快作B級ノワール『アクセレーション』感想文
裏社会のお仕事を終えたナタリー・バーンが貧乏ダイナーに入ってステンレスのナプキン入れを鏡代わりに額の血を拭う等々、金はないがノワールなディティールに抜かりのないB級ノワール・アクションの快作。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
裏社会のお仕事を終えたナタリー・バーンが貧乏ダイナーに入ってステンレスのナプキン入れを鏡代わりに額の血を拭う等々、金はないがノワールなディティールに抜かりのないB級ノワール・アクションの快作。
全編サスペンスフルで中だるみナシ。ジョエル・キナマンの男気も悪い奴の悪さも素敵な好編でした。さすが梅沢富美男推薦!
面白いは面白かったがしかし4時間弱もランタイムがあるのだし、こういう題材なのだから個人対個人の物語に終始するのではなくてもう少し大局を見たかったという気もする。
組織と家族と法の間で揺れ動くヴァンダムの渋演。突発的なバイオレンスや硬派な共演陣も素晴らしい、良いノワール映画だったと思う。
『ドラッグ・ウォー 毒戦』だいぶキレた映画なのでその韓国リメイクとくればそれはもう(良い意味で)客を殺しにかかってくる地獄絵図なんじゃないかと思ってしまうが予想に反して間口の広い感じの娯楽ノワール。ちゃんとしていてびっくりする。
現実が野蛮な時にフィクションの野蛮は本当に不利。野蛮系映画作家には苦しい時代よね。この野蛮に単純にうおおおおおおってギン勃ちできるぐらい、現実の方が理性的になってほしいものです。
世の中にはいろんな暴力があるわけですがここまで理不尽な暴力は久々に映画で観たなぁ。おもしろかった。
どの程度事実に近いのかはあまり気にしない方がいいタイプの映画だとは思うがこれで実録。映画向けのネタありすぎだろう韓国。超おもしろかった。
妻夫木聡の反社ウェーイ芝居、素晴らしかったなぁ。何も考えてないようで常に獲物をサーチしている風のふらついた挙動、ヘラヘラ笑ってのウザ絡みからのキレへのナチュラルな移行が見事で見事で、こういう人が入江に吉本芸人を呼ばせてたんだろうなぁと入江に吉本芸人を呼ばせていた人を知らないのに確信してしまう。
白石和彌監督の映画は『孤狼の血』と『麻雀放浪記2020』を観てうわもうこれダメだわ俺この人の映画完全に合わねぇわって思っていたところなのでなんだおもしろいじゃん、っていうか『孤狼の血』より全然ヤクザ映画だし『麻雀放浪記2020』より断然ギャンブル映画じゃん!