《推定睡眠時間：0分》
学校の科学フェアでアホのフェスターおじさんの頭を良くするためにタコのDNAを移植する超科学を陰鬱な無表情で披露したウェンズデイちゃんであったが小学生の科学力どころか現代最先端の科学技術も魔術的に凌駕してしまっているので当然一等賞間違いなしと思いきやみんな違ってみんな良いですね～みんな一等賞でーす！ の教育的配慮を受けてイラッときてしまう。むむむ、なんてバカバカしい…それにしてもあれだなフェスターおじさんはまぁアレだとしてもパパもなんか家族愛がどうとか言ってうっとうしいしだいたいバカっぽいしもしかして私本当は別の家の子供なのでは？ あぁ、こんな家出たい…とりあえず弟殺すごっこをしてこよう…。
…来ましたよ！ ウェンズデイちゃんに反抗期が来ましたよ！！ うぇうぇうぇウェンズデイちゃんに反抗期が！？ kawaii～！ dousiyou~kawaiiyou~！ つーわけで前作がパグズリーにスポットライトを当てたお話だったんで続編のこれはウェンズデイちゃんのお話が中心になるのですがイイねッ！ 前作に出てきてレギュラーキャラ化を匂わせていた友達ポジションの人が出てこなくてウェンズデイちゃんはちゃんと孤独！ そうこなくっちゃと心の中で下向きサムズアップをする反面、反抗期設定からわかるようにウェンズデイちゃんに普通の子供っぽいところが出てきてしまいそこは可愛いけど！ 可愛いけど！ 可愛いけどでも複雑ッ！
う～ウェンズデイちゃんがあのウェンズデイちゃんが出自とかいうどうでもいい人間界の悩みを悩んでしまうのか～。それは少しウェンズデイちゃんらしくない気もするな～。ウェンズデイちゃんといえば弟パグズリーの殺人的虐待が趣味の暗黒少女であったはずが今回は確かにあの手この手で殺人的虐待を加えるものの定番のギロチントラップで「ついに仕留めた！」と思った瞬間そのギロチンはボロボロと崩れてしまいこのギロチンは浜辺で作った砂のギロチンでしたちゃんちゃんってそんなバカな！ 俺のウェンズデイちゃんなら砂なんかで誤魔化さずしっかり殺しているはずだぞ！
…殺す気はなかったのか？ もしかしてツンデレ的遊びだったのか？ パグズリー！ パグズリー聞こえるか俺だー！ そのポジションを代わってくれー！ 死ぬのはさすがに怖いけれども殺すふりで止めてくれるのであればそれはもはやプレイであるからウェンズデイちゃん様の殺人虐待被虐者の役割を俺に譲ってくれー！ パグズリー！！！！！！
まそんなこんなでね、なんか前作の毒気が抜けてだいぶ健全な感じになってました。家族の絆を深めるためにアメリカ横断暗部ツアーに出るぞーまずは魔女狩りの地セーラムからだ！ と最初こそわくわくさせますがタコ遺伝子のせいで徐々にタコ化していくフェスターおじさんのせいで急遽予定を変更して普通の観光客みたいにナイアガラの滝に行っちゃったりしてゲソー。「ここはアメリカで一番自殺者が多いんだぞ！」ってフェスターおじさんそれは言い訳でしょう！ シリアルキラーの生家巡りとかKKKが黒人を吊した木巡りとかそういうのを期待したのに！ ファミリーが惨殺するのもトーキングヘッズの四人だけであとは生死不明が数人という体たらくで今回は平和編です。
ブラック要素はまぁあれかな？ 小学校の科学フェアでみんな一等賞でーすのゲスト審査員みたいのをやってるシリコンバレー起業家っぽいやつの目的が実は科学フェアで子供たちが出したアイディアをパクって金にすることだったとかそのへん？ しかし風刺としては弱いねいささか手に垢がついていて。こいつがまたタールネック愛好家でね…もう今のアメリカの3DCGアニメに出てくる悪役全部タートルネック愛好家ですからね。ジョブズ嫌われすぎだろ！ そこはもう一捻り欲しかった。
ま、でも珍道中っぷりが愉快だしウェンズデイちゃんはなんだかんだ言って結局かわいいからいいか。超科学を披露するウェンズデイちゃん。弟を殺人虐待するウェンズデイちゃん。マインドリーディングをするウェンズデイちゃん。いろんなウェンズデイちゃんが見られるウェンズデイちゃんスペシャル。あとあれですね実写映画版『アダムスファミリー2』のオマージュシーンとか全ての方角が惨劇地に繋がってる十字路とかホラー映画引用ネタもあって、考えてみればタコと人間をなんとかしようとするマッド博士ウェンズデイちゃんというのもあれはエド・ウッドの…であろうからオタク的に楽しめるところ多し。大タコになったフェスターおじさんが微妙な規模の大暴れをする怪獣映画的展開とかね。
最後はスーパーセレブイットさんのイットラップでアダムス屋敷をフロアに変えてパリピたちと一緒にアゲアゲにハッピー！ いやそんなだったかなアダムスファミリーの世界観！？ だがウェンズデイちゃんのかわいさに免じて全て許す！！！ それとハンドくんは運転マジお疲れ様でした！！！！
※なんか軽いジョークみたいに扱われていたが実はラストでゴメズに関するかなり衝撃的な事実が明らかになってびっくりした。
【ママー！これ買ってー！】
これ子供の頃はちょっと怖い映画で苦手だったな～。今観れば笑えるんでしょうけどね～。