実写映画版『思い、思われ、ふり、ふられ』感想文
いやもうビックリですよ。ガキ向け映画のはずなのにそこらの大人向け恋愛映画なんかより全然大人の恋愛をしていたし、恋愛の本質に迫ろうとしていたので。素晴らしい映画だと思います。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
いやもうビックリですよ。ガキ向け映画のはずなのにそこらの大人向け恋愛映画なんかより全然大人の恋愛をしていたし、恋愛の本質に迫ろうとしていたので。素晴らしい映画だと思います。
歌って踊ってみんな幸せ! イケない心、ちょーだいされましたっ! 黒沢清(偽)も出てくるよ!
今アメリカではこういうキラキラ映画がウケてるらしいですよ。キラキラ映画の権利元はアメリカの会社にリメイク権とか売りつければ一儲けできるんじゃないだろうか。
カワイイ男の子とカワイイ女の子とダンスさえありゃ他は全部デタラメでも映画は出来る! 映画ってこんなデタラメで良いんだと感動さえ覚える一本だった。
ヒーロー映画的な面白さとしては普通、とにかく普通としか言いようがないのだが、面白さとは別に好感を抱くポイントが多い映画でした。
短い中にもショウビズ業界の裏表、ハリウッドの功罪、くるくる変わるスタアと観客の関係、そこにある一抹の救いを描き切って、ラストは慎ましくも荘厳にハリウッドに殺された大女優ジュディ・ガーランドを追悼。実にすばらしい『スタア臨終』映画でしたね。
ホストと土方とヤンキーとヤクザ。ダンスとケンカとヤンキーアクション。隙あらば飛び出すシャンパンコール。愛と仁義と下剋上。コミカルに演出しているとはいえ話がVシネなので前作劇場版のようにキラキラポップな観るアッパードラッグ映画ではないが、今回も唯一無二のEXILEスタイルの映画でしたな。
ダメだなドランは。相変わらずナルシスティックに自分の世界に自足して外の世界などお構いなし。プライベートな事柄を描くときにはそれもプラスに転ずるが、ドラン的にはいちばん外の世界に近づいたと思われる今度の映画だとそのへんのダメさが露骨に出る。そのダメさが、俺みたいな意地の悪いアンチには逆に好感の持てるところではあったが。
半ば無意識的にコメディでありつつホラーという中間地帯をお祭り気分で描破した『ウィッカーマン』と『2000人の狂人』の偉大さを改めて知る。
金曜の仕事帰りに観たのになんと118分のあいだ一睡もできませんでした。そんなに面白いわけじゃないのに寝かせない! そのへん、微妙にして絶妙な仕事帰りムービーでしたね。