ボコスカ文句言われそうである。
早いハナシ『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』はあんま面白くなかったが、アイアンマンもハルクもキャプテン・アメリカもなんも観てないんで、それ予習してないお前が悪いよ! と言われたらもうオシマイである。
でもアレだ、予備知識無いとツマンナイ映画なんてそもそもダメな映画だっつの。
そんな一部のオタク向け商売に成り下がったらハリウッド映画も終わりだっつの。
つーことでなんら反省せずアレコレとスーパーヒーローについて勉強するコトもなく、いい加減な感想ブっこむ。
どーゆー映画かっつーと(みんな知ってると思うが)こーゆーの。
悪いヤツとヒーローがたたかう。
これで充分だろ、こんなもん。
なんや知らんが、アベンジャーズの面々が悪の組織かなんかと戦ってるとっから映画は始まる。
激しい戦闘の様子をワンカットで捉えて、グイングインと移動しながらヒーローの面々を映してく。
それにしてもなんつーか、ありがたみの無いワンカット。
別にCG否定するほど面倒くさくも古くもない人間だとは思うが、実写なのにフルCGアニメじゃねーのレベルでCG使ってるんで、どんなにスゴイ映像でも驚きとかそんなもん皆無なのは困ったトコである。
マァそんなこたぁどうでもいいか。とにかくアベンジャーズの面々が戦って、悪の組織の親玉からロキの槍(とか言ったっけ? オーディンの槍とかよく聞くが)だかってのを取り戻す。
そのロキの槍だなんだにはスーパーパワーが秘められてて、アイアンマンはそれ使って人類に永久平和をもたらす究極の防衛システムを作ろうとする。
人工知能搭載の防衛システムなんで当然のコト暴走するが、俺観てないから詳しく知らんけど、なんかアイアンマン前も自分で敵作ってなかったか?
アイアンマンのロバート・ダウニーJrは何度も警察のお世話になってるが、コイツはホント反省しない男である。
で、人工知能のウルトロンさんは驚愕の学習能力を持ってて、「俺は人類を進化させる! 進化には破壊が必要なのだ!」とか言い出す。
銃乱射&大量虐殺やったり、わざわざテロ組織に志願して中東に赴くような輩は意外と学歴があったりするなんてデータもあるとかないとか言うが、極度のインテリは中二と紙一重だというコトがまたしても(映画の中で)立証された。
しかしその帰結はひとまず置いとくとして、誕生5秒にして高度な情報処理能力でもって即座にアベンジャーズを分析、うわ! コイツらこそ破壊の権化ジャン! と喝破したのはさすがとしか言いようが無い。
俺はこんなバカどものために生み出されたのか…と絶望したウルトロンさんはロボットの頭脳にハック、ヤケ酒して(と、いう風に見える足取りで)パーティ開いて浮かれ気分のアベンジャーズの前に姿を現すが、いくらアベンジャーズのダメさを訴えてもコイツらバカだから聞いてもらえないのだった。
そら、グレますわ。
過剰な力を持つスーパーヒーローこそが争いの火種を撒き散らしてんじゃねぇの?
っつーのはアメコミヒーローものの定番なのかもしんないが、そのあたり真っ向から挑んだ『ダークナイト』(2008)とか『ウォッチメン』(2009)なんかはむしろ大好きだったりする。
どっちも暗澹たる映画で、いやもう割り切れないでスッキリしないコトこの上なかったが、その分忘れ難い、強度のある映画だったという気がする。
一方コチラ『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は至極真っ当に思えるウルトロンさんの訴えを全否定して、アベンジャーズの面々は結局懲りもせずに世界各国で大破壊を繰り返す。
というかそれだけなんで、さっき観たのにもう半分くらい内容忘れてしまった。強度もへったくれもない。
別にお祭り映画なんだからドンパチやってワッショーイでいいだろ! とも思うが、変にアベンジャーズの人間ドラマとか入れたりして表面上はシリアスを取り繕うんで、そのあたりタチの悪い嫌な映画だと思うのだ。
つか、バカみたいなコスプレしたオッサンたちがシリアスなシーン演じてんの観たって、失笑しか出ねっつの。
『アベンジャーズ』は全然知らんが、お祭り映画っつーと『エクスペンダブルス』(2010)シリーズなんかもうマジ大好き。
汗と肉と血と銃弾が飛び交うだけのしょうもない映画だと思うが、コチラは「シリアスですよー、泣けますよー」みたいな言いワケしねぇんである。
良いヤツが悪いヤツと闘う! その姿だけが容赦なく描かれ、どんな人間ドラマよりも感動的であると断言するッ!
