《推定睡眠時間:3分》
一応面白かったと先に書いておきますけど完璧にガンダム童貞の感想なのでガノタ的な人は読んではいけない。
童貞にもレベルがあるが俺のガンダム童貞レベルがどれくらいかというとまずUCの続編だと知らないで観ているしUCを見たことがない。
初代ガンダムは見たはずだしニュータイプも言葉では知っているがでもなんとなく馴染みがないなぁ、と思って記憶の糸をたぐり寄せるとそうでした俺ホワイトベースがジャブロー出るあたりで初代ガンダム見るのやめてた。
ニュータイプ的な概念、まだちゃんと出てきてなかった。ていうかちゃんと出てきてなかったかどうかもそもそもわからなかった。
強化人間と聞けばガンダムより『アーマード・コア』であるし、観ながらそうか『アーマード・コア』の強化人間はガンダム由来の概念だったんだなぁとトリビアを得るぐらいであるから童貞度がすごい。
『機動戦士ガンダムNT』、二次創作的なファン映画っぽかったからそんな重度のガンダム童貞にはちょっとプレイ難度が高すぎたが、気持ちよかったのは気持ちよかったから良い嬢、良い店、この店通ってみようかなと思えるようなそういう感じ、です。
それにしてもあれだなこれが今のガンダムの標準装備なのかUC-NTだけの特別仕様なのか知りませんがなんか『AKIRA』とか『攻殻機動隊』みたいになってんすね。
特殊能力で死んだ仲間の声がたまに聞こえるじゃないすか主人公格の強化人間? ニュータイプ? のふたり、ヨナとミシェル。
あの仲間の声、童貞だから映画版『AKIRA』で鉄雄の脳に直接語りかけてくるキヨコの声にしか聞こえなかった。
力を制御できなくて暴走するガンダム(だったと思いますがそれさえよくわかってません…)の姿はスタジアムでの鉄雄みたいでしたよね。
MIYAVI的なビジュアルの敵の狂った強化人間も力を身につけて気がでかくなった時の鉄雄っぽかったから全体的に鉄雄度高し。ここタカシとかけてます。
その死んだ仲間の魂が憑依した? 『攻殻』でいうところのゴーストコピー的な? 感じの? 所属不明神出鬼没の無人自律MSフェネクスガンダムには今度はネット生命体と化した草薙素子がダブったので…ミシェルが易経使ってるあたりは『高い城の男』を思わせないでもない、ルオー本社ビルの設計と構図に感じた既視感の正体は『ブレードランナー』のタイレル社・社長室。
厨二のフルコースみたいな映画だな、良い意味で。良い意味で? とりあえず良い意味としておこう…。
いやそれは面白かったんでいいんですけど、UCの劇場版だから俺はその基本すらわかってないUCのストーリーを旧宇宙世紀シリーズと紐付けつつひとまず集約することに腐心した映画と見えて、その高密度なオタク語り(ナラティブだ)はわからないなりに楽しんだものの、俺にとってはそこが肝心のMSバトルが若干薄め。
カッコいいような微妙にダサいようなEDM系の戦闘BGMとカットイン演出の多用、とても目で追いきれない爆速MSとやたら動き回るカメラでそのへんなんとなく誤魔化してる感があって、もっとバシバシ正面から戦ったらいいのになぁとは思いました。
正面から戦うっつっても通常の三倍どころではないスーパー機体同士の戦いがどんな感じになるのかよくわかりませんが。
あと寒冷地仕様のMSが雪降る森で要人警護の任に当たってる場面が俺すげぇ好きだったんですけど、なんつーんすかね、その場面もすぐ終わっちゃったし、MSの重量感とか地に足の着いた兵器としての側面がわりと弱い映画だったので…まぁそういうものかと納得はするものの、風俗で初体験を済ませた直後の童貞みたいな感覚には陥りましたね、観て。気持ちよかったけどなんか違うっていう。
やっぱ泥にまみれて斜面を滑り降りるザクとかそういう画が個人的には見たかったので。泥にまみれて斜面を滑り降りてきたザクの動力パイプを力任せに引きちぎるのが早くもジャブローで終わった俺のガンダムだから、と言いたいが泥にまみれて斜面を滑り降りてきたザクとガンダムが動力パイプを引きちぎったザクが同一機体なのかどうかも遠い昔に一回観たきりなので怪しい。
【ママー!これ買ってー!】
アーマード・コア プロジェクトファンタズマ PS one Books
強化人間にスポットを当てたPS三部作二作目はいろんな意味で三部作中もっともぬるい感じでかつガンダムオマージュ感なのだった。
『マスターオブアリーナ』だな。やっぱハードコアなPS最終作の『マスターオブアリーナ』がいいです俺は。
こんちわ、観るの選ぶのによく参考にさして頂いてます。
昨日見てきたんですが、いろいろテンコ盛りでファン目線でも見たいもの見れた感高かったしストーリーもよかった。
