ユーモアとペーソス映画『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』感想文
楽しくて軽やかで洒落ていて、でもその明るさの下には人生の暗さが透けて見える。フランス映画っぽいねぇ。なんとなく食い足りない気もするが観るとちょっとだけ幸せになれるよい映画でした。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
楽しくて軽やかで洒落ていて、でもその明るさの下には人生の暗さが透けて見える。フランス映画っぽいねぇ。なんとなく食い足りない気もするが観るとちょっとだけ幸せになれるよい映画でした。
いやぁ、これは力作ですよ。単に露悪的なだけで現実の厳しさにはぜんぜん達していない作家系のミニシアター向け邦画なんかより(これもミニシアター映画だが)よほどシビアに現実を捉えていると思う。
コントにしか見えないがこれはもうこういう映画として、イイ。きっと現代日本の悪をそのまま描こうとしたら間違ってもノワールになんかならずコントになってしまうのだろう。
そこそこ楽しめるがどうせバカな脚本なんだし『サウスパーク』風のブラックコメディにしてしまったらよかったのにと思うた。
よくできてて面白かったんですがただやっぱり気になるのはあの塩からは塩辛なのか塩唐揚げなのかどっちなんだっていう…みなさんからの情報、待ってます!
なんていうか色々事情もあるのだろうがこれで完成ってことにしちゃっているのがもったいない映画だった。
MCUというのは最新版の聖書の活人画なんでしょうな。まぁ、MCUみたいな安全なコンテンツで現代人の宗教欲を満たすことができるのなら、外野がそれを悪く言うことはできないだろう。
テキサスのバカ貧乏人たちの本人はあくまでも真剣な一挙手一投足は真剣であればあるほど笑えてしまう、笑えてそして愛おしくも切なくもなる。最近ではあまり見なくなった種類の庶民派喜劇としてたいそうお気に入った。
楽しかった! もうこれは楽しい、単に楽しいだけの映画だ。娯楽映画としてたいへんに立派。
嘘を嘘と見抜ける大人なら大いに楽しめ、そして憑かれた心がスッとするに違いない…これはもしや、除霊体験?