飛島よいとこ一度はおいで映画『島にて』感想文
哀しいような楽しいような、優しいような厳しいような、なんとも言えない味わい深いドキュメンタリー映画。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
哀しいような楽しいような、優しいような厳しいような、なんとも言えない味わい深いドキュメンタリー映画。
ヒーロー映画的な面白さとしては普通、とにかく普通としか言いようがないのだが、面白さとは別に好感を抱くポイントが多い映画でした。
ダメだなドランは。相変わらずナルシスティックに自分の世界に自足して外の世界などお構いなし。プライベートな事柄を描くときにはそれもプラスに転ずるが、ドラン的にはいちばん外の世界に近づいたと思われる今度の映画だとそのへんのダメさが露骨に出る。そのダメさが、俺みたいな意地の悪いアンチには逆に好感の持てるところではあったが。
一度走り出したら止まらないノオミ・ラパスが主人公なのでおだやかな原題『ANGEL OF MINE』はトニー・スコットの遺作となった列車暴走パニック映画と同名のおだやかならざる邦題となってしまいました。
まぁ、ざわついていたね、上映後の場内。『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』ぐらい明かりが点いてからざわついていたね。これは事件ですよ。
ギリアム死ぬのかなって思ったよ。でもこれが遺作なら文句ない。たしかにつらかった。物語の結末は極めてビターに見える。けれども本質は違うと思った。あれはドン・キホーテを演じドン・キホーテとして笑われながら生を終えることを決意したギリアムの生涯逃走宣言で、ギリアムの逃走のススメなのだ。すばらしいね。
ふ~、観たい。この映画を観た後は『フォードVSフェラーリ』を観たい。あれだってストレートなハッピーエンドでは決してないけれど、この、この、この溜まりに溜まった溜飲を下げるには格好のお仕事映画だろう。超面白いが消化に悪い身につまされ系お仕事ドキュメンタリー。
乙一はブログでの自称が小生だった人、というのが乙一監督作と知ってまず頭に浮かんだことだったのだが俺の記憶では「小生日記」だったそのブログはいくら検索しても出てこない。いつの間にか閉鎖されてしまったのだろうか。その名前は知ってはいけなかったのだろうか…次はお前だ!
全体の三分の一ぐらいは過去作からの引用という寅さん名場面集みたいな映画にも関わらず一本の作品としてちゃんと観れてしまうのだからさすが山田洋次、腐っても…いや腐ってはいないと思うが安定の巨匠クオリティ。
例年この時期になるとクリスマスホラーを一人でたくさん観て世間に文字の形をした血を吐きかける奇祭を執り行っているのですが今年も何か劇的な予定が入ることとかなかったので10本観て吐きました。