になっていたヴィン・ディーゼルが間に割って入る。レースで決めよう。
こうしていとこのボロ車で地元ギャングに挑むことになったヴィン・ディーゼルはその場で軽量化のためボンネットを引っぺがしてあれ命より大事な車なんじゃないのそれっていう風に見てるこっちとしては思わないでもないがいとこは文句ひとつ言わないか言えないし最終的にレースが終わった時点でこのボロ車は爆発炎上してそのままカリブの海に沈んでしまったのであれそれ命より大事な車なんじゃねぇのと再度思わないでもないがヴィン・ディーゼルは別に気にしていないようだし地元ギャングは「負けたぜ…俺の愛車を持っていきな!」

ドンッ! 的な。この豪快な世界観か。これか。これが人気のあれか。なんかすげぇな。なんかすげぇ。ヴィン・ディーゼルとミシェル・ロドリゲスのピロートークとか。ジェットパックで宙を舞うジェイソン・ステイサムとか。独房のコンクリ壁から突き出したテーブルを手で引っこ抜いて筋トレするザ・ロックとか、とにかくすべてがマシマシの豪快だ。なんでそんなに手で引っこ抜きたがるんだろう。まぁいいかBREAK!

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もはやストリートどころじゃなくてピアース・ブロスナン時代の『007』と『特攻野郎Aチーム』と『アベンジャーズ』を始めとしたMCU映画の合体結果が「?」になっている3身悪魔合体みたいな映画になっていたがどうせネタなんだからと少しも躊躇しないところがうつくしい。ポルターガイストになろうがメタトロンになろうが知ったことかよ! ランダム合体に夢を馳せろよデビルサマナー!

原題が『The Fate of the Furious』の映画で! 敵役の悪のスーパーハカーが『マッドマックス 怒りデス・ロード』の特攻隊長フュリオサ(Furiosa)シャーリーズ・セロン! 出オチじゃねぇか!
ジェイソン・ステイサムが! 子守り! 筋肉スターのネクストステップは子守りをさせろの『キンダガートン・コップ』メソッド! ヴィン・ディーゼルが子守になった『キャプテン・ウルフ』を踏まえた楽屋オチか!
おいサタデーナイト・ライブじゃねぇんだぞ! でも半分ぐらいはそういうつもりで作ってんだろうな! なんかマシンガントークのおもしろ黒人みたいな人が大活躍してました! テズ! テズ! テ~ズ!!!(誰?)

既にパロディと元ネタの区別はない。ジョークと本気を分かつ公準を立てることは不可能である。どこまでが『トリプルエックス』でどこまでが『ワイルド・スピード』なのかという問いかけは意味を成さない。
これはミハイル・バフチンがカーニバルと呼ぶものだろう。すなわち、わっしょい。『ICE BREAK』わっしょい。ハゲとハゲがハゲでハゲしてわっしょい! わっしょ~い!
なにを言っているんだかわからないなもう。それぐらいBREAKな映画だったということだ!

ちなみに一番おもしろかったのは本編前の予告編で『カーズ3』が流れていたことで、そういえばあのシリーズもカーレース&ドラマの1作目からスパイアクション(!)の2作目という危険な経緯を辿っているのでこれをワイスピに逆照射してAIに生まれ変わって車と一体化したファミリーが車だけの世界を走り回っている光景を想像してしまった。ボンネットにヴィン・ディーゼルの顔が合成されているのである。あははめっちゃゆかい。

ぼくは狂ってないですよ。狂ってるのはワイスピですよ。君ら、君らな、じゃあ君ら1作目の段階でそのうち核兵器取り戻しに電磁パルス砲積んでテロリストに占拠されたロシアの軍事基地に突っ込んだりするようになりますよこのシリーズとか言ったところでそれ真に受けますか! 信じないだろ! 絶対信じないだろ!
ワイスピ14とかになって人面カーが走り回る光景を目の当たりにしたときにようやく! 諸君は気付くのだ! これが映画の黙示録であると…!

※とにかくわけがわからなくなるぐらいおもしろいえいがでしたBREAK

【ママー!これ買ってー!】


パリ・ダカール・ラリー・スペシャル

原作。

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