無駄に絢爛映画『LORO(ローロ) 欲望のイタリア』感想文

権力の寓話というには現実の側が寓話的虚構に寄りすぎている昨今ですが、ベルルスコーニ時代の虚実入り乱れる政治内幕劇であると同時に、あちらでもこちらでもあるある感のある、たいへん刺激的でおもしろい権力の寓話であったとおもう。

タンクトップ最高映画『ターミネーター ニュー・フェイト』感想文(途中からネタバレ注意)

きったねぇ白タンクトップで汗まみれになりながら戦うマッケンジー・デイヴィスの女グラディエーターっぷりがあんまりに素晴らしいのでもう脇の匂いを嗅ぎたくて仕方がない。

スマホテロ映画『ロボット 2.0』感想文

豪快にしてインドなバカシーンの絨毯爆撃も見方を変えればそれなりに作り手の理屈というのも見えてくるのだからやはりわれわれはまだインド映画の奥深さを知らない。

映画『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』感想文

ワンちゃんがいっぱい出てくるので見た目かわいいですが風刺は直球だしロイヤルコーギーズの権力闘争もえげつないしファミリー映画と油断してかかると殴られる。

低温百合映画『サラブレッド』感想文

幾重にも織り込まれた皮肉と冷笑が黒い笑いを引き起こす人でなし映画だったがその底に流れるのは逆説的なヒューマニズム(かもしれない)ということでなかなか泣きの百合映画です。

全然笑えないお笑い映画『ジョーカー』感想文(多少ネタバレ注意)

劇伴は重いしお話はシリアスそのもの、ジョーカーが舞台の上でネタを披露する場面等々死ぬほど居たたまれない場面の連続だが、でもなんだかブラックジョークのようでところどころ痙攣した笑いさえ漏れてしまう。食えない映画。時代を読んだ映画だし、時代が生んだ映画。

US与太話映画『アス』感想文(ネタバレあり)

オチでびっくり的な映画ではないというか、最初の最初で既にどんなお話かということは過剰なくらいに明かしてしまっているので、それをわかった上で所々に配されたアレゴリーやジョークを読み解いて楽しむ『不思議の国のアリス』タイプの与太話映画だったように思う。

映画感想『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(多少ネタバレあり)

マンソンもの映画として観ると肩透かし感ありますがタランティーノの変態性が滲み出ていておもしろかったです。

現代アート業界大冒険映画『アートのお値段』感想文

こういう形で芸術作品の生と死を浮かび上がらせるというのはなかなか面白い趣向、美術館でばかり作品と触れているとお値段と一緒に意外と忘れてしまいがちな作品の生を改めて意識させられるよい映画。