《推定睡眠時間:45分》
わりと寝ているのでネットで拾ったあらすじを読んでえ、そうだったの!みたいな驚きがあった。公式サイトから引用。
エンジェルが生まれ育つのは、ある閉ざされた施設の中。彼の母親、ルイーズはマジシャンの恋人に捨てられ、心を病んでしまい施設に入居。その後、特異体質を持つ赤ん坊エンジェルを生む。
「ルイーズはマジシャンの恋人に捨てられ」とあるが俺はこの冒頭のシーンを見てこれはマジックショーの場面だったのですが、なんか扉を開けたらそこにいるはずのルイーズの相方がいない、何度開けてもいない。
この相方がお父さんらしかったのでなるほどお父さんは透明になってしまったのかぁ。すごい解釈だが映画の見方は人の数だけある。
消失マジック巡業をやってるうちに消失状態から戻れなくなってしまった透明マジシャンの子どもだからエンジェルも透明人間なんだろう、と思っていたのにまさか捨てられていただなんて。
あと何の施設だか知らないが(察しはつきますが)あのお母さんが住んでたのが施設っていうのもあらすじ読んで初めて知ったよ半分ぐらい見てたのに。それを見た方にカウントするかどうかの判断も人によって違うのでしょうが。
しかしこういう見方はあのお母さんの主観とシンクロしていたかもしれないのでそれはそれで得難い経験。
主観というものが主題の映画だったのだ。透明人間の恋愛模様をどうビジュアル的に表現するんだろーと期待していたら全体の85%ぐらい透明人間の主観というこれは…まぁ…アイディアとしてはわかるが…わかるが…主題の表現としてもわかるが…わかるのだが…ともかく主観の映画。
そうだなぁ、うーん、なかなかエロティックであったなぁ。透明人間の愛撫と乳首吸いねぇ。そうだねぇ。『エンティティ/霊体』みたいだねぇ…。
あんま面白くなかった。ていうか寝ているぶんだけ勝手に寓話的な物語を想像で作り上げてしまっていたのでそのイメージだと『フランケンシュタインの花嫁』に近くて若干おもしろかったのですがこういう身も蓋もない感じの話と知ったらうわなんてつまんねぇ映画なんだみたいな感じに。
夢のようなお話は夢の中に置いておいた方が良いこともある。透明人間と盲目の少女の恋愛はやがて少女の目が見えるようになると急速に萎んでしまうのであるが、そのへんあの少女の主観と俺の主観が奇跡的に部分的一致を見たのだった。
睡眠によって見えることもまたあるんである。圧倒的に見えないことの方が多いとはいえ。
【ママー!これ買ってー!】
とくに意味も関係もありませんが。