シャークボイルド映画『シャーク・ド・フランス』感想文
サメ映画ではなくあくまでも『ジョーズ』の現代フランス版。なんとも渋い大人向けの映画でしたなこれは。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
サメ映画ではなくあくまでも『ジョーズ』の現代フランス版。なんとも渋い大人向けの映画でしたなこれは。
超能力バトルの演出とその時のガキどものカッコよさに興奮して泣いてしまった。本当に良い映画っていうのはそういうところで泣けるんだよ。
これは悔やまれる出来事だが渋谷TSUTAYAでジョン・マクティアナン版の『ローラーボール』が観たくてソフトを探していたら予想以上に時間を食ってしまいその後に行く予定だったこの映画の上映開始時刻に10分ほど遅れてしまった。
そんな大して面白い映画ではないけれども『タクシードライバー』の脚本家がようやくこの境地に辿り着いたんだなって思うとちょっと沁みる。
長回しの多用しすぎによりかなり眠くなる映画ではあると素直に書いておくが、最初と最後だけ観ても面白かったのでイイ映画には違いない。
狭苦しい街並みと表情筋の乏しい人々を観ていると日本のそれと被ってしまうところもあり、はーやるせない。実にやるせなくて良い映画でしたね。これは人生についての物語。
面白いけどそんな大した映画じゃないんじゃないって思うしよくよく考えれば売りの群像ミステリー構成も最近の邦画トレンドでしかないよなみたいな。
いやぁ、これは力作ですよ。単に露悪的なだけで現実の厳しさにはぜんぜん達していない作家系のミニシアター向け邦画なんかより(これもミニシアター映画だが)よほどシビアに現実を捉えていると思う。
コントにしか見えないがこれはもうこういう映画として、イイ。きっと現代日本の悪をそのまま描こうとしたら間違ってもノワールになんかならずコントになってしまうのだろう。
そこそこ楽しめるがどうせバカな脚本なんだし『サウスパーク』風のブラックコメディにしてしまったらよかったのにと思うた。