《推定睡眠時間:20分》
俺が寝ている間にメルギブが死んでしまった! いや、死んだのかどうかもぶっちゃけよくわからないんだが…エピローグでも一切存在が語られていなかったし…しかしとにかく比較的あっさりと退場してしまったのは間違いない。敵のボスにかすり傷ひとつ与えること無く。じゃあなんだったんだあの「伝説の男」的な登場シーンは!
しかもすごいのはハリケーンね、あんま関係ない。カテゴリー5の巨大ハリケーンが迫る中、杜撰な強盗計画に失敗した強盗団はナチの残党だかなんだかのマンションオーナーがかつて簒奪したものらしい超レア絵画の数々を経営してるマンションに隠しているっぽいという情報を偶然入手。これ幸い(?)ということでろくに計画もなくマンションに突撃するのだが、そこにはマンション住民に避難するよう説得中の主人公の無気力ダメ男警官&やる気バリバリ若手女警官がいた。
二人はレジェンド警官にしてマンション住人のメルギブらクセモノ住民たちと力を合わせて強盗団と戦うのだが…というプロットからハリケーンがやはりキモであろうと思わせるのだが基本的にマンションの中オンリーの攻防戦を正当化するだけの書き割り設定。鉄筋マンションからほぼほぼ出ないのでアクションに猛烈な風雨が活用されることもなく超巨大ハリケーンの設定を生かした気の利いた展開もない、オチっていうか強盗団のボスの倒し方までハリケーン関係ナシ(しかも伏線がバレバレ)なのだから『フラッド』とか『ファイヤーストーム』とかの災害系ダイハードものを期待すると大いに裏切られる。
じゃあ何を見たらいいんだ。いや、別に悪い映画じゃないけどね。とくに序盤がいいですね序盤が。ハリケーンが迫ってきて警官コンビがマンションに行くまでの展開はミスリードも巧く結構なサスペンスが漲る。しかしそこからマンション内バトルに移行すると…普通こういう映画はそこから面白くなると思うのだがむしろそこからの方がこの映画は面白くないっていうか、淡泊。マンション内バトルも工夫さえすればちゃんと面白くなると思うのだがあんまり工夫が見られないし…銃撃戦とか近接戦闘の撮り方もそんなに上手くないので、なんか、ずいぶん狭いところで戦ってんなーみたいな。
ハリケーンに襲われた街の映像は流用なのか事前に撮っていたのかは知らんが降水機を使って映画用に演出されたものではなくリアルハリケーン被災時のビデオ映像、というぐらいなのでまあ予算の限界とかもあったんだろうけどもうちょっとなんとかならなかったっていう惜しさは感じるよな。あそこに閉じ込められてた○○をマンション内に放つとか。そしたら三つ巴四つ巴の戦いで一気に超面白い映画になってたんじゃないかな。だって見たいでしょう、○○VSメルギブとか。これ伏せ字にする意味あんのかな。するけど!
【ママー!これ買ってー!】
最近のハリケーン+系のジャンル映画だとこれはめっちゃ面白かった。このジャンルの最適解の一つじゃないかというぐらいに。