あんま面白くなかったなぁ、『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』。
いや別に、まる子ちゃんになんか思い入れあるワケじゃないんだけど、アレ、こんなんだっけみたいな…。
なにが面白くなかったかっつーと、うわキャラ薄いなぁと思ってさ。
なんか丸尾くんちに世界各国のお子様がホームステイに来る。んでコイツら、丸尾くんの豪邸で贅沢三昧して過ごすんじゃなんのタメに日本来たかわかんねっつって、ハマジとかタマちゃんとか野口さん宅にお世話んなる。
イタリアから来た少年アンドレアはまるちゃんの家へ。でもってこの人には、日本でどうしても会いたい人がいた…とまぁそーゆーワケなんですが。
世界のお子様たちとお馴染みの面々の絡みがまる子&アンドレアの会いたい人探しと平行して描かれるんで、結構ゴチャつくっつーか、コレたかだか90分じゃ収まんないよなみたいな感じあって。
それでも世界のお子様たちに平等にエピソード振り分けようとするんで、なんすか、野口さんちにやってきたブラジルの女の子、なんかずっと野口さんの前で踊ってるだけみたいな、ちょっとシュールでやたら薄っぺらい、スベり気味のキャラになってたりする。
インド人はなに考えてるか分かんない人、ハワイの男の子はひたすらメシ食ってるだけ。こーゆーの、あんま面白いキャラじゃないよなぁ。
それで、じゃあそーゆー世界のお子様と70年代の昭和庶民の間に生ずるカルチャーギャップが云々とか、そーゆー感じの面白さあるかといったらそれも無くて。
言葉が通じないとかそーゆーコトも無くて、普通に話して普通に馴染む。じゃあもう世界の子供じゃなくて単に転校生とかで良くね? って思うんだよな。
そーゆー感じで、キャラも描写もエピソードも薄くて、そのくせ最後にそれぞれのお別れがあって、泣かせようとする。
う~ん…。
アンドレアとまるちゃんのエピソード自体は、なんかオレ好きな感じだったんだけどなぁ。
たぶんさぁ、コレ脚本も前の映画『ちびまる子ちゃん』(1990)、『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』(1992)同様さくらももこ本人なんで、日常性みたいのをすげー大事にした映画だと思うんすよ。
一緒にメシ食って、一緒に歩いて、そしたら自然とみんな仲良くなっちゃうよね、みたいな。
いや仲良くなるってのも違うか。仲良くなるっつーか、とりあえず一緒の時間過ごしたら情とか移っちゃうよねってゆー、そんな感じ。情緒の映画。
なんかな、そのへん真面目にやりすぎたのかもしれん。
いいじゃん別に、インド人お子様はカレー臭がプンプンとか、ハワイのお子様は時間にルーズで待ち合わせに絶対遅れるとか、失礼なギャグやったって。
それで昭和の日本お子様と喧嘩したりなんかしても、なんか一緒にご飯食べてるウチに仲直り、って風にしてもテーマとか伝わるっしょ。
つか、まる子ちゃんなんてそんなギャグいっぱいあるだろう。今回ギャグ封印編だからアホの山田くんはセリフすら無いし、永沢くんは毒の一つも吐かないが、穏やかな日常を情緒的に綴るコトに最大限の注意を払った結果、なんか色んなオモシロを犠牲した感があるってワケで。
さくらももこにとってのまる子ちゃんとアニメのまる子ちゃんは違う、ってコトなのかもしんないけどさ…。
ベタな少女マンガみたいなシーンもある。その、青春純愛映画風の画には「これがちびまる子ちゃんかよ!」と面食らったが、案外さくらももこにとってのちびまる子ちゃんってのはそんなもんなのかもしんない。
『わたしの好きな歌』もやっぱり情緒の映画だったりしたが、しかしソッチは芝山努と須田裕美子の共同監督によってか、なんやサイケでトンだおかしなミュージカルになったりしてた。
コチラ『イタリアから来た少年』はそんな逸脱もなく、オレにとっちゃそれが面白くないトコだったりしたが、そーゆーのもさくらももこの世界観に忠実であろうとした結果なのかもしんない。
まぁ、アニメの方のちびまる子ちゃんにスッカリ慣れちゃったオレの目には、なんか違和感バリバリの映画だったとゆー、そーゆーワケですな…。
【ママー!これ買ってー!】
映画一作目はDVD出てんのに二作目の『わたしの好きな歌』はまだDVDになってないんだなぁ。
なんだ、権利関係か。多彩なアーティストの参加した映画だったとゆーから、そのあたり処理しきれてないんだろか。
まぁ、知らん。
花輪くんですからーw