悪なき復讐映画『ライダーズ・オブ・ジャスティス』感想文
おもしろかった! アクションかなぁと思って観に行きましたけど違ったねこれは寓意とブラックユーモアの映画。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
おもしろかった! アクションかなぁと思って観に行きましたけど違ったねこれは寓意とブラックユーモアの映画。
香港映画の一時代の終焉を告げると共にこれが遺作となったベニー・チャンが次世代の香港映画人、反体制香港人に捧げるエールのような映画だ。これは泣く(泣かなかったけど)
『ジョン・ウィック』みたいなアクションと火薬量と死者数に大興奮のコリアン・ノワールだが、故郷を失った人たちのちょっと切ない居場所探しのお話でもあった。
いろいろ考えさせられて面白かったですしあと睡眠導入映画としてもかなりレベル高かったです。
お話の全貌の見えない序盤は面白いものの真相が見えてくる中盤は間延びして終盤はちょっと尻すぼみに感じたが物語の下地を成す登場人物の関係性に目を向けてやっぱよくできていたなと思いなおす。イイ雪国ノワールコメディです。
いやまったく嫌味だらけで最高な映画でしたナァ。ロザムンド・パイクもカッコイイし二転三転のストーリーも面白い、だいたいこの現代アメリカ社会を宇宙ステーションから眺めるような冷めた目が、俺は大好きなのである。
とにかく臨場感が尋常ではなく分刻みで人が死ぬ、それも敵も味方も戦闘に巻き込まれた一般人も関係なくガンガンあっけなく死んでいく凄まじさ。戦争の地獄が体験できる映画です。
メンタルおよび学力が小学生なのでタイトルの漢字が読めないとそれだけでなんとなく反感を抱いてしまい案の定内容にもあんま良い印象は持てなかった。
なんというガイ・リッチーらしからぬ重ノワール!しかしその重さの背後にはアメリカに対する皮肉が透けて見え、ノワールの本質は皮肉にありと古来より決まっているのでおもしろかったなーこれはー、一級品のノワールだったねー。
現実逃避と懐古をよいものとして描くなかなか斬新で挑戦的なディストピアSF。売れないと思うので全力で支持したい。