《推定睡眠時間:0分》
どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪どんちゃ♪て~れってってってってててててて~♪た~らったったったったたたたたた~♪
…みたいな音楽で始まるオープニングがたのしい。野良猫の数10万匹(住民は40万ぐらい)とも言われるネコチャン大国マルタ共和国のネコチャン・ドキュメンタリーである。無学ゆえマルタ共和国と言われても「どこ?」と思うが位置的にはイタリアの靴先にあたるシチリア島をちょっと南下したあたり。地中海に浮かぶどうやら観光が主な産業となっているらしい群島がマルタ共和国。地中海の穏やかで暖かな気候はネコチャンたちにはちょうどいいのか観光客だけではなくネコチャンも集めてしまったようだ(観光客もエサとかやるんだろう)
さて映画はそんなネコチャンの楽園マルタで野良猫保護活動や地域猫にエサをやっている人たちにマルタ島に移住した映画監督の人がインタビュー、合間合間にはもちろんたくさんの野良ネコチャン映像が溢れてうお~マルタ島行きて~となる。映画が始まる前にはマルタ島観光庁だかのコマーシャルが流れるので思うツボといってもよい。というかぶっちゃけそれだけの映画であった。
ネコチャンがたくさん見られれば何は無くともとりあえず楽しいので良いと言えば良いが本当にインタビュー集&マルタ宣伝映画でしかないのでなぜマルタにはこんなにも多くの野良猫がいるのかといったそこが知りたいポイントは一切掘り下げられない。これだけ野良猫がいると糞害などもハンパないのではないかと思うがそこにはノータッチ。殺処分もまたハンパないのではないかと思われるがそこもまたノータッチ。マルタが国として野良猫をどう捉えているのか、実際にどのような野良猫政策が取られているかわからないので…とにかくネコチャンたちがかわいらしい、それだけの映画であった。
ネコチャンの楽園というが劇中でも毒餌食って死んだネコチャンがいるという話が出てきたので、当然なのだがすべての国民に野良猫たちが受け入れられているわけではないらしい。まぁ衛生問題などを考えればそれもわかる話で、はたしてマルタは本当にネコチャンたちの楽園なのだろうかとの疑問も浮かぶ。この監督はその視座に立って映画を撮っているが、それを鵜呑みにするのもちょっとアレだろう。仕方がない、これはもうマルタ共和国に渡って直接野良猫ちゃんたちの生活実態をフィールドワークするしかないな! 東京ーマルタ間は約19時間、渡航費用は15万円ほどだそうです! みなさんお金めぐんでくださ~い!(終)
※ネコチャンではなくワンチャンになってしまうが野良生活を捉えたドキュメンタリー映画なら『ストレイ 犬が見た世界』というトルコの野良犬ドキュメンタリーが容赦がなくてオススメである。これを観ると野良生活の厳しさがよくわかる。腹を空かした怒れる野良犬が野良子猫を殺して食うシーンがあるのでネコチャン大好き人間は注意。