《推定睡眠時間:60分》
どうぶつを擬人化したイルミネーションの『ペット』や『SING/シング』の成功を受けてか米アニメ映画界はどうぶつ擬人化アニメがなにやらプチ流行中のようで今年もこの『バッドガイズ』のほか『DC がんばれ!スーパーペット』が公開されてたりする。絵柄は別に似てないのだが同じどうぶつ擬人化アニメ枠なので頭の中で混ざってしまった。『バッドガイズ』は泥棒のお話で『スーパーペット』はヒーローのお話。わかりやすいね。
雨風と戦いながら向かった金曜夜のお仕事帰り鑑賞なので披露によりどっぷり眠ってしまったがこれだけは言えるのはこの映画、めっちゃノリが良い。ファンキー。アメリカっぽい。冒頭は主人公の強盗リーダー狼とその相棒の蛇がダイナーで歌うように下らない話をしているシーンだがここなんかタランティーノの『パルプ・フィクション』かと思ったね。オマージュなんでしょうか。
3DCGアニメだけどキャラの表情なんかは2Dカートゥーン風に上塗り、車の排気ガスとかのエフェクトもカートゥーン風につける。このノリの良さって要するにカートゥーンの表現なので、キャラの挙動もカートゥーン的だし性格もカートゥーン的、ストーリーもなんとなくそんな感じある。ミュージカルではないのだが無音の時間というのがほとんどない音に溢れた作りもやはりカートゥーンの世界を目指した結果なのでありましょう。
俺はルーニーテューンズみたいなカートゥーンは大好きなのだがうーんこれは、なんか冒頭から結構冷めた目で観てしまった。別につまらない映画だとは思わないのだがセンスがあんまり良くないっていうか。その違いというのはかなり微妙なところもあるのですが、なんですかねぇ、カートゥーンに憧れてるけどカートゥーンに慣れてない人が無理してカートゥーンの世界を作ろうとしたようなぎこちなさがあって、部分部分が過剰にカートゥーン的だったり、逆にカートゥーンらしい気が利いてなかったりする。だからノリノリムードがなんか上滑りしてるように感じられちゃうんですよね。
まぁ半分以上寝てた人の感想だからあんまり真に受けないでよろしい。キャラ造形も冴えないしギャグもナンセンスな飛躍が足りないしストーリーも今風のありふれたもので意外性なし、だからこそ逆に安心して「いつものやつ」を楽しめるところもあるとは思うのだが、なにせ年に何本も公開されるようなどうぶつ擬人化アニメなのだから、もう少し飛び抜けた個性がほしかったなぁとか思う。全然偽装できてないのに偽装の達人ポジションのサメとか、喋るどうぶつと人間が普通に共存してる世界のリアリティラインのわからなさはちょっと面白かったけど。
【ママー!これ買ってー!】
ルーニー・テューンズ・コレクション/オールスターズ VOL.3
やっぱ古典は強いすよ。