卵もねぇ砂糖もねぇオラこんなイラク嫌だ映画『大統領のケーキ』感想文
『大統領のケーキ』はえらい。やるせない現実に肉薄しているから。ただそういうものとしての世の中を見せてくれるから。そういう映画って最近少なくなっちゃったからな。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
『大統領のケーキ』はえらい。やるせない現実に肉薄しているから。ただそういうものとしての世の中を見せてくれるから。そういう映画って最近少なくなっちゃったからな。
あんま怖くはないけど自分の老いを認めたくない老人が迫る死の運命に必死で抵抗する寓話としてちょっとしんみり。
老人ホラーと見せかけて現実の不確定性テーマのホラーということで個人的にはそんなの大好きなテーマではあるけれども、こういうのは今観るとあんまり怖い気がしない。
あまりにもダルデンヌ映画すぎるが繋がり至上主義的な昨今の風潮に釘を刺す「繋がりすぎてはいけない」良い映画でした。
評判が悪い理由はとてもよくわかるのだが、いやぁ、良かったですねぇ。しみじみしちゃう。
これはまったく壮絶な映画である。だから逆に、もしツイッターとかに感想を上げるなら、「生きる元気が湧いてきた! この映画に出てくれてありがとう!」とか、思わずずっこけてしまいそうな気楽なものでいいんじゃないだろうか。
ケン・ローチはこの映画が自分の遺作と語っているとかなんとか。映画監督の引退宣言は撤回されるのが基本なので信じないでいいと思うが、遺作がこれならちょっとガッカリさせられる。
すべてが自分都合のエゴ剥き出しっぷりを眺めながら大丈夫かこの映画と思ったりもしたが最終的には人生肯定の映画。なかなかよかったです。
映画というのはどこでどういうものとして観るかで結構印象が変わってくるあやふやなものである。この映画をイメージフォーラムでまばらな客の一人として観ていたらどうだっただろうか。
なんだかんだダルデンヌは偉いな、やはりダルデンヌ映画はいいな、と思わされる、そんな『そして彼女たちは』であった。