グリモリ完全攻略映画『罪の声』感想文(微妙にネタバレあり注意)
面白い映画ではあったんですけどトータルの印象としてはテレビの2時間サスペンスの拡大版に結局は収まってしまったなぁという感じ。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
面白い映画ではあったんですけどトータルの印象としてはテレビの2時間サスペンスの拡大版に結局は収まってしまったなぁという感じ。
面白かったけれどもなんだか空虚な映画であったな。都市は空虚で人も空虚、映画も空虚でXVIDEOSだって空虚です。
暗殺は時代を映す鏡。編集もアップテンポでスリリングだしちょっとしたユーモアも交えて21世紀の怪事件の顛末と現代社会の暗部が楽しく学べる面白い報道ドキュメンタリーでした。
おいおいこんなことを2時間もかけてやってたのかよ~とは口が裂けても言えない睡眠鑑賞者であったが(言えないので書きました)、そんなショボイことに命を張る人間もおるんだよ的な路傍のノワール美学にはやはりシビれる。
わりと普通に面白かったです。面白かったですけどわりと普通の黒沢清映画でした。
ぶっちゃけ最初は『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』ほどではないなと思ったんですが全話見終って反芻した結果、これはこれで『ヒルハウス』に並ぶくらいな傑作ドラマと手の平返し。いやぁ見事でしたよ今回も。
笑えるアート青春映画としても面白いしアートの変遷から見た現代ドイツ史としても面白い、リヒター作品のひとつの謎解きとしても、西では退廃芸術の烙印を押され東では社会主義リアリズムに押しつぶされた前衛アートの名誉挽回ものがたりとしても面白い。面白いなぁ!
ほぼほぼ理想ハウスの中だけで展開していく舞台劇に近い地味なドラマを例のぶっきらぼう編集とか変則カメラワークで中だるみなく一定の緊張感を保って見せ切るのだから作りはインスタントでも味は本物な『人魚の眠る家』姉妹編。
何も考えずにおもしろいダンスとおもしろいミュージックとおもしろいセックスに身を委ねていればおもしろい映画かもしれないです。
いやまんまと騙された。潜水艦内のディティールが細かくてミリタリー映画として面白いし、謎の潜水艦を巡るミステリー展開を経ての転調がまた…面白い映画でしたね!