本日2015年7月15日といえば安保法案の強行採決がなされた日であり、一説には10万人とも言われる人々が国会前に集結、台風の接近する中でシュプレヒコールを上げたという。
法案をどう捉えるかは人によりけりでしょうが、どうあれ戦後日本の重大な転換点の一つであることにはほとんど異論の余地が無いと思われる。
…しかしそんなコトとはな~んも関係なく『ゾンビーバー』観に行って笑ってる俺みたいな人もいて、しかも一日一回上映でかつサービスデーとはいえキャパ200人ぐらいのスクリーンは満席、立ち見まで出るとゆー大盛況っぷりなのであった!
台風よりビーバー! 憲法より血糊! 集団的自衛権よりオッパイ!
『ゾンビーバー』、恐るべし…!
もうあらすじとか書くまでもないと思いますが、要するにド田舎の山小屋にやってきたキャピキャピガールズがゾンビーバーに齧られるハナシです。
上映時間ナント77分。血がブシャーってなってオッパイがぷる~んってなってビーバーがフィーバーするだけ。素晴しい潔さ!
アレだ、こんなバカ映画の感想なんてダラダラ書くもんじゃないと思うんでさっさと切り上げるが、いやもう結論からゆーと正しくB級バカ映画でサイコーだった!
50点満点で50点みたいな映画で、面白過ぎずつまんな過ぎないとゆー絶妙な匙加減! 明日になったら忘れてそうな中身の無さ! それでいてなんとなくアホで楽しい映画観たな感だけはあるんだから、もう完璧と言う他ないだろこんなもん!
顧客満足度で言えば『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015)を超えたかもしれん! 満足の上限はだいぶ低いが!
ほんで、マァ面白いトコ色々あんだけど、アナログ丸出しのゾンビーバー、コレ良いんだよね!
カクついた動きなんかたまんねぇし、カワイイ感じも笑える感じもあんだけど、でもちゃんと怪物っぽくて微妙に怖いのよ。
ゾンビーバーが床下からポコポコ湧いてきてさ、んでモグラ叩きみたいに潰してくシーンなんてサイコーだよ、サイコー。
でさ、その微妙に怖いつーあたりこの映画よー出来てる感じなんだよなぁ。
だいたい設定からしてバカじゃん? タイトルもバカだし、予告編もバカだし、あぁよくあるパロディもののバカ映画かって思うじゃない。
でもゾンビーバーが襲ってくるシーンなんかちゃんとホラーになってんすよ。ちゃんとホラーになってんだけど、そん中にどっか間の抜けたトコあって、その塩梅っちゅーのが実に良いっつーね。
それで思い出したんだけど、これ『クリッター』(1986)みたいな映画だよな。
アレも殺人毛玉ことクリッターがバクバク人間食ってくコメディ・ホラーで、スプラッター描写の容赦の無さとか、悪趣味の一歩手前で踏みとどまったようなバランス感覚とか、あとクリッターの怖さと可愛さの同居具合ってのも共通するところ。
『アタック・オブ・ザ・キラートマト』(1978)とか『悪魔の毒々モンスター』(1984)みたいな感じもあっかもしんない。
いや別にそこまでバカに徹してるワケじゃないんだけど。
なんだろな、『ゾンビーバー』っつー映画はさぁ、『クリッター』とか『悪魔の毒々モンスター』含めた80年代ホラー全般のオマージュになってると思うんだけど、内輪向けのパロディでも単なる引用でもなくて、ちゃんとオマージュになってる感ある。
といってそれに拘泥するワケでもないんで、そのイメージに反して似たような映画群の中でもすげーセンスの良い、ウェルメイドっつーのはこういう映画を評するためにある言葉だろみたいな、なんかそんな感じなんすよ。
もう、誰でも来いと。ホラーオタクもホラー嫌いもみんな来いと。誰でも程よく楽しめますよと。
スタッフロールにゃ「ゾンビーバー♪ ゾンビーバー♪」いう愉快なテーマソングが流れて、コレに大して面白くもないNGシーン集まで付いてきますよと。サービスいっぱい、映画観たな感いっぱいですよと。
っちゅー感じの懐のひろ~い映画が『ゾンビーバー』なのだった!
…いや、この書きっぷりだと大ケッ作に思えるかもしんないが、別にそんな面白くないかんね?
【ママー!これ買ってー!】
殺人毛玉大暴れの二作目、これ面白いんだよな~。
血糊いっぱい遊びいっぱいアイディアいっぱいキュートな毛玉いっぱいっつー、いやもう毛玉映画史上のケッ作だろう!
他に毛玉映画なんてあんのか知らないが!
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