《推定睡眠時間:10分》
綾瀬はるかをそれほど美人だとは思ったことがないがあの声と表情に帯びる先生っぽさには抗いがたい魅力を感じる俺なので綾瀬はるかが水泳の先生というキャラ設定の時点でもうねなんというかお願いしまーす! っていうね、何をお願いするのかわからないんですが元気な小学生児童に子供返りですよ。先生大好き。先生のためにぼく頑張る。そのうえこの水泳先生綾瀬はるかさんときたら結構なスパルタ指導でうひょおおおお! 主人公をたぶん年上なのに名字呼び捨てにしてわっふうううううう! せんせえええええええええ!
個人的な嗜好の暴露はどうでもいいが泳げない人の映画です。主人公の長谷川博己は頭のよい哲学の先生ですが家の風呂も怖いくらいの病的なカナヅチ。こりゃなんとかせにゃいかんなぁと思っていたところでたまたま目にしたのが綾瀬はるか先生が微笑んでいるハート鷲掴みな水泳教室のポスター。というわけではるか先生のスパルタ指導のもとカナヅチ克服を目指す長谷川博己であったが、水中行動が上達するにつれて水底に封じたはずの暗い記憶も蘇ってきてしまうのであった。
第一印象、ずいぶんアマチュアっぽい。大袈裟な芝居もそうだしモノローグの入れ方とかエフェクトのかけ方とか脈絡なくリズム感に乏しい編集とか中学生がフリーの編集ソフト使って作ったみたい。だから新人監督の作なのかなと思ったらなんかわりとキャリアのある人が監督みたいで、なんでこうなったのかよくわからん。かなり良く言えば初々しいとも言えるが基本的には拙い映画なんじゃないだろうか。 麻生久美子の関西弁ももう少しちゃんと方言指導が入らないと学芸会みたいに感じられてしまう。
でも水泳やってるうちに記憶が蘇ってくるっていうのは良いなって思う。もう二十年ぐらい泳いでないけど俺も水泳やってたから泳いでる時の無心になる感じとかそこから普段しないような思考が広がっていく感じとかわりとわかる。長谷川博己は水族館の魚と一緒にプールで泳ぐ想像をするが俺も日が沈んで薄暗いプールを泳いでる時に深海魚が視界に入ってくる気がして恐怖したね。そうそう泳ぎの記憶といえば自主映画の撮影で海に行ったときに時間を持て余して遊泳禁止のサーフゾーンで海に入ったら離岸流で沖の方に流されかけたことがあって超怖かったですよ超マジで。全然良い思い出がないじゃないか水泳に。好きですが。
綾瀬はるかの先生っぷりは最高だしプールメイトのおばちゃん連の(多少記号性が気にはなるが)賑わいも楽しくオーソドックスな人情喜劇の序盤は悪くはないがアマチュア感はどうしても気になってしまうし、いくらなんでもそんなトラウマ表象は今時ないだろうという描写+展開の数々には率直に言って白ける(ので後半はかなりダメ)。たぶんこれは、今の時代の映画ではないということだろう。ふた昔前ぐらいの映画だったら面白い映画だったなで済んでいたような気がするのでまぁ、そういうつもりで見れば楽しめるんじゃないすか?
※あと綾瀬はるかはスイミングフォームが美しくてよかったです。さすが先生!
【ママー!これ買ってー!】
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