興味が持てなかった映画『金の国 水の国』感想文

《推定睡眠時間：70分》

今日は本当は『レジェンド＆バタフライ』が観たかったんですけど上映館を検索してたらなんとこの映画3時間近い上映時間を誇る大作時代劇であることが発覚、それはさすがに金曜夜の仕事帰りには観られない…体調がどうのとかではなく時間が長すぎて大抵のシネコンでは最終回の開始時刻に間に合わないし、深い時間に上映しているシネコンに行けば観ることはできるが終電がなくなってしまう…というわけで急遽予定を切り替え俺的にちょうど良い時間にやってたこの『金の国 水の国』を観に行ってきた。

このどうでもいい前置きでもう察する人もいるのでしょうか。そうだね、その通り。俺にとってはあんまり面白くない映画だったよ。面白くないっていうかこんなことを言ったら身も蓋もないのだが俺アニメのジャンルで一番興味ないのってファンタジーなんですよね。金の国がどうのというから金でできた黄金郷でも出てくるのと思ったらそういうわけではなく、この映画の金の国水の国というのは古代中国とシリアとかあのへんをモチーフにした魔法とか出てこない架空の国で、ファンタジーというよりは史劇の色彩の方が濃い。ところが困った俺がアニメのジャンルで二番目に興味のないジャンル、歴史もの。というわけで面白いとか面白くないとか以前に興味が持てなかった。そのへんは睡眠時間にも影響を与えていることだろう。

題材に興味が持てない上にこの映画は絵に個性がない、アニメとしてほとんど死んでいる。それはなにも動きが少ないとかではなく（少ないが）劇的な構図やライティング、色彩やカッティングというものが見られず画面がひどく平板になってしまっているということで、良く言えば物語を語ることに注力した映画とも言えるかもしれないが、その物語というのはむかしむかしあるところに仲の悪い二つの国がありその国は嫁と婿をお互いに送ることでギリ戦争を回避しておりました…みたいな俺からすればかなりどうでもいい子供向けのありふれたおとぎ話。よって語るべき物語にそもそも面白味がない。

嫁に入る主人公の王女がスレンダー美人とかではなくわりとまん丸に近い顔をした背の低いぽっちゃりの人というのはまぁまぁ目新しさがないでもないが、だからなんなのだろう。賀来賢人演じる若い学者が「あっしは…！」などと普通に言うのでなんだか恥ずかしくなってくる。結局これはなに何の話なの、喧嘩するより仲良くしたほうがいいですねとか愛は憎しみを超えますねとかそういう話？ ファンタジーと民族衣装の入り交じった衣装などは興味があればまぁまぁ面白く見られるのかもしれないが、俺衣装とか本当興味ないからな。

そういうことを書くとじゃあなんで観たんだよって文句を言われるかもしれないので書いておくとだから俺は『レジェンド＆バタフライ』が観たかったんだって。だけど仕事帰りに観られる時間帯にやってなくてちょうど観られる時間にやってた今週の新作がこれだったの。本当は観るつもりなかったんだよ予告編観て俺には合わなそうだなと思ったから。でも予告編はつまらなそうだったけど実際観たら超よかったって映画だってある。つまるところ、この映画にはそれだけの力はなかったんだよ。別に好きな人の好きを否定するつもりはないけどさ。

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原作は面白いんすかねぇ。読まないっすけどねぇ。