夢見感想『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』『エコー・イン・ザ・キャニオン』

ウエストコースト・ロックにはなにか強烈なリラクゼーション効果があるようだ。寝た。それはもう寝た。感想を書けないレベルで寝てしまったがでもがんばって書いてみる。ただ繰り返しになるが寝た。本当に寝たのでなにも信用しないでください。

『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』

《推定睡眠時間:30分》

これに関してはそもそも寝る目的で映画館入ってるからね。この日は睡眠不足が祟ってとにかく調子が悪く映画一本ぐらい観れるかなと思って新宿まで出たはいいんですけどそこでもう目眩に頭痛にと酷いことになっちゃって、帰るっつっても電車に乗るのも辛いしかといって路上で休むのも新宿の喧噪の中では・・・っていうわけで映画館なら静かに目をつむって休めるからこれ飛び込んだんですよ。ドキュメンタリーじゃないですか。ドキュメンタリーって物語映画と違ってなんか途中で寝てもあんまり気にならなかったりするじゃないですか。

そんなことはねぇだろの即刻反論も聞こえてきますがまぁでもドキュメンタリーにも種類があってカメラ密着型のドキュメンタリーなんかはストーリー性が強いので途中で寝ちゃうとあれあそこどうなったんだろうって気になっちゃったりしますけど、この『ローレル・キャニオン』はいわゆる(?)ナビゲーション型で、ひとつのテーマに沿って多角的にエピソードを並べていくスタイル。全体的な流れはありますけどストーリー性は薄いので心置きなく眠れる。ふつう寝るために映画を観に行ったりはしませんが。

で内容は邦題通りウェストコースト・ロックの話。ローレル・キャニオンっていうのはハリウッド・ヒルズの丘陵部にあって、ハリウッドの上の方に映画のタイトルにもなったマルホランド・ドライブっていう道路があるじゃないですか。あそこ通って丘の方に入っていくとそこがローレル・キャニオンで、丘の斜面に家が点在してるんですけど、そこにヒッピームーブメント全盛期ミュージシャンが多数移り住んでコミューンみたいになった。その音楽交流の中でママス&パパスとかジョニ・ミッチェルとかは傑作を生み出していったんですって。

でまぁウェストコースト・ロックを語るときにたぶん外せない暗部ってマンソン・ファミリーだよね。これ元々は二部構成のテレビドキュメンタリーらしくて、第一部ではローレル・キャニオン・コミューンの勃興がウェストコースト・ロックの名曲の数々をBGMに綴られて夢見心地なんですけど、マンソン事件がローレル・キャニオンに暗い影を落としウッドストックで燃え尽きたかのようにロックの持つ力も信じられなくなっていく第二部はなかなかつらみが強い。

でもその音楽とローレル・キャニオンという場は永遠なんだって感じでちょっと感動的。かつてのコミューン的なローレル・キャニオンは70年代の半ばには早くも失われてしまったようだが、形が変わってもローレル・キャニオンの精神は残っていて、そこから新しい世代のアーティストたちが羽ばたいていったことを示して映画は幕を閉じる。って言っても俺はその新しい世代のアーティストは全然知らないしそもそもウェストコースト・ロック自体にほぼほぼ興味がないのでよくわかりませんが、まぁでもわりと普遍的な話だったと思いますよ。普遍的なロック栄枯盛衰ものがたり。面白かったです。

『エコー・イン・ザ・キャニオン』

《推定睡眠時間:70分》

これは寝たなぁ! 上映時間83分のうち推定70分だからもうほとんど何も観てないよ! この日は別段体調が悪いとかではなかったのでまぁ映画の力じゃないですか! 寝かせるのも映画の力だ! とにかくこれはねぇついつい眠くなってしまうぐらい心地よい時間が流れる映画なのよ! 60~70年代ウェストコースト・ロックの生き証人にインタビューしていく映画ですけどそれがアットホームっていうか気負いがなくてね、よく遊びに行ってる友達んちで今日も話してるみたいな親密さがあるんです。

『ローレル・キャニオン』がローレル・キャニオン・コミューンの歴史に焦点を当てる映画ならこちらはその遺産に焦点を当てる映画だったと思う。ローレル・キャニオンの静かなロック革命が現在のアーティストにどんな音楽的・精神的影響を与えたか。またその生き証人たちは現在どんな風に生きているのか。おそらくそんな映画だってであろうと思われるがただね、寝てるから!

もう本当に心地よくてさ・・・これもBGMはふんわりやさしいウェストコースト・ロックを大量使用してますから一度寝ちゃうと起きるタイミングがないんだよ。子守歌みたいな感じでね。ポツポツと起きたりはするんですけど起きるとまた子守歌ロックが流れ始めてまた寝ちゃうっていう、マジック:ザ・ギャザリングでいうところのソフトロックかかった状態ですよ。ソフトロックっていうのは完全になんにもできないわけじゃないけどほとんどできない状態を指す言葉で完全ロックの方は現在のカードでは基本的に成立しないから今マジックでロックといえばソフトロックを指しますけどってこれ全然関係ないね全然! マジック:ザ・ギャザリングはカードゲームでウェストコースト・ロックはアメリカのロック音楽のサブジャンル!

というわけで気持ち良く眠れてとてもよかった二本でした。

【ママー!これ買ってー!】


ウエスト・コースト・ロック読本

映画館でこの本のプレゼントキャンペーンやってた。

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