【ネッフリ】『オープンハウスへようこそ』の感想

オープンハウスへようこそ[Netflix]

《推定ながら見時間:50分》

もう『呪われし家に咲く一輪の花』とか『リトルデビル』とかでネッフリのジャンル系映画、とくにホラー映画に期待してはいけないと学んだはずだったが。
『オープンハウスへようこそ』のタチが悪いところは序盤~中盤はそんなに悪くないところで…父親を事故で失った母子が親戚のはからいでオープンハウスに仮転居。

この家が不気味。地下室にはなんでそんなものがあるのかわからないしどこに続いてるんだかもわからない石壁の廊下が。夜になると何者かの訪問の気配があるが姿は見えない。シャワーを浴びていると急に水になったりする。
人里離れた山中のオープンハウスゆえ近隣住民に助けを求めることもできず不安は募るばかり。たまに訪れる親戚はなんだかあやしい。傷心を癒すために引っ越してきたのにかえって傷は深くなる…。

ネッフリのホラー映画のくせになまじ演出が凝っているものだから気味が悪い。気味が悪いから途中までちゃんと見てしまった、というのがガッカリの直接の原因になった気がするから皮肉。
一応言っておくが後半の展開の意地の悪さ後味の悪さというのもそこだけ切り取れば恐ろしくもあったのでこう、部分部分で見れば決して悪い映画ではないと思うのだけれども通しで見ると本当につまらなくてですね…つまり有機的な繋がりがないということで、なにか、ながら見とか分割見とかっていう配信映画的な見方をある程度前提とした作りになっているのかもしれないな。

インスタ映え的というかさ、シーン単位のショックとか気味悪さとか興味を惹かれる謎を追求して、そういうのどう収斂させてどこに着地するかっていうのは全然考えてないようなっていうか。
ぶっちゃけ雰囲気ものでシナリオもなにもあったものではなかったから一時間半も見るのは苦痛だったがー、たとえばそれも半分くらいは狙ったんじゃないかと思えてきた。

小島秀夫監督の最高傑作インタラクティブ映画(そう呼んであげたい)『P.T』ってそういう狙いだったじゃないすか。恐怖と謎だけ散りばめて、これといった救いも答えも物語の終着点もない宙ぶらりんの作りが絶大なバイラル効果になったでしょ。
ただそういうのは一回のプレイ時間なり視聴時間なりが比較的短いものじゃないと興味が続かないし共有もされにくいので…一時間半の映画でやろうとするのは無理があるように思えるし…その狙いがあったかどうかは知らないが…あろうがなかろうがつまらないという話で…これが、仮に素人がスマホで撮ったような底予算のインディーズ映画だったら生々しい迫力を生んで結構面白かったかもしれないなぁと思うのだが…なまじ、プロ予算でプロ撮影をしてしまっているのでそんな迫真性もない。

色々と作り手も考えているのでしょうが、俺には全部裏目に出てるようにしか見えなかったです…。

【ママー!これ買ってー!】


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こういう系映画の現代アップデートをやろうとして滑った可能性も考えられる。

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