《推定睡眠時間:50分》
会話に入る度に催眠術にかけられたように寝てしまっていたのでストーリー的なものはよくわからないがこれだけはハッキリしていると思われるのはラストシーンでスタローンがバウティスタに言い放つノーモアプリズンズのセリフは気の利いたジョークでもなんでもなくスタローンの本心に違いないし俺もそう思うのでまだ、往生際悪くなんとまだ続きそうな終わり方をしていたがいやあ! もう、ノーモアプリズンズ!
バウティスタ言ってたでしょうノーモアプリズンズのスタローンに南米でも行くかって! 南米行こう! 監獄攻略やめて南米行きましょう! っていうか次のランボーはメキシコ編なんだからこれスタローンの自虐ネタだろ! ほらもうそういうの嬉々として入れてくるからスタローン! もう! スタローンのお茶目! しょうがねぇなまったく! 楽しみにしてますよ新しいランボーも! アッ! ついでにメキシコの刑務所を舞台にした『大脱出4』作っちゃったらどうしよう! めちゃくちゃありそうなので本当頼みますよスタローンさん、マジで。
壮絶でしたね『大脱出3』。とくにエンドロールが壮絶だった。なんていうのか知りませんけど黒の背景の画面いっぱいに広がる大きなテロップを出して、でその文字の部分が映像の切り抜きになってるようなクレジット演出ってあるじゃないですか、黒で覆い隠された映像が文字から見えるっていうような。
あれをやるんですけどキャストの名前とかが巨大テロップになるんじゃないんですよ、「PRODUCED BY」とかが巨大テロップになるんですよ。
絶対おっきくするところそこじゃないじゃないですか。そこおっきくしてアピールしてもしょうがないじゃないですか。でもそれをやるんですよ。おそろしいことに3分くらいかけて本編のダイジェストを流しながら色んな役職だけを巨大にしていくというこれは前代未聞のエンドロールですよ。そこから普通のエンドロールが更に3分ぐらい続くんですけど絶対尺埋めじゃないですか。
スタローンとバウティスタとマックス・チャン呼んできた映画でこんな苦肉の尺埋めとかマジかよって思いましたよね。しかも俺は寝てたから知りませんけどエンドロール読んでたら1と2の映像を流用してるじゃないですか。今回の敵は1に出てきたもう思い出せない誰かの仇討ちでスタローン狙ってるらしいので1の映像使うのはわかるんですけど2まで使わなくてもいいじゃないですか。さてはこれ尺埋めを兼ねた予算節約じゃないですか!?
金ないわーこの映画金ないわー。ファーストシーンはストリートの低所得層をドキュメンタリー的に活写した場面になっておりましたけれどもこの映画も低所得層だったわー。でも逆に考えれば! こんなにお金がないのにそれなりに面白くてスターがたくさん出ているわけですから! これはすごい映画なのかもしれないな! もはやカメオ出演レベルとはいえ一刻も早く家に帰りたそうなカーティス・ジャクソンだってちゃんと現場に引き留めて顔撮ってますから! 撮ってますよ! これが貧乏現場の矜持!
もはや監獄脱出ものらしい見せ場といえば収監されたマックス・チャンがスタンガンを使って火を起こすところぐらいだと思うがそんなことはどうでもいいんだ! マックス・チャンの華麗なカンフー! しだれた前髪から見え隠れする苦悶の表情! ビューティフルだ! 女の人みたいでとてもビューティフル! マックス・チャンに女装してほしい! お化粧をしてチャイニーズ・ドレスに身を包んだらこれはもう楊貴妃です! カンフーが最強の楊貴妃ができあがるんですよ! すごくないすか! すごくないすか! まぁそんなシーンはないけれども!
あとスタローンも出て筋肉で色々解決します! バイティスタも出て筋肉で色々解決します! カーティス・ジャクソンは本当に帰りたそうでした! 映画が終わるとこちらも監獄から脱出したかのような開放感が味わえる『大脱出3』、すごかったです!
【ママー!これ買ってー!】
セガールとスティーヴ・オースティンが組んだもうひとつの『大脱出3』。群像アクションを得意とする監督キオニ・ワックスマンのキャラクターさばきが匠の技、そろそろ動けなくなってきたセガールの老化を見事にカバーしていて面白かった。