渋い小品見つけたぞ感想『ジェーン・ドウの解剖』『潜入者』

なんかおもしろいの見たな感のある映画っていいよねもう一回見たら意外と普通だったりするかもしれないけどとにかくおもしろい映画を見た感はある、拾いもの系小劇場小品。の感想ふたつ。
キワモノPOVムービーと思いきや川口・藤岡のWひろし探検隊的わくわくアドベンチャーだった(どっちにしろキワモノか)『トロール・ハンター』の監督アンドレ・ウーヴレダルの、これもアイディアとセンスが冴える『ジェーン・ドウの解剖』。
それから『ブレイキング・バッド』のウォルター先生ことブライアン・クランストンがまた身分を偽りまた麻薬ギャングの世界に身を投じてまた家庭不和が生じるアナザー『ブレイキング・バッド』な『潜入者』です。

※あんまり内容には触れてません。

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『ジェーン・ドウの解剖』

《推定睡眠時間:0分》

今年はリンチ帰還ツイピ復活つーことですが世界一美しいかどうかはさておきこちらも裸のおねいさんの死体がキービジュアル、VHSでリリースされるとしたらローラ死体よろしくドウ裸死体がでっかくドーンのインパクト抜群ジャケになったに違いないと想像してしまう。
そのジャケットの右上には“ビデオでーたスイセン未公開映画”のシールが貼ってある。ジャケ裏を見ると大きく“製作総指揮 ブライアン・ユズナ”または“ウェス・クレイヴン絶賛!”あるいは“アボリアッツ・ファンタスティック映画祭 黄金のアンテナ賞受賞!”の文字が。
置かれているのはエロビデオコーナーの暖簾脇にあるアクションとかSFとかとごっちゃになったざっくりした男性向けジャンル映画コーナーで、店によっては熱意あるオタク店員の手書き(黒ボールペンのみ使用)コメントカードが付いている…。

ところで、なにこの面白い映画ーと思って文字の潰れたスタッフロールを見ていたら“原案 ダン・オバノン”の文字を発見した。そうかオバノンのストーリーか! それは面白いはずだ!
後年『ゾンビ映画大事典』を読んで知ることになるのはこれ権利上の都合でノンクレジットになっているが実はH・P・ラブクラフトの短編『鈴の音』を基にした映画だった。それで異端ジャンル小説に造詣の深い趣味人オバノンが原案だったのかと納得。
ちなみにこの映画は後にダーク・キャッスル製作でリメイクされたのですがそっちはあんまり面白くなかったですね、オリジナルの静謐なムードが全然なくて。

…という、まぁ、以上すべて妄想ですがつまりそんなようなレンタルビデオ屋の臭気ふんぷんたる映画。『死霊のしたたり』+『ナイトライフ』、みたいな例えががたぶん適切。おもしろかったね『ナイトライフ』。いや内容は忘れましたけど。
『したたり』っぽいというのはグロ描写というよりはラブクラフト風ということで、原作短編『死体蘇生者ハーバード・ウェスト』のミステリアスな雰囲気はむしろ全然関係ないはずのこっちの映画で感じるところがあった。良質の短編恐怖小説の味わいなのです。

まぁ、おもしろい映画で。期待しないで見ると傑作、期待して見ると普通って映画で。なんかいいよねそれぐらい塩梅の映画。そういうの見つけるとうれしい。もし高校の頃にビデオ屋で出会ってたら…絶対返す前にダビングしてたね! 三倍で!

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『潜入者』

《推定睡眠時間:0分》

『ブレイキング・バッド』は最初にDVDで出たときに見ていたが、いよいよ盛り上がってきたシーズン3が日本ではリリースされなかった! ので白けてしまいそこから先を見ていない…。
知らないけどnetflixとかhulu(あぁ今ははっぴょんですね)ならこういうことはあまり無いだろうから、レンタルから配信に提供方式が転換していくことの恩恵に浴してんのは映画より連続ドラマすよねぇ。
あぁ。『24』とか『チュモン』とか。連続海ドラの新作レンタル解禁日になると。ビデオ屋の開店前に行列ができて整理券を配るんだ…。ほんの数年前のはずなのに今ではもう考えられない光景だ…。

海ドラばりに話が逸れたのですがおもしろかったな『潜入者』。あの、なにか、ジョーク的な意味でアナザー『ブレイキング・バッド』って言ってるんじゃないくて、いやこれ『ブレイキング・バッド』じゃん…ていう。
この俳優でこの内容なんだから作る側が意識してないはずはなく、最初からそういう企画だったのかは知らないが結果として出来上がったのは『ブレイキング・バッド』番外編。ブライアン・クランストンにとっての『ネバーセイ・ネバーアゲイン』みたいなもんじゃないすかねこれ。
なんかもーう頼りなくて信用できない潜入捜査官の同僚ジョン・レグイザモとクランストンの関係性まで本家のアーロン・ポールとの絡みを彷彿とさせた…。

ということは『ブレイキング・バッド』の1シーズン分が2時間に詰まっているわけで、特濃。シーン単位で一枚画として完成されているようなフラットな構成が実にとても連続ドラマっぽく、代わる代わる出てくる濃いキャラがちょっと目を離した隙に殺されたりするのでトイレに行ったりできない緊密映画。
総集編的パイロット版みたいに見えておなかいっぱい食後は膨満感と胃痛腹痛。腹痛シーンから映画が始まるのは実に暗示的である…。

あとあのこれ実話もので舞台80年代みたいなんですけど、これでもかと考証を見せつけてくるので逆に現実感が失せる感じの過剰な時代性の演出が無かったの、なんか好感度上がるポイントすね。

【ママー!これ買ってー!】


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