《推定睡眠時間:15分》
ヒロインが可愛いければそれでいいじゃん的なアイドル映画と妄想ワールド開陳+少女マンガ原作の組み合わせから昨年の『脳内ポイズンベリー』(2015)が脳裏をよぎり、そうかあれもう一年前なのかまた少し死に近づいたんだなとしみじみです。
一年前に自分で書いて自分でアップしたくせに『脳内ポイズンベリー』の感想が酷すぎて読めない。確か、真木よう子が死ぬほど可愛いけど俺はこんな脳に栄養の回ってないイイ歳こいて女子を称する女の人が大嫌いでそのようなアラサーのポイズンベリー女子をヘイトしそしてポイズンベリー女子を可愛い可愛いと言って持て囃し「君は女の子が分かってないなぁ」などと訳知り顔でのたまう脳みその代わりにザーメンベリーが詰まったクソバカ男をヘイトしそしてそんな人間ばかりがのさばっているかのような世の中にヘイトするのは俺がモテない童貞だからだしついでに金もないからだ殺すぞお前ら、などと書いた気がする。気がするというか、確実に書いた。
翻って現在となれば至って穏やかな心境であり、どうして一年前の俺はあれほど怒っていたんだろうあぁ仕事なかったのか孤独だったのか底辺て恐ろしいですねとまるで他人事のようです。大丈夫です私は立ち直りました。
『高台家の人々』、妄想「女子」の超かわいい綾瀬はるかちゃんが名家の御曹司で更に人の思考を読む超能力まで持っているイケメン斉藤工に気に入られてしまい結婚まで申し込まれるがバカ妄想オール筒抜けなので果たしてテレパス工とやってけるか不安になるという映画ですが、これは綾瀬はるかちゃんの可愛いらしい妄想だからラブコメになりますが一年前の俺がはるかちゃんポジションでしたら『ヒメアノ~ル』的な血みどろサイコスリラーになりますね。
でも大丈夫です私は立ち直りました。今の私ならこの手の映画を笑って受け流せます。大丈夫です私は立ち直りました。そんな穏やかな感想です。
それにしてもまぁ綾瀬はるかちゃんがとっても可愛らしいのですがラブコメであるからして実に豊かな表情を見せてくれまして、ムンクの叫びかと思ってしまう瞬間が幾度もあったのですがその崩れ歪みが特有のチャーミング。これが実に素晴しいのです。このまま順調に歪み続けやがてベーコンの領域に達すればデヴィッド・リンチ・ガールズの仲間入りも夢ではありません。
日本人からは既に二人ほどリンチ・ガールズとしてリンチ脳内の片目のジャックに入店を果たしているのですが、いつかリンチがボケてしまった暁に撮るに違いないリンチ版『女の都』(1980)に際してはそれだけでは足りません。綾瀬はるかちゃんの素敵な歪みは認知なリンチにインスピレーションを与え回春作用もありましょうから是非とも今から片目のジャック入店を検討して頂きたいところです。大丈夫ですエロジジィなのでアジア人美人女優が面会を求めればたぶん会ってくれます。スキンシップしながら超越瞑想とかコーヒーの淹れ方とか教えてくれます。
…待てよ…劇中では綾瀬はるかの妄想に小人が出てきたが妄想の小人といえばリンチ! 既にこの映画自体がリンチ・ガールズ参入の布石であったか!(妄想です)
ところでテレパスのファッションモデル役で水原希子さんが出ていました。相変わらずお美しいのですがしかし不安になってしまいます。細すぎではありませんか、手足が細すぎではありませんか。そんな手足で闘えますか?
私は思いましたね。この人に殴られてもそれほど痛くない。確かにテレパスの能力は脅威だが、綾瀬はるかが披露したような思考遮断を身につければ恐れるに足らない。そもそも兄の斉藤工は仕事が忙しくいつも家を空けている、弟の間宮祥太朗は猫と一緒にかかりつけの獣医・夏帆と遊んでばかりいる。肉体的には非力なテレパスも三人集まれば攻略は難しくなるが、慢心し日々の鍛錬とチームワークの強化を怠った彼らであれば敵ではないだろう。
大丈夫です私は立ち直りました。大丈夫です私は立ち直りました。大丈夫です私は立ち直りました。
お薬はちゃんと飲んでます。
段々とテレパスに対抗して思考を遮断することに苦痛を覚えるようになりついには思いの丈を全てぶちまけることにした綾瀬はるかちゃんに倣ってこちらもそろそろぶちまけるのですがふざけんなつまんねぇよなんだよこれ出来の悪いテレビドラマの総集編じゃねぇのかよナメてんのか。
あぁスッキリした。やっぱり隠し事をして表面だけ取り繕うのはよくないな!
…しかしどうせそんな感じの映画だろうとは思って観に行ってるのでこれはこれで寝ながら適当に楽しめたりはした。ダサさをポップさと取り違えてんじゃねぇよそれに全員の心情を全部説明するからテンポ悪すぎんだろとか色々思いつつも頭を一切使わないのでリラックス効果があり、観れば観るほどアホになりそうな気もするがやはり時にはアホになるのも精神衛生上必要なこと。
ありがとうございました。一年前なら作ったヤツ死ねと言ってますが今は感謝です。ファンキーモンキーベイビーズの人も感謝の大切さを歌っておりましたから感謝は大事だと思います。
あとあの、綾瀬はるかまだこんな役やらされてんのと考えるとおでんの大根のように味が沁みてきますし、綾瀬はるかの思考遮断術は風景映像をひたすら頭に思い浮かべるというものでこれが何度も何度も出てきてまったく芸がないなと思ったんですけど、これシネフィル斉藤工が試写を見せられたり舞台挨拶に立ってるときに実践したと思いますのでそのあたり妄想したら面白かったです。
斉藤工、観てる間ずっと小泉進次郎かと思ってました。似てるよね。
(文・さわだきんたま)
【ママー!これ買ってー!】
『アメリ』(2001)のロングランヒットが夢見がちふんわりアラサー女子邦画すべての元凶だなどとは思いませんが買い付けてきたのが『八仙飯店之人肉饅頭』(1993)や『ネクロマンティック』(1987)の叶井俊太郎という事実に『アメリ』の闇を感じざるを得ない。
この負のスパイラルを絶つべくお前らはオドレイ・トトゥじゃないしジャン=ピエール・ジュネでもないと誰かハッキリ言ってやるべきだろう…。
↓その他のヤツ