ガンダムの元々持つ「近~中未来SF」要素とかも多く、そちら見る方には初見でもフックになったんでないでしょうか。NTや死者との交感とかサイコミュの物理干渉とかほぼオカルトな描写もいつになく濃い目でしたが。
MS戦はね、メインが対フェネクスか対ネオジオングのバケモノ戦が多くてほぼ一方的とかほぼ逃げられまくりばっかでしたしね。多対多来たと思ったらコロニー内だし(あれはあれでのリアル感よしですが、戦闘としては。てかあれ何万人死んだんだろ)
ガンダムのシリーズで泥い系だと、地べたを這いずる「08小隊」がよく言われますが、ジオン一般兵がザク一機で新型ガンダムに捨て身の決闘を挑む「0080ポケットの中の戦争」おススメです。フツーの人間しか出てこんのがまたいい。古いですが。
あ、「08小隊」!それ聞いたことあります!俺はあまりガンプラとか興味はなかったんですが、オモチャ屋に並んでたジムスナイパーとアプサラスがセットになったHGだかのやつになぜか強烈に心引かれまして、本編の方は見ていないのにそれだけ持ってました。
「0080ポケットの中の戦争」は友達に物凄い好きな人がいて、えらい推すのでとりあえず見たんですが、1話2話で止めちゃったような…たぶんそこからどんどん悲劇的な方向に話が進んで面白くなると思うんですが、ジュブナイルの趣がその当時はなんとなくハマらなかったんです。ちょっと再チャレンジしてみようと思います。
「NT」のMS集団戦闘はコロニー突入~戦闘開始ぐらいまではとても緊迫感があって興奮しました。ちょっと「劇パト2」終盤の首都戦闘みたいで、えぇ。
確かに犠牲者半端ないっぽかったですから、俺あのへんは犠牲者目線も含めてもっとじっくり見たかったっすねぇ。疾走感があって良かったっていうところもあるんですけど、この盛りだくさんの内容で90分は忙しすぎるなぁと思いました。
先に言っておくと俺はそこそこのガノタ(MSの形式番号を諳んじることができるほどではない)ですがガンダム童貞がこの作品を見るのは中々にハードな体験だったのではないかと思います。女の子の手を握ったことしかないチェリーボーイがいきなりSMクラブに行くようなもんですよ。無茶だそれは。
でもこの作品は事前知識がたくさん必要なガンダムシリーズ物としては結構ディープな作品なんだけど割と物語自体は古典的なSF風味があってそういうの好きな人はガンダム関係なく楽しめちゃうかも、という感じもするんですよね。ガンダムとか宇宙世紀とか抜きにした物語の骨子は機械生命体と化してしまった友人を追いながらその関係性を確かめていく、というものだけどこれは俺も『イノセンス』で少佐を追っかけるバトーさんとか思い出しましたね。お話もキャラクターも結構好きでピエロなまでに悪役に徹するゾルタンくんとかお気に入りです。
でもガンダム作品としてみると個人的にはちょっとダメでした。理由は一つでニュータイプの設定を定義づけるということに対する嫌悪感というか忌避感ですね。エスパーみたいな不思議な力を使う存在として初代ガンダムから存在していたニュータイプですが今まではかなりふんわりとした存在だったんですよ。作中にもありましたがニュータイプ研究所とかは昔から設定としてはあったけど何を研究してるのかは具体的に描かれはしなかったし。これは俺の推測に過ぎないけどニュータイプとかいう概念は物語の核心なのではなく単にフレーバーとして作られたものだと思うんですよ。もっと言えば作劇上の都合で奇跡を起こすための装置として設定されたと思うんですよね。つまり俺は物語の中で起きる奇跡は奇跡のままでいいんじゃね?と思うわけです。奇跡に理由付けするのも野暮じゃん、と。
所詮作り話である物語にリアリティを与えるために各種の設定とその設定の強度が必要になってくるわけですけど、この作品ではニュータイプという設定を解説するために物語をでっち上げた感じがしてそれは本末転倒だろうと思うわけです。記事内にも「二次創作的なファン映画」とありますがまさにそうだと思いますよ。
序盤の要人奪取のシーンは良かったですね。人間がMSに踏みつぶされるってのはビームの撃ち合いよりも体感的にぞっとするシーンでした。
あと「0080ポケットの中の戦争」は俺もおすすめです。
人の感想なんか漁るとガンダム好きの間でも賛否両論みたいっすね、このニュータイプ神話っぷり。
確かになぁ…ある種のマグガフィンというか物語の嘘としてぼんやりとあったものに近づこうとしてを肉付けしていくと、逆にその本質的な魔術性から遠ざかってしまって求めていた魅力を失うっていうのはわりとよくある話のような気もします。作品違いますけどジェイソンの不死身の秘密を13金の新作で明かされても(いやそれは秘密のままで良くない?!)ってなりますしね…。
みんな好きなんすねぇ、「0080ポケットの中の戦争」は。