食い意地ネコちゃん大冒険映画『ねこのガーフィールド』感想文

《推定睡眠時間:60分》

ガーフィールドというと過去何度か映画化されているのでたぶん本国アメリカでは人気のある作品なのだろうがその過去作も観てないしぶっちゃけガーフィールドがなんなのかよくわかっていない。映画を観た感じからするとスヌーピーの悪ガキ版みたいなもんなんだろうか。スヌーピーは賢人なのでなにやら達観して犬小屋の上で哲学的なことを言っているがこのガーフィールドはピザが大好きでひたすら食い意地の張ったブサイクで可愛げのない半擬人化ネコちゃんである。たぶん原作のマンガとかはこのガーフィールドの愉快な毎日を描いてたりするんだろう。クレヨンしんちゃんみたいなもんですかね。

しかしこの映画版はクレしんも映画になると大冒険するように日常を飛び出すアクション編であった。最初の10分ぐらいは飼い主とガーフィールド(子猫時代)のドタバタした出会いが描かれ俺のようなガーフィールド初見勢にも一応やさしいがガーフィールドが成猫化したその後はすぐにアクション編に入ってしまいガーフィールドと飼い主の愉快な毎日はダイジェスト的にサラッと流されて終わってしまう。

ネコちゃんの可愛さ面白さといえばやはり日常の中の自由な振る舞いにあるんじゃないだろうか。前の映画版は単に『ガーフィールド』のタイトルだったのに今回は『ねこのガーフィールド』とガーフィールドに馴染みがないと思われる俺のような日本の観客向けにガーフィールドがネコちゃんであることが一目でわかる邦題になっているが、ネコちゃん目当てで観に行ったところでネコちゃんを摂取したい欲はあまり満たされない映画かもしれない。フェルト的な毛並み表現はもふもふで可愛らしいとはいえ、メインは半擬人化されたガーフィールドらどうぶつたちのアクションとアドベンチャーなので。まぁ『みどりのマキバオー』の最初の方みたいなもんと思っていただければ…逆にわかりにくいか!

そのアクション部分が面白かったかどうかは序盤と終盤以外のようするに映画の一番おもしろいところを完全に眠って見逃している俺にはなんとも判断しようがないが、まぁでもガーフィールド紹介パートにあたる冒頭20分ぐらいはそんなに面白くなかったので、もちろん俺が寝ている間に『ミッション:インポッシブル』シリーズを超える空前絶後の超絶アクションがスクリーンに大展開していた可能性も捨てきれないわけだが、まぁそんなでもない感じのよくある普通のアメリカン・ファミリー・アクション・コメディなんじゃないでしょうか。どうぶつアクションとえばイルミネーションの『ペット』があるが、あれはアクションに入らない序盤のペットたちの日常パートの時点で既に面白かったからな。終わりよければ全て良しと言うが、面白い映画は大抵始まりから既に面白さの片鱗があるものなんだ。そう自分に言い聞かせたい。

俺はガーフィールドを知らないのでこんな感じだがガーフィールドをよく知っている人にはなんかお馴染みのキャラ総出演的な感じになっている風な気配を知らないなりに察知したので、はいはい待ってました的に何倍か楽しく観られるかもしれない。今回ガーフィールドの生い立ちとガーフィールドのパパが出てくるのでエピソード0的な面白さも俺がわかってないだけであったんじゃないだろうか。あとはそうだなぁ、カートゥーンだよね。カートゥーンのあの極端にデフォルメされてやたらめったらドタバタした味わい。お子様キッズとかああいうのが好きな人だときっと楽しめる。いや、でも、俺もカートゥーンっていうかルーニーテューンズとかは大好きですけどこの映画にはそんなに刺さるところは…でも寝てるからな! よくわかりません!

ちなみにこれは吹き替え版で観たがオリジナル版ではクリス・プラットがアテているガーフィールドの声は吹き替え版では南海キャンディーズの山里亮太だった。まぁクリプラ版がどんなもんかはわからないので比較はできないが、うーん…山ちゃんボイスであることはすぐわかったので山ちゃん頑張ってるなぁとか思いながら観てしまった。それすなわちガーフィールドじゃあなく山ちゃんの声にしか聞こえなかったということで、長年ラジオをやっている人だけあってしゃべくりの面白さは確かにあるのだが、でもこれ山ちゃんのしゃべくりだよなぁってなもんで、いろいろ事情はあるのだろうがもうちょいガーフィールドというキャラをしっかり立てられる声優さんを起用してしてほしかった気がしないでもない。お前寝てんだから関係ないだろと言われたらそうだねそれはそうなんですが!

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