そもそも忠臣蔵が好きじゃねぇんだよ。
なに、武士の誇り? プライド? 知らねーよ。
別に討ち入りしようがなんだろうが構わんが、クソ貧乏庶民たるオレんちの近くで騒ぎ起すなよ。
お前らの名誉がどうとか忠義がどうとか、一片たりともオレの貧乏生活には関係ないんだからな!
…とか思っちゃうもん。
そんなワケで「ハリウッド版忠臣蔵!」と聞いて既につまんなそうだなぁと思ってた『ラスト・ナイツ』観てきたんで感想書く。
こーゆーあらすじ。
中世っぽいどっかの架空の帝国。
辺境の領主、モーガン・フリーマンは良い感じの統治してたんで臣民に慕われてたが、年貢取りまくりの強欲大臣に上手い具合に嵌められて死罪となる。
領地も掠め取られ、臣下の騎士団もすっかり落ちぶれ、あぁこの地も終わりじゃ、まさに年貢の納め時じゃと嘆く人々。
だが! 実は騎士団はコッソリ仇討ちの機会を待っていたのだ…。
物凄く眠くなる映画なので半分ぐらい寝たが、なんで眠くなるって「忠臣蔵」だから最後の最後までアクションが無いとゆーのもあるし、画の色合いが眠いのもある。
ほとんどモノクロの退色した色合いで、室内がやたらと煙る。
光があんま差し込まず、しかも外はずっと雪降ってて真っ白。
色の無い世界で炎のオレンジが強調される。
かなりスタイリッシュな映像だったりするが、リアリティに拘ってかやたらとみすぼらしいんで、とにかく眠い。
んな映像の中で展開されるハナシはド直球のド真面目であった。
笑いとか一つもなく、いかに紀里谷和明とかいう監督が生真面目に、ガチに、全身全霊を込めて忠臣蔵の素晴しさを世界に見せ付けてやろうとしたのかが覗える。
なんつーか、貶すのも悪いような映画ではある。
そらもう画面の端々から紀里谷監督の本気と真面目が伝わってくんので、安易にツマンネェと言うのも申し訳ない。
ハリウッドで映画撮るちゅーのもタイヘンなこったろう。ハリウッドの大所帯、しかも多国籍なスタッフとキャストを纏め上げて自分のハナっからケツまで自分のビジョンを貫き通すのは並大抵のコトではない。
紀里谷和明はスゴイ。
…でも、やっぱ眠い。悪ぃな紀里谷和明!
そんなワケでどこが面白かったとゆーと全体的に別に面白くなかったが、モーガン・フリーマンはさすがの貫禄、演技云々以前に顔面に刻まれたドラマティックな皺がなにかエライ迫力と説得力を持つ(いつものコト)
忠臣蔵で言うところの大石内蔵助がクライブ・オーウェン。あぁ、渋くていいんじゃないすかね。
その他は…と考えると語るようなところがあんま無い。
そんぐらい真面目に忠臣蔵を語るコトに専念、奇を衒ったようなコトはマジで一切やんないスーパーオーソドックス、とゆーか古風な撮り方してる映画なんで、果たして海外の方々がどう思うか知らんが日本人には「ふぅん」なんじゃなかろか。
「それ、もう知ってるよ」ってさ。
でもアレか、ラストの討ち入りは面白…いややっぱそんな面白くなかったな。
せっかくグローバルなキャストなんだから、カンフーからなにから全部入れてしっちゃかめっちゃかなバトルにすりゃ良かったのにと思うが、真面目だからやんない。
強欲大臣をクライブ・オーウェンが切り捨てるところ、とても時代劇的。
そのワリにイマイチ迫力が無かった気はしたが、クライブ・オーウェンに本気の殺陣やれゆーても無理あったんだろう。
従って時代劇としても、別に面白くはないのだ…。
なんとなく似たような史劇映画で、コチラも退色した色合いとリアルでみすぼらしいセットが印象的な『バトルフィールド』(2014)とゆー映画がこないだあった。
それはそれで半分以上寝てるが、ともかくスタイルに拘って退色させたり汚いセット使うのは危険である。
よっぽど展開とか演出に緩急付けないと絶対に寝る。まぁオレは。
だから、アレだな、真面目すぎんのも考えもんだ。
真面目な人のハナシって聞いてても面白くないでしょ、基本。
真面目な人が熱く忠臣蔵を語ってんのを2時間ずっと聞いてる、そんな映画が『ラスト・ナイツ』。
忠臣蔵に対する個人的愛着の無さもあって、かなり厳しい映画であった。
ハリウッド忠臣蔵映画じゃ『47 RONIN』(2013)なんてのもあった。
ドラゴンとか出てくるファンタジーなバカ映画だったが、すっかり使い古されたハナシを語るにこーゆー飛び道具も悪くないんじゃないかと思う(コレも寝てるけど)
逆に忠臣蔵が好きな人は『ラスト・ナイツ』の方が面白いだろうし、大いに感動できるかもしんないなぁ。
あ、唯一面白いのあった。
皇帝、やたらチープでショボい。
そこだけ。
(文・さわだきんたま)
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深作欣二監督による仁義なき忠臣蔵。
いや仁義はあるけど、映画の語り口は仁義が無い。
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半分以上寝てたんならレビュー、書かない方がいいです。
読んでいて恥ずかしい。
この感想ブログ「居眠り映画館」といいまして、オレはこれに限らずどんな映画観ても寝るので、そのいい加減な態度で感想書いてオレ自身がみんなの笑いものになってやろう、というコンセプトです。