そして『エクスペンダブルズ』には映画のリズムがあった。色んな良いヤツ悪いヤツが出てくるが、ハナシはエクスペンダブルズのリーダー・スタローンが引っ張ってく。次々と手強い敵が現れ、エクスペンダブルズのメンバーであるジェイソン・ステイサムやジェット・リー、ドルフ・ラングレンらがそれぞれ自分の倒すべき敵と闘うコトになるが、最後はスタローンとラスボスの一騎打ちに収斂するんである。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』がどうにもつまんなく感じたのはその辺にあると思われ、コレ主人公いないのだ。
アイアンマンもマイティ・ソーもキャプテン・アメリカもハルクもみんな主役級なんで、監督やら脚本家はそれぞれの見せ場を平等に配置しようとする。
そのくせみんなワガママで自分勝手に動くんで、なんだかとても散漫な映画である。
いやそれはマァ良いとしてもさ、強い敵とかライバルが出てこないのは絶対つまんないと思うぞ。
アベンジャーズはウルトロンさん率いるロボット部隊と闘うが、コイツら全くアベンジャーズに歯が立たないで一発ダウンなんで、もう闘いですらない。アベンジャーズにしてみたら事務仕事みたいなもんである。
ほんで肝心のウルトロンさん、コイツメチャクチャ弱ぇんだよ!しかもアベンジャーズ全員でボコすんだからもう、なんだよソレ! 卑怯だしつまんねぇよ!
だから俺もアベンジャーズ考えましたよ! 俺のアベンジャーズのラストはこうですよ!
自分が作った人工知能の暴走に責任を感じたアイアンマンが単身ウルトロンさんの基地に乗り込んで、でロボットなぎ倒してついにウルトロンさんと対面!
「やっと来たね、父さん」
「まったく、しょうがねぇバカ息子だぜ。ま、俺のガキだ。責任は俺が取るぜ」
「分かってない。父さんは分かってない。父さんの時代は、もう終わったんだよ」
「そんなセリフは…俺を倒してから言いな!」
とかなんとか言って、闘うワケですよ! でもアイアンマン歯が立たねぇの! 歯が立たねぇんだけど、ズタボロになっても最後まで闘おうとするんだよ! それはアイアンマンの男としてのプライドで、父親としての責任なんだよ!
そしてついに倒れたアイアンマン! おもむろに近づいて、ウルトロンさんはトドメを刺そうと…とソコに、楯が! なに? 楯? …星条旗マークの楯だとぉぉぉ!?
ウルトロンさん「な、何者だ!」
何者かの声「関心しないな、ご老体をいじめるのは」
アイアンマンが目をやると、ソコにはキャプテン・アメリカはじめアベンジャーズとサミュエル・L・ジャクソンらが集結しているではないか!
アイアンマン「ご老体? HAHAHA! お前(キャプテン・アメリカ)にゃ言われたくないさ」
サミュエル「父親に手を挙げるたぁどういう教育を受けてるんだ! 俺が叩き直してやる! マザファッカ!」
ハルク「ウガー!」
ウルトロンさん「クソォ! 何人でも同じだ! かかってこい!」
…みたいな! コレだろ! コレが映画だろ! なんか違うと思うが!
いやそれはともかく、そんなワケでCGジャンジャン使ってド派手なアクションやるワリにはとても盛り上がらない映画なのだ。
そうなるとどうでもいいアラが超目立つ。面白けりゃご都合主義なんて全然気にならんけど、おいおいデウス・エクス・マキナ何体いるんだよってな具合のウルトラご都合主義が気になってしょうがなくなってくる。
そういえば人が死なない。なんかレーティングとか配慮してんのかもしんないすけど、人が死んでこそ闘いの悲惨さと真剣さが伝わるってもんじゃないのか。
せめてさぁ、ウルトロンさんは「平和のために」人類を粛清しようとしてんだから、世界各国のテロ組織とかギャングとかバンバンぶっ殺してくとか、それぐらいあってもいいじゃない。
そんでウルトロンさんが神として崇められるとか。そしたらハナシに深みみたいの出るじゃんよ。
なんつーか、原作ものでしょうからアレですけど、脚本かなりヒデーと思うよ。面白くしてやろう面白くしてやろうって気が全然感じられなくて、ホントお仕事。
演出も平坦で、なんかもうコンビニ的な映画。それはそれで良いって気分のときもあっけどさ…。
マァそんなワケで、スーパーヒーロー好きな人は面白いかもしんないすけど、俺は思い入れないんでつまんなかったなぁ。
あぁあと最近のハリウッド映画の上映時間2時間超え、マジいい加減にしろ。
(この映画は144分)
【ママー!これ買ってー!】
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は144分もあって大して面白くなかったが、『エクスペンダブルズ』は103分なのにメッチャおもろいやないか!
爆発いっぱい、人死にいっぱい、筋肉いっぱい!
これが漢のスーパーヒーロー映画だろ!
確かに設定を生かしきれてないし
ヒーローがバカやってるって感じで
ウルトロンのほうがちゃんとした奴だなっていう印象でした(笑)
確かに親子対決いいですね!
子供のほうが強くて歯が立たなくて もうダメって
ときに仲間が駆けつけるっていうシチュエーションがたまんないですね~
ウルトロンは充分魅力的でした
教会をつくるとか言っていたから一部の人から崇められてウルトロン教(笑)が信仰され
どうするアベンジャーズ!?っていうか展開もいいですね~
そうなんですよ~
もっと面白くなりそうなハナシなのに、燃える展開とかヒネりがあんま無くてアベンジャーズが街とロボットぶっ壊してばっかりで…いやそれはそれで景気が良くて楽しいんですけど(笑)
あと、アベンジャーズはとりあえずちゃんと会議してから行動した方がいいと思いました(笑)
そんなだからウルトロンに愛想尽かされるんだよ!
高3の自分ですが、今回の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』がブロガーさんにとって少しでもいい時間になればいいなぁと思ってコメントを投稿したいと思います。
まず、ブロガーさんの「予備知識無いとツマンナイ、一部のオタク向け商売映画」という意見に対してですが、ここに関しては 日本人の私たちがアメリカの情勢の理解度が大きく絡んでくると思います。
時系列上の前作『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』ではアベンジャーズ結成のお膳立てをした”平和維持組織シールド”が『アイアンマン(2008)』から引き続き出てきます。
彼らは”インサイト計画”という作戦を今回も登場した キャプテン・アメリカやブラック・ウィドウに対して明かさずに秘密裏に練っています。
この作戦は今回のラストでも出てきた”巨大空母ヘリキャリア”を用いて、シールドにとっての平和の邪魔となる全世界の危険人物がテロなどの事件を起こす前に排除して行くというものなんですが、これは今 現在においてオバマ大統領がドローンを用いて行っている”ドローン作戦”への批判なんです。(今年に入ってからも、ドローン作戦によって人質が亡くなりましたよね…)
今回の”ウルトロン計画”はその”インサイト計画”の進化系という設定。”インサイト計画”のせいで崩壊したシールドの平和維持の役割は現在トニー・スターク/アイアンマンが担っています。だから、以前に”インサイト計画”を止めたキャプテン・アメリカには”ウルトロン計画”については話せないわけです。(未知のテクノロジーを使用しているためでもありますが…)
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』では、MCU(アベンジャーズ・プロジェクト内では最低のオープニング成績でしたが、続編の『ウィンター・ソルジャー』は2014年では首位を取るなど、明らかに前作を見ていない観客もいる成績です。なので、アメリカ人にとっては事実上の前作『ウィンター・ソルジャー』及び その後を描いた今回の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の予備知識は現実の世界で知り過ぎているくらいなんです。
そして、今までも争いが多かったキャプテン・アメリカとアイアンマンはついに『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』にて対決します。
原作の『シビル・ウォー』では4人のスーパーヒーローから成る民間のスーパーヒーローチームが敵との戦闘中に街を火の海にし、700人近くの死者を出したがためにアメリカ政府がスーパーヒューマン登録法を施行します。キャプテン・アメリカは登録反対派、アイアンマンは登録賛成派へと別れます。
現実の世界でもありましたよね?
アメリカで民間飛行機学校にて操縦免許を取得したアラブ系のグループが4機の旅客機をハイジャックし、ビルに突っ込むテロを起こしたがために、政府が法律を施行したことが。
911テロと米国愛国者法に重なりますよね。
こうやって観ると、少しはマシじゃないですか?
説明不足な所も多くありますが、ブロガーさんの作品への評価がクソ映画から星2ぐらいまで上がるといいなと思っています。
字幕でご覧になられたのなら、ヴィジョンのセリフ”I was born yesterday.”は人間として嬉しく感じましたよね?
そんな粋なセリフだけでも、評価してあげてください。
最後にウルトロンの「教会を建てる」発言はウルトロンの”街全体を隕石として使用し、衝突させ人類を絶滅させるために空中に持ち上げることのできる装置”のことを「聖書」の「マタイによる福音書 16章13節から20節」のイエス(ウルトロン)がペテロ(マキシモフ兄妹)に言った”天国の鍵”に例えたものですよね。
ウルトロンは信仰心は持っていませんが…
長文失礼しました。
どうも、コメントありがとうございます。
基本なんも考えないで映画観てますんで、ご指摘に目から鱗が落ちる思いです。いやホント、勉強になるトコ多々ありました。
なんでしょう、ワリと、俺がツマンナイなぁと思ったのは脚本の抑揚の無さと予定調和な点に限定されておりまして、コレはなにもこの映画に限ったコトではないのですが、それはやはり映画として面白くないと感じたワケです。
たとえば、ホイジンガが諸々の社会制度や文化の源泉として遊びを論じた際に、その基本的な性質として取り上げたのは強弱のリズムがあることと結果が不確定であることでした。
この人の論考は遊びといったところで実質的に闘争・闘技の遊びに限定されているわけで、従って闘争・闘技の遊びは競技者一人一人の動作に、あるいは互いの関係に変化とリズムがあること、勝敗が見えないことによって高まっていく、ということになります。
主人公の前になにかしら問題が立ちはだかり、その解決が物語の目的として設定され、また推進力となるのが基本的な娯楽映画の構造だと思いますので、こうしたホイジンガの観点はそのままのカタチで援用はできなくとも、依然有効な観点だと思います。
殊更この映画のように明確な二項対立の描かれるタイプの映画であれば尚のことで、とすればウルトロンとアベンジャーズの関係性が固定されてしまって変化が見られない点ですとか、またその攻防の単純さですとか、言ってしまえばどうせアベンジャーズが勝つと初めから分かっていますので、そういった点で面白味が無かったワケです。
もちろん、演出の上でも強調するシーンやカットが無かったなぁ、というあたりもつまんなく思うワケですが。
ただ、幅広い年齢層に訴求するこの手の映画で現実の政治を反映させることができるのは、それがいかに表層に留まろうともさすがにアメリカ映画の強みでありましょうし、美点だなぁと思います。
その意味ではとても面白い映画でしたね、コレは。
返信、ありがとうございます。
こちらこそ、勉強になりました。
僕も今回の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は傑作とはかけ離れたものだと思っています。
トニー・スターク/アイアンマンのやっていることは、『アイアンマン(2008)』から基本変わらず、”自分で蒔いた種(問題)を自分で刈り取る(解決)するコトの繰り返し”なので、今回はそれをアベンジャーズのメンバー用にスケールをデカくして、実質上の次回作『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』で戦わせるために無理矢理 トニーに問題を起こさせて、キャプテン・アメリカとの関係をこじらせたようにも見えます。
そういった意味では、僕は「アメコミ映画ファンとして有意義な時間を過ごした」と思いたいがためにこの映画に噛み付くことが出来ないとも考えられるので、ブロガーさんが前知識なしという真っ新な状態で”いい意味”での「柵の外」から観れたことが羨ましい限りです。
来年の3月には「アベンジャーズ・プロジェクト」のマーベルコミックスではなく、ライバル出版社のDCによる『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が公開されます。
この作品はスーパーマンをリブートした『マン・オブ・スティール』の続編であり、新生バットマン・シリーズの第一作目となるものです。『マン・オブ・スティール』はブロガーさん含め一般評価が高い「ダークナイト・トリロジー」のクリストファー・ノーランと賛否両論の『ウォッチメン』のザック・スナイダーの悪いとこが出てしまった作品だと僕は考えていますが、『バットマン vs スーパーマン』もこの2人による作品なので、公開の際にはブロガーさんの評論が聞きたいです。
ちなみに『バットマン vs スーパーマン』の後にはDCヒーロー集結映画『ジャスティス・リーグ』が公開予定で、さらに後には バットマンを演じるベン・アフレックが監督・脚本・主演の3役を務める『バットマン』が公開予定です。
アメコミ映画はこれからも広がる可能性が十分あるので、その際にはブロガーさんの鋭い評論を待っています。
長文失礼しました。