《推定睡眠時間:0分》
キャバクラ店長の佐藤二朗がアドリブで延々おもしろいことをやって小栗旬が笑いを必死に堪えるバラエティ番組のコント的な場面とかやっぱ銀魂おもしれぇなで見ていられるんですがそのダラダラ感は限りなく好くんですが後半のアクション&ドラマパートにまでそのダラダラ持ち込まなくてもいいじゃんと思っていて念のため言っておきますがそんなシリアスな場面でギャグぶっこんでこないでよってんではなく、そういうことではなく、すげぇ単純にテンポが悪くて燃えなかったんで…。
なんか『マッドマックス サンダードーム』みたいなことになる場面とかあるじゃないすか列車を武装車が囲んで並走しててそこに小栗旬の乗ったパトカーが来てっていう。
そこですげぇ長いダラダラ会話が始まっちゃって全然武装車とドンパチ的なことしないの。宝の持ち腐れじゃん。武装車走ってたら銃撃戦とクラッシュするじゃん。するかどうかは知らないがでもしてほしいじゃないすかとりあえず…。
このへんから長い長いカットバック進行になる。江戸と列車内と列車の外でそれぞれ別のアクションとドラマが同時進行していて、ということなんですがいや本当に盛り上がらないんですよ、なんで盛り上がらないって本当に会話が長くて全然話が進まないんですよ江戸も列車の内外も。
前作はクライマックスの舞台が一つだったから結構、演出的には似た感じでもまだ話が散漫にならないで乗れる感じがあったんですけど、舞台とキャラが三倍になったら三倍ドラマ薄まって三倍アクション弛緩したなみたいな…これカットバックじゃなくてもよかったんじゃないすかね。
そのドラマのところ、心情台詞のベタ読みは俺は別にええと思うのですが見せ方次第だと思うのですが台詞を言うキャラの顔面アップの連続でドラマを見せるというのは絶対おもしろくないって。絶対おもしろくないって。
急に入ってくる悪役の回想はなにも伏線を置かないし。これはでも、原作を読んでる人には周知のことかもしれないのであえて伏線を張らなくても伝わるのかもしれませんが、でもフラッシュバック的に物語の折々でさり気なく回想を部分挿入しておくとかそういう盛り上がる感じの見せ方もあったんじゃないのか。
ようするに何が言いたいかというとケレンがねぇっていうことで、もうちょっとそこはさ、だってバトルで銀さん死ぬとかはさすがに原作読んでない俺でも思いませんけど、もしかすると死ぬかもしれないとかって思いたいじゃん映画なんだし。
そういうハラハラは基本出してくれないしドキドキも出してくれない。ギャグは笑えるし堤真一のオヤジっぷりとか最高だったんですけどでも後半40分ぐらいは展開的に生死を賭けた戦いになるわけだから、もうちょい煽ってくれてもと思うんすけどねぇ。
【ママー!これ買ってー!】
『銀魂』みたいな昨今のコント系映画の先駆者の一人はやっぱ堤幸彦だろうと思うのですが福田雄一と違って堤幸彦の映画はケレン味があるのでカテゴリー的には同じようなコント映画といっても『RANMARU 神の舌を持つ男』はギャグとシリアスのバランスとか緩急がなかなか見事で結構見応えあったのですとまさかのところから火矢を放つゲリラツツミスト。