《推定睡眠時間:0分》
これは新宿武蔵野館で観た。
毎度のこと武蔵野館のゲテモノ映画枠は人気があんので今回も立ち見だったが、お前らそんなに人喰い映画が観たいのかと思う。
ってことでイーライ・ロス入魂の『グリーン・インフェルノ』観てきたんでネタを吐きつつ感想書く。
以下あらすじ。
大学の中庭で絶賛ハンスト中の活動家に一目惚れしちゃった女子大生ロレンツァ・イッツォ(ロスのカミさん)。アプローチをかけるべくさっそくその集会に参加してみたところ、なんでもペルーのジャングルの奥深くに住まうなんちゃら族とかいう原住民が森林伐採業者によって生存が脅かされており、彼らを救うべく今すぐアクションを起さねば! みたいなハナシしてる。
あの人が言うなら私もいっちょやったるかいな。イッツォは活動家と愉快な仲間たちと共にペルーに向かう。だが、彼らが救うべきなんちゃら族は実は恐ろしい食人族であり、活動家の正体は学生どもをだまくらかしてカネを得ようとするクソ偽善野郎だったコトから事態はあらぬ方向へ向かうのだった…。
んでまぁアレだよな、物凄いベタな食人族映画だよなこれ。今年のしたまちコメディ映画祭でプレミア上映してたんでどんな笑える映画かと思ったが、パロディっつーか素直なエピゴーネンか(ちょっと笑えるとこはある)
そう言うとなんか印象良くないかもしんないがあえて今の世にストレートな食人族映画を叩きつけるってんで、そのあたりイーライ・ロスのジャンル映画愛(そして食人映画の泰斗ルッジェロ・デオダートへの愛)の迸る熱烈なラブレターみたいなもんなんじゃないすか。
足りないとこと言ったらデオダートの『食人族』(1981)の名シーン「亀の解体」が無かったコトぐらいじゃないの。あともうお腹いっぱい。いや、俺は別に食人族映画に思い入れとかないからそんなに面白くはないんだけど…。
ほんでこれエンドロールの最後に「ルッジェロ・デオダートに捧ぐ」とか出るが思いの外もう一人の食人職人(語呂がイイ)ウンベルト・レンツィのオマージュも強く出てる感じある。
主人公一行のキャラクターはどちらかと言えば『食人族』よりレンツィの『人喰族』(1984)っぽい。ラストで主人公がヘリに乗って救出される場面は食人族映画の嚆矢、レンツィの『怪奇! 魔境の裸族』(1973)をイメージしたんじゃないかと言えなくも無い。
『ラスト・カニバル 怪奇! 魔境の裸族』は未開の部族に囚われた西洋人がやがて部族の一員として認められるまでを描いた神話的構造の感動作(いやマジで!)で、そこにおいて部族の集落の上空を定期的に通過するヘリは主人公にとって文明の象徴だったが、彼は当初こそその到来と部族からの救出を待望しつつも最終的にはヘリを避けるようになった。
食人族から逃れて文明社会に舞い戻るための道具としてのヘリの使用はそれを念頭に置いてのコトのようにも思え、はたまたその後、ただ一人大学に戻った主人公が帰還したクソ偽善活動家を食べようとするシーンは戦地で人肉の味を覚えたベトナム帰還兵が食人鬼と化す『地獄の謝肉祭』(1980)を連想させられたりする。
実はこのシーン夢だったがそれはそれで『キャリー』(1976)の例のショックシーンを思わせたりして、いやまったくイーライ・ロスはホントにジャンル映画を愛してるんだなぁと思わずにはいられないところ。
そういや誰だったかデオダートは文明と未開の決定的な対立を、レンツィは文明と未開の融和を描くとか言ってた人がいた。
文明人の中にも野蛮はあるとゆーのはモンド映画から派生した食人族ジャンルの裏テーマだと思うが、レンツィが野蛮に逆説的なヒューマニズムを見出すのに対してデオダートは野蛮を文明人にとっての恐怖としてしか扱わない。
バンバン人が食われるわりには全然怖くない『グリーン・インフェルノ』だったが、そのあたりデオダートにもレンツィにも平等に敬意を払ってしまい食人族を見つめる視点が食人族擁護派と否定派の間をブラブラして定まらなかったからなんじゃないかと思う。
まぁベタベタ食人族映画なので意外な展開もクソもなくみんな食われるだけ、したがってネタバレもクソもないが実はクソ偽善活動家はジャングルの奥深くで生きていた的なオチはほんとに少しだけのサプライズ。
なんであいつ生きてたんでしょね。食人族に仲間として認められたのか。文明人が食人族の王に的な白人酋長パターンはレンツィが『怪奇! 魔境の裸族』とか『食人帝国』(1980)なんかでやってたのでここでもオマージュの可能性あり。
とにかく頭からケツまでイタリア製食人族映画への愛が大炸裂のイーライ・ロスのラブレターなんで、もう面白いとか面白くないとかどうでもいいんでしょたぶんこの人にとっては。面白がらせようと思ってラブレター書くヤツいないだろ。そもそも今時ラブレター書くヤツそうそういないだろ。
あれだなそう考えると大して面白くないあたりも感動的に思えてくるよ。最後のあたりの煮え切らなさというか、野蛮とはなにか文明とはなにかみたいなことを主人公が大学でクドクドと考えるよな展開は全然面白くなくジャンル映画なんだから主人公が食人村から脱出したところでスッパリ終わらせちゃったら良かったじゃんと思うが、それはそれでデオダートとレンツィの間で引き裂かれたイーライ・ロスの乙女心をこちらの勝手な思い込みだとしても感じさせ、そして既に失われて二度と戻らないに違いない食人族ジャンルへの届かない愛の告白とあってなんだかとても切なくなってしまうんであった。
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ラスト・カニバル怪奇!魔境の裸族 [DVD] NLD-016
俺は別にいらないけど『食人族』のブルーレイ貼っとこう…と思ったら何故かAmazonは取り扱いが無い。
どちらかと言えばレンツィの食人族映画の方があっけらかんとしてて好きなので代わりに『ラスト・カニバル』貼っとこう。
「とゆー」ってやめろカス
併し、アレハンドロは兎も角 他の学生さんは言う程、嫌な人じゃないじゃないですか ジョナさん達をも笑ってた奴等、キモイ、気色悪いですね
逆に同じ事されて、虐められたら、被害者、正義面為る事も在る事も有りますし
尚更、其の偽善者の屑全ては、其奴等全員からは勿論、己以外の凡てからも総ての報復刑等をも執行されてるのも含めて
完全に完璧な究極の正真正銘の現実等としか言い様が無いじゃないですか 勿論、其の偽善者と呼ぶ価値も無い連中すべて同士に対しては 特に、無限数光%×∞%×∞%負け惜しみ言ってる事も或りますし、尚更、そんな誰にも優しくされた事が無い全宇宙とか全世界の間抜け共に相応しい罰をも其の凡てをも含む総ての皆が与えて来たのも含めて 超超超超完全無欠の完璧為る究極中の究極の正真正銘の現実等としか言い様が無いじゃないですか 僕も、皆と共に、虐め返したり、復讐法をも執行しますね