睡眠感想『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

《推定睡眠時間:35分》

最高の一言で感想終わってしまうんだけどガーギャラ2。なにこれ最高に最高じゃないすか。前作見てなくて損したな。寝ても損したな。損してなおこんなに最高。ということは…超スーパー最高&最高だギャラガー2! 最後はギャラガみたいになっていたからガーギャラじゃなくてギャラガーなんだギャラガー2! スタローンが、ギャラガするんだギャラガー2!!!!

でも騒いでいるわりには基本的なことがあまりわかっていない。なんか知らないけどカート・ラッセルの絶倫ぷりがやべぇ。そういう話だろうぐらいの認識なので試作フィンを探してこいと強面の青いやつとストレス性アライグマに命令されるもまったく見当違いのモノを持ってきてしまうベビー・グルートとかわらない(フィンってなに?)。
以下グルート目線の感想。そしてそのグルートが一体なにものかもわかっていないぼくグルート!

いやでもあれっすよね原題はVol.2なのにリミックスの邦題、うるさ型の映画ファンが怒って監督のジェームズ・ガンにツイッター上で直訴してましたけど、なんでリミックスになったかって言うと前作見てない人でもスッと入ってけるようにと。誰かそういう風に解説してる人がいた。
前作未見のグルート状態で見た感想。うん最高最高超最高。でもやっぱり前作見ておかないとちょっと色々と理解に無理があるな…あの男のあの例のアレとかなアレ前作あって大感動シーンだろうし…リミックスの語感は実は嫌いじゃないが(Vol.2の方が野暮ったくないですか、響きが)、内容には即してないんじゃないすかねやっぱ。
まぁどっちでもいいけどねぼくグルート!

冒頭、クラーケン的なやつと死闘を繰り広げるギャラガー(もうこれで通すぞ)の面々を尻目にキーアイテムらしい最強ミックステープを鳴らして踊るベビー・グルート。ベビーなので変な虫を口に入れようとして戦闘を離脱してきたストレス性アライグマに怒られるなど既にたーのしーが横溢しているアヴァンタイトル、そういえばこの映画はエンドロールでもみんなダンスしていた。
ダンスに始まりダンスに終わる映画に駄作なし。そのことは電撃参戦にギャラクシー中がどよめいたシルベスター・スタローンの『ステイン・アライブ』が証明している。…してるよね? してるだろ! ぼくグルート!

オープニングでテンションがマックスになってしまった。早かったね。いやテンションが沸点に達すまでがじゃなくてそのテンションから睡眠に入るまでが。映画が始まってから約15分、カート・ラッセル登場。なんと彼こそギャラガーのリーダー、クリス・プラットの父親であった! えー! ぐー。はやい。
睡眠時間35分と書いてはいるが改めて考えるとそこで寝に入ったということはもっと寝ている。見栄を張ってサバ読んでしまった。目覚めたのは青い人とストレス性アライグマが宇宙海賊みたいなやつに捕まって脱出の機を伺っている場面だったがこれ中盤かと思ったらわりと最後の方だよね。1時間も見ていないんじゃないか。2時間超の上映時間があっという間だったからギャラガー2やべぇと思ったけどそれはそうだよね短く感じるよねだって見てないもん。

まぁそれでも超おもしろかったわけだから逆にその凄さが浮き彫りになるんじゃないかなぼくグルート。いいよね、漫画みたいな漫画映画。

それにしてもなんだかジョー・ダンテの映画みたいだなギャラガー2。『グレムリン2』とか『スモール・ソルジャーズ』とかこういうノリじゃないすか。無邪気でキッチュでサブカル愛が炸裂してて。
エンドロールが遊び心に溢れていて最後の最後までずっとたのしいギャラガー2ですが、ダンテのほら『ルーニー・テューンズ/バック・イン・アクション』、
あのエンドロールもルーニー・テューンズのキャラクターが所狭しと駆け回って楽しかった。クレジット遊びはダンテの十八番。

トロマで下積みのジェームズ・ガンとロジャー・コーマン門下のジョー・ダンテか。あぁなんか泣けるな。なんか知らんが今ぶわっときてるな。だってジョー・ダンテの宇宙映画といったらだよ、『エクスプロラーズ』ですけど、あれ地球のテレビが大好きなオタク宇宙人とオタク少年が宇宙で出会う映画ですよ…宇宙からのメッセージを受信したオタク少年たちが宇宙船作って会いに行ったらそこにいるのは友達がいなくて寂しいオタク宇宙人なんですよ…ギャラガーじゃんそれギャラガーの原型じゃん!
スピルバーグ『未知との遭遇』以来の孤独なオタクの「広い宇宙のどこかにはきっと俺の友達がいるはずだ」願望。スピルバーグが盟友ジョー・ダンテに渡したバトンは『エクスプロラーズ』に打ち上げられて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』として帰還した…事実関係はともかくそんなロマンティックな光景を思い描いてしまうよ…!

でも、ここにあるのはスピルバーグ-ダンテ風のメランコリックな宇宙だけじゃないな。前作もそうだったのかは知らないがギャラガー2はコンピューターゲームのオマージュが濃い映画で、そのゲーム感覚の宇宙イメージがべらぼうなポジティヴの源泉になっていたように思う。
ゲームと宇宙。『現代ゲーム全史』では米ソ宇宙開発競争の最中に開発された世界初のシューティングゲーム『Spacewar!』がコンピューターゲーム史の分水嶺とされていたし、日本コンピューターゲーム史の最初のエポックは『スペースインベイダー』だよね。最初期のCG導入映画『スター・ファイター』はゲームだけが取り柄の田舎の少年が宇宙人にその能力を認められて地球を飛び出す話だ。

宇宙を夢見て宇宙のシミュレーションからその歩みを始めたコンピューターゲームは今や独自のデジタル宇宙を創造するまでになった。ゲームはいつも新しさを纏っていたし、現実の宇宙開発が夢の性格を失ったとしてもゲームの宇宙の夢は潰えることがない。
ゲームをやればその中にはいつも新しい自分がいる。だからクリス・プラットはゲームで巨悪に立ち向かって、エピローグには“ゲームオタク”が出てくるんじゃないか。
で、それはまたスピルバーグ-ダンテ世代のオタクが失った宇宙への夢と希望をゲームという方法で再生しようとする試みであったようにも思うのだ。

ギャラガー2は広い宇宙に散らばったオタクの夢の合流点だ。あぁ素晴らしい素晴らしいそれは、やっぱり最高って言うしかないに決まってるじゃないすかぼくグルート!

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ところで最後にもう一つ思い出した映画があるんですけどなにかっつーと『ピラニア3D』の知能指数大暴落続編『ピラニア/リターンズ』で。これたぶんジェームズ・ガンは見ているに違いないしなんならちょっと意識しているな。
だってトロマ時代のジェームズ・ガンがやってたような血みどろエログロクソバカ映画なので。それに例の人を大リスペクトした映画なので。例の人って誰でしょう。まぁギャラガー2見た人はわかってるよな。
ちなみにさんざんギャラガー2ギャラガー2言ってきたのはこの映画の監督がジョン・ギャラガーという人だからです。オリジナル『ピラニア』がジョー・ダンテの作であることを踏まえると宇宙的因果を感じるね!

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