《推定睡眠時間:30分》
お馴染みの白タンクトップで登場する主人公ヴィン・ディーゼルだが衝撃的だったのは生地が厚いのかそれとも肌に何らかの処理を施しているのかはたまたCG補正なのかは知らないが白タンクトップにも関わらずこの男、乳首が浮いていない…! これは偶然の産物ではなく後のシーンでやはり白のTシャツを着用した際にも乳首は浮いていなかったのである。脇役の誰かの乳首はちゃんと浮いていたからヴィン・ディーゼルの乳首はNG判断があったことは確実だ。シリーズ9作目(※ナンバリングタイトル)にして知る衝撃の新事実。9作も観てないけどな。
それにしてもすごいですよねこの邦題サブタイトルでしょう、前に『ワイルド・スピード/スカイミッション』っていうあれ確かジェイソン・ステイサムが赤ん坊を奪う回があったと思いますけど、パッと見「スカイミッションとネタ被ってない?」って思うじゃないですか。なんか車で空中戦やりますよ的な。まぁ『スカイミッション』も車がパラシュート降下ぐらいはしてたような気はしますが空飛ぶ車はたぶん出てきてなかったので今回はじゃあそれをやるんだろうなって思いますよね。
違ったよ。車、大気圏飛び出して宇宙行ってたわ。俺免許持ってないからな。車の構造とか運転方法とかよく知らないですけどちょっと改造すれば宇宙って案外行けるもんなんですね、車で。あれかななんかバンパーにドリルとか着けて地面掘ったら車で地球のコアにも行けるかな。次、たぶんそれです。題して『ワイルド・スピード/アースブレイク』! 今度のファミリーは車で地殻に突撃だッ!
何を観ているのかと思ったよ。っていうか何やってるかもう全然わかんなかったからな最後の方とか。分かるのは磁石カーが街をめちゃくちゃに破壊しながら色んな人の乗った車をくっつけたり離したりしている間に宇宙カーは無重力空間をハンドル運転で突き進んでいたということだけだ。ヴィン・ディーゼルとジョン・シナが兄弟という設定の映画に理屈など無用だしその若かりし頃の回想映像を見れば「いやお前とお前からヴィン・ディーゼルとジョン・シナには進化しないだろ!」とツッコミは不可避に思えたが、俺の観た回では満員の観客の誰一人として一箇所も笑っていなかったのでこれはもうそういうものとしてみんな理解して受け入れているということだろう。映画ではなくカルチャーである。カルチャーは頭で理解できるものではない。
なにか文明化を頑なに拒む希少部族の儀式か祭りを観ているような映画体験であったので何が起こっているのかもわからなかったが面白いのか面白くないのかもよくわからなくなってしまった。地雷原もアクセル全開で走れば車は無傷。崖を渡りたければホイールにロープを巻き込めば車でターザン。東京は風俗店マークのみスタッフのこだわりで本物を使っている『ブレードランナー』的サイバーパンク都市。「エンジンは不滅だ」という名言の直後に同じ口から飛び出す「メンテナンスすれば100年は使える」の不滅否定。もしかすると俺には早すぎたかもしれない。とにかくこれだけ言える。すごい映画だ。そしてヴィン・ディーゼルの乳首は決して透けない映画である。
【ママー!これ買ってー!】
はたらくくるま大図鑑DX DVD付き (こども写真ひゃっか)
宇宙の車は載ってるのだろうか?