映画感想『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』

《推定睡眠時間:0分》

邦題最高。本年度最優秀邦題。スーパーコンボでしょ。ストゼロとかの世界じゃないですかそれ、カプコンじゃないですか。筋肉が二人で戦う内容。カプコンのベルトスクロール・アクションじゃないですか、『ファイナルファイト』じゃないですか。確かに銃器は使わないで拾ったイスとか棒とかで戦ってましたよ!

でも実際はストゼロとかナルファイ(この略称は世界初ではなかろうか…)要素よりもむしろ『大乱闘スマッシュブラザーズ』要素の方が濃かったです。出てくるスマッシュブラザーズは二人ぐらいを除いて全員筋肉なのでドンキーコング8人で戦ってる感じ。敵のサーボーグ戦士イドニス・エルバはサムス枠というところです。
それはもうお祭りですよね。重量感もすごいがお祭り感もすごかったです。敵を迎え撃つスマッシュブラザーズは仕掛け花火をバコスカ打ち上げてました。

なにを言ったらいいんだこんな映画には。秋葉原の免税量販店みたいな名前の悪の組織にスカウトされたサイボーグ戦士イドニス・エルバが内臓を溶かすプログラミング生物兵器の奪取を目論んでいるところにCIAから派遣された筋肉のドウェイン・ジョンソンとMI6が外注した泥棒のジェイソン・ステイサム登場、ものすごく気の利かない口喧嘩(お前の声は超キモイ! お前だって極小チンコ! みたいなやつ)をしながら悪の組織と戦うというお話。もう、いつの間にかそういう世界に入ってしまったよワイスピ。

そういう世界に入ってしまったがとくにそういう世界をおかしいとは作ってる側の誰も思ってないのでバカ映画的な感じではなくむしろ結構真面目なSFアクション。逆に困惑させられてしまう。ドウェイン・ジョンソンがなにか感動的な雰囲気で「テクノロジーよりも俺は人間を信頼する!」みたいなことを言うがこんなにハリウッド先端テクノロジーを湯水の如く投入した映画でそんなことを言われてもどう説得されたらいいのかわからない。

まぁ、なんか、家族は大事にしようとか。たまには里帰りしろよとか。お母さんの言うことは聞けよとか。もし刑務所に入ったらできるだけ模範囚として過ごせよとか。主にヤンキー向けの教育的メッセージはバンバン感じましたから啓蒙映画だったのかもしれないっすね。それならこの妙な真面目さにも納得だ。そう思うことにする。

あとジェイソン・ステイサム、出演作をいちいち見てるわけじゃないんであれなんですが、前はもっと荒っぽいアクションだった(ような気がする)のが今回はなんかずいぶん流暢なアクションになってました。ドウェイン・ジョンソンのファイトスタイルと差別化を図ったのかもしれないですけど、荒っぽい肉弾アクションも流暢な格闘技アクションもどっちもいけるって結構すごいな。

補足:最終ステージがサモアだったんですが夜明け前に戦いが始まったはずなのにカットが変わるともう真っ昼間になっていてジャッキー・チェンの映画にこういう撮影ミス的なやつあったなって思ってなんか良かったです。ファイトシーンの撮影が長引きすぎて夕方になっちゃったみたいな。

【ママー!これ買ってー!】


大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – Switch

ヨッシーで卵コロコロするのが好きです。勝てません。

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