もう最近そればっか言ってるが、やはり寝た。これはコーヒー飲んでカフェイン入れてから観るべきだったかもしれん。
つかアレだよな、昔ジョン・ウォーターズの『ポリエステル』(1981)、映画館入る時にシーン番号の振られた銀めくりが十個ぐらい付いてる特製カード貰って、映画観ながら銀めくりを剥がすとそっからシーンに合わせた匂い(ウンコとかキツイ香水とか)がする、そーゆー映画あったってゆーじゃん。
あのね、だからこの映画、『A Film About Coffee』、コレ色んなコーヒー出てくる映画なんで、その匂いつけた特製カード配れば良かったよな。
それ嗅ぎながらだったらたぶん寝ないと思うよ、たぶん。
ほんで『A Film About Coffee』、どーゆー映画かとゆーと、なんやブルーボトル・コーヒーだなんだとゆーの流行っとりますが、そーゆートコの創業者やらコーヒーの名店のオーナーやらにカメラ持ってハナシ聞きにいったりする。
どんな風にして淹れとるんじゃろ、どんなとっからコーヒー豆買い付けとんじゃろ、コーヒー豆の生産者ってなぁどんな人じゃいなとまぁそんな具合に、コーヒー豆知識いっぱいのドキュメンタリー。
別にカタカナにするとかなんか邦題つけるとかでも良かったと思うが、日本でのタイトル表記も原題と同じ『A Film About Coffee』。
名は体を表す。この映画ポスターとか超カッコイイが、つまりそーゆー、とってもお洒落で意識高めの映画である。
こーゆーのなんてゆーんだろね。オレ的には表参道系と言ってやりたいが、そもそも表参道の用があった試しが今までの人生で一度も無いので、イイ表現かどうか不明。
代官山にも原宿にもまったく縁が無い。縁が無いどころか歩くとコワい。
関係ないか。
ほんでまぁなんせ寝てるワケで、上映時間たった66分の映画で断続的に計20分ぐらいは寝てる(概算)
それもうほとんど観てねぇじゃねぇかよと思うが、別になんかストーリーとかあるワケじゃないんで寝ても問題無い映画ではある。
基本的にはコーヒー業界の人に「あなたにとって理想のコーヒーとは?」みたいなハナシ聞いて回る映画なので、どっから観てもどこ観なくてもイイのです。
リラックスして寝ながら観れるロハスな映画。
映像はとってもキレイ。いやー、ホントね、知らないけど日本のコーヒーの名店・大坊珈琲店のマスターがコーヒー淹れてるトコとかね、美しく撮れてますよー。
コレもどっか知らんけどコーヒー農場にカメラ入ってってね、そこで働く生活の苦しそうな人を撮ったりすんですが、このあたりも写真集みたいに撮れとんのです。
なんか中間業者を通さないダイレクト・トレードっての推奨してる映画で、出てくるコーヒー屋さんもそーゆーコトしてんですが、別段押し付けがましい映画じゃない。
キレイで思わずコーヒー飲みたくなっちゃう画でいっぱいの、美味しい美味しーい上質な時間を過ごせる映画とゆーワケだな。
…ぶっちゃけオレにとっちゃ「だから、なに?」すけどね。
こんなのアレじゃん、イキった腐れ男性ファッション誌の毒にもクスリにもならねーよーな、「読んでるオレ、かっけーしょ?」的記事の如し映画じゃわいよ。
そら、画はキレイだよ? かっけーよ? ほんで色んなコーヒー飲みたくなるよ? 「で、だから何?」じゃねーかそんなもん。
こーゆーのはよー、ファッション誌の添え物としてよー、なんか知らんけどご高尚なカッフェで見るにゃいーけどよー、通常料金より休め(1500円)とはいえ高い金取って映画館で見せてんだからよー、もうちょっと…もうちょっとなんかあってもいいだろー、もうちょっと映画としてさー。
いやオレが求めるもんと違ったってだけなんだけどさぁ。ほんで、結局半分近く寝てるんだけどさぁ。
でもなー、なんつーか、あまりにも上辺だけの映画じゃん、こんなん。これこれこーゆーコーヒーの名店がありますよ、美味しそうですね、終わり。
コレ、ホントそーゆー映画だからね。コーヒー屋のちょっと長い宣伝じゃねーか、コレじゃ。
要するに、何かしらの批評性であるとか、何かしらの問題提起であるとか、何かしらの新事実の発見であるとか決定的な瞬間であるとか面白い構成であるとか、そんなもんは何一つだって無い(寝てたくせに!)
さるイギリスのシンクタンクによれば、気候変動のアオリを受けてここ数十年で現在のコーヒー産地が三分の一に激減する可能性もあるという。
ダイレクト・トレード素晴しい素晴しいゆーが、それってのは結局高級コーヒーのブランド力に依存する極めて限定的なやり方なんだし、こんなんせいぜいのところ高級コーヒーにお墨付きを与える程度の効果しかねーんじゃなかろか(高級コーヒーが乱立して競争が激しくなったら結局破綻するんじゃねぇのか?)
そーゆーコトはしかし、何一つ考えたりしない映画であった。とにかく高級コーヒーってサイコー! なだけの映画なんである。
それはそれでまぁイイんじゃねぇのとは思うが。
キレイな画いっぱいで、心地よい時間過ごせる映画だとは思うが。
でもオレみたいな場末のキッタネェ喫茶店の壁テレビでオッサンと競馬見ながら安コーヒー飲みたい人には、とても住む世界が違うナァとゆー映画なのでしたとさ。
ポンポコポーン。
(文・さわだきんたま)
【ママー!これ買ってー!】
コチラは寝るどころか観てさえいないが、たぶんもうちょいちゃんとした面白いドキュメンタリー映画(のハズ)