田舎農場最後の一夏映画『太陽と桃の歌』感想文
何も変わらないような風景が、表情が、関係が少しだけ、しかし確実に変わっていくこのポエジー。見事な映画だが日本公開版は結構ガッカリさせられる箇所がある。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
何も変わらないような風景が、表情が、関係が少しだけ、しかし確実に変わっていくこのポエジー。見事な映画だが日本公開版は結構ガッカリさせられる箇所がある。
ホラーっていうかジュブナイル向けダーク・ファンタジーといった方が内容を正しく言い表せているような気がする。
そんなに面白くないが来たるべき新シリーズの序章であり、同時に室井慎次のシリーズ離脱を告げる生前葬のような映画と思えば、まぁ別にこんなもんじゃないの感もある。
貧村に派遣されたカスオッサン教師の愚行を通して人生の苦味を噛み締める、フキノトウのような映画であった。
脚本も映像も音響も芝居もすべてすばらしい。この映画を観た幸福な記憶は永遠に忘れない、と思いたい。
超絶技巧の長回しと鳥瞰的な大河ドラマの組み合わせがすばらしかった『春江水暖』のグー・シャオガンの新作はピカレスク転落ドラマ!テンション高くて面白かったです!
ギャグマンガみたいだった前作とは打って変わって今回は人間ドラマ、それもわりあいしっとりとした人間ドラマであった…。
テアトル系の映画館で何度も見たマナー予告のほんわか感に反して実はけっこう閉塞感のある映画だったが、人生に差し込むほんの一瞬のあたたかい光(そして何気ない残酷さ)を逃さず捉えた秀作に思う。
ゆるゆるシュールなフィリピン産のディザスターコメディ(?)だが、その根底には現実を直視せよの力強いメッセージがあった!かもしれない!
二転三転で引っ張ってドドンと伏線を回収していくシナリオは面白いし反差別のテーマにも真面目に取り組んでいてそのくせシリアスになりすぎない、堤幸彦会心のメジャー映画凱旋作。