虚実皮膜のあわい映画『宮松と山下』感想文
ズルいよな映画って。こんなの観たらやっぱり香川にしっかり懺悔謝罪断酒断歓楽街など行った上でまた色んな映画出て欲しいって思っちゃうもん。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
ズルいよな映画って。こんなの観たらやっぱり香川にしっかり懺悔謝罪断酒断歓楽街など行った上でまた色んな映画出て欲しいって思っちゃうもん。
監督の廣木隆一は今年公開された映画がなんと3本もあるらしい。多忙だから手を抜いたということもないだろうが、もう少しさぁ、もう少し作品としっかり向き合って撮ってほしかったですよ…。
面白いけどガワだけ立派で中身があんま詰まってない映画って感じはわりとある。
おそらくこの映画の作り手は環境保護のメッセージを伝えることにしか関心がなかったんじゃないだろうか。そのメッセージは俺も大事だと思うのだが…。
面白かったし別に観て損をしたとは思わないけど、そんなに力のある作品ではなかったよ俺には。前作観てたらまた違うのかもしれないけど。
ある意味で究極のA24映画なのだがもちろん良い意味で言っているわけではない。
事の真相の半分ぐらいを明かしてしまっているのでこんなもん誰でも予想付くだろとは思いつつ一応ネタバレ注意の警告をしとく。
粋な映画ですなぁこれは。こういう映画をサラッと撮れる香港映画人に憧れてしまう。
展開に抑揚がないので俺はたくさん寝ましたけれどもクセが強いってことは映画として悪いことではないですからイイんじゃないでしょーか。俺は好きじゃないけど。
海外映画の邦画リメイクと聞けば脊髄反射的に改悪を予想して身構えてしまうが、これは深みのある人間ドラマに加えてまきもとさんが行く先々でかましてしまう噛み合わない会話も笑える実によくできた映画だった。