老年は荒野を目指す映画『マークスマン』感想文
大して面白いものでもないかもしれないが、こんな映画を休日に映画館で観る余裕が忙しなく情報収集&発信に勤しむ現代人には必要なのではあるまいか。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
大して面白いものでもないかもしれないが、こんな映画を休日に映画館で観る余裕が忙しなく情報収集&発信に勤しむ現代人には必要なのではあるまいか。
映画版スパイダーマンに思い入れのある人は楽しいかもしれないですけど俺にとってはげんなりさせられる二時間半だった。
言うならば町中華のA定食650円の映画。ディナーには多少物足りないがランチにはちょうどいいだろう。俺はディナーも650円だけどね!
意識してそうなったわけじゃないんですけど最初に20本ぐらい選んでそっから削って10本にしたら結構ワールドワイドな感じになった。新コロで閉塞した時代だからこそ映画でぐらい色んな世界を見たいよね的な感じで。
香港映画の一時代の終焉を告げると共にこれが遺作となったベニー・チャンが次世代の香港映画人、反体制香港人に捧げるエールのような映画だ。これは泣く(泣かなかったけど)
『ジョン・ウィック』みたいなアクションと火薬量と死者数に大興奮のコリアン・ノワールだが、故郷を失った人たちのちょっと切ない居場所探しのお話でもあった。
こんなアニメ子供向けでしょとか言い放つ脳みその凝り固まった大人のみなさん! あなたたちこそ観るべき絶対観るべきこれ!
個々のバトルはかなり面白いんですけど場面場面の面白さと無駄に風呂敷を広げたストーリーが完全に後者のせいでうまく結びつかないので微妙な感じになってた気がした。
勝ち負けの競争には乗りませんよみたいな意識があるっぽいのはエンドロール後の映像を観ればわかるけどさぁ…みんな違ってみんな良いけどさぁ…さぁ!
金曜のレイトショーで観るときに満足度がプラス30点ぐらい加算される映画だなこれは。なんかリゾーティ~な浜辺でトムハとシンビオートがまったり夕陽を眺める癒やしのシーンもありますしね。なにその平和感と昭和漫画